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「あきちゃんの不動産お役立ちコラム」の記事一覧(112件)

不動産暦50年のあきちゃんが神戸市北区の皆様に不動産に関するお役立ち情報をお届けします。

50歳を過ぎて、ふと気づいた。「私の人生、このままでいいの?」
カテゴリ:マミーの不動産相続どうするねん  / 投稿日付:2026/05/12 12:46

頑張ってきたはずなのに、胸の中に小さなもや

50歳を過ぎたある朝のことです。

いつもと変わらない朝。コーヒーを淹れながら、ぼんやりと窓の外を眺めていたとき、ふと頭をよぎりました。

「私、これからどう生きていくんだろう。」


子育ては一段落した。仕事も続けてきた。地域の活動も、PTAも、頑張ってきた。やるべきことは、ちゃんとやってきたはずなのに、なぜか胸の中に、小さなもやがかかっている。

そんな感覚、あなたにも覚えはありませんか?

「頑張ってきたのに、なんで不安なんだろう」

周りからは「いつも元気だね」「なんでもできるね」と言われます。

でも正直なところ、夜ひとりになると、こんなことを考えてしまう。

  • 老後のお金、本当に大丈夫?
  • 体が動くうちに、やりたいことやれてる?
  • 自分のために生きる時間、いつ来るの?

誰かに言うほどでもないけれど、消えない不安。

50代の女性と話すと、驚くほど多くの方が「実は私も同じこと思ってた」と打ち明けてくれます。頑張り屋さんほど、自分の不安を後回しにしてきた。そういう人が、本当にたくさんいるんです。

「不動産」なんて、自分には関係ないと思っていた

正直に言います。


私も以前は「不動産って、お金持ちの話でしょ」と思っていました。難しい言葉が並んで、スーツを着た男性がするもの。自分には縁のない世界だと。

でも、50代を過ぎて不動産業に関わるようになって、気づいたんです。

不動産は「資産」じゃなくて「選択肢」だった。

どこで生きるか。どう稼ぐか。誰と暮らすか。老後をどう整えるか。そのすべての選択肢を、広げてくれるものだったんです。

「まさか私が、不動産と向き合う日が来るなんて」


28年間、私は英会話を教えてきました。

ECCジュニアの教室を自分で開校して、子どもたちに英語を教えながら、自分も子育てをして、地域の活動もして。毎日がとにかく忙しくて、「将来のお金のこと」を真剣に考える余裕なんて、正直ありませんでした。

「なんとかなるだろう。」

ずっとそう思って走り続けてきた。でも、ある日その言葉が通用しなくなる瞬間が来たんです。

転機は、一本の電話だった


教室を長年続けてきた中で、ふと立ち止まる出来事がありました。

知人から「不動産の経営サポートをしてほしい」という話が舞い込んできたのです。神戸市北区にある有限会社ハートピア。不動産業の会社でした。

最初は戸惑いました。

「私に不動産なんて、できるわけがない。」

歯科助手から始まり、喫茶店の店長、セレクトショップの店長、英会話講師。どれも「人と向き合う仕事」でしたが、不動産は別世界に感じました。契約書、法律、土地の価格、ローンの計算。頭の中に難しい言葉が並んで、一瞬逃げ出したくなった。

でも、ある言葉が私の背中を押しました。

「柳川さんだから、頼みたいんです」


その言葉を聞いたとき、胸がじんとしました。

資格があるから、ではない。経験があるから、でもない。「あなたという人間を信頼しているから」という理由で必要とされた。

振り返れば、いつもそうでした。

PTAの会長を引き受けたときも、地域協議会の事務局次長になったときも、誰かに「あなたにお願いしたい」と言われて動いてきた。資格や肩書きじゃなく、人としての信頼が、私のキャリアをずっとつないできたんだと気づいたんです。

「やってみよう。」

怖かったけれど、その一言を選びました。

飛び込んでみたら、世界が変わった


不動産業に関わり始めて、最初に驚いたのは「知らなかったことの多さ」でした。

たとえば、こんなことです。

50代でも、工夫次第で不動産を「収入の柱」にできること。難しそうな契約も、ちゃんと順を追えば理解できること。そして何より、お客様が一番求めているのは、専門知識より「安心して話せる人」だということ。

28年間、子どもたちに英語を教えてきた私は、難しいことをわかりやすく伝えることが得意でした。初めてのお客様が不安そうな顔で来て、帰るときに「話してよかった」と笑顔になってくれる。その瞬間が、英会話の生徒が「言えた!」と喜ぶ顔と、まったく同じに見えた。

「あ、私のやってきたことは、ここでも活きるんだ。」

そう気づいたとき、不動産が急に「自分ごと」になりました。

50歳を過ぎてから、人生が面白くなった

正直に言います。


20代・30代・40代、どの時代も必死でした。でも一番「自分らしく」生きていると感じるのは、今です。

やってきたことが、点から線になった。バラバラに見えた経験が、ひとつにつながった。そしてその線が、誰かの役に立っている。

50歳からの人生って、終わりに向かうんじゃない。本当の意味で、自分の人生が始まる時期なんだ。

そう思えるようになったんです。


知っているだけで、人生が変わる。50歳からの不動産活用術


50歳を過ぎてから不動産と向き合って、気づいたことがあります。

難しいのは「不動産」じゃなくて「知らないこと」への恐怖だった。

ひとつひとつ丁寧に紐解いていくと、実はシンプルなことばかりでした。今日は私が体験と失敗から学んだ、50代からでも使えるノウハウを正直にお伝えします。

ノウハウ① 「持ち家」は資産じゃなくて「選択肢」と考える


多くの方が「持ち家か賃貸か」という議論をします。でも私が不動産業に関わって一番感じたのは、どちらが正解かより「自分の人生設計に合っているか」が大事だということです。

たとえばこんなケースがありました。

70代のご夫婦が「子どもに家を残したい」と大切に守ってきた一戸建て。でもお子さんは県外に住んでいて、その家に戻る予定はない。維持費だけがかかり続けて、ご夫婦の生活を圧迫していました。

家を「資産」として固定して考えるより、「今の自分の暮らしに合わせて動かせるもの」として柔軟に考えることで、選択肢が一気に広がります。

50代からの行動ポイント

  • 今の住まいを「維持するコスト」を一度計算してみる
  • 10年後の暮らしをイメージして、住まいが合っているか見直す
  • 売る・貸す・住み替えるという選択肢を頭に入れておく


ノウハウ② 「地域の信頼」が最強の不動産資産になる


不動産業をやっていて、一番痛感したことがあります。

お金より先に、信頼が動く。

大手の不動産会社がチラシを何万枚まいても取れない案件が、地域で顔の見える人間関係から自然に生まれてくる。「あの人に相談してみたら」という一言が、何十万円もの広告費より強い。

私がECCの教室を28年続けられたのも、PTAや地域協議会で動けたのも、結局は「この人なら安心」という信頼の積み重ねでした。

これは50代の方が持っている、最大の財産です。

50代からの行動ポイント

  • 地域のつながりを「人脈」ではなく「信頼貯金」と捉え直す
  • 困っている人の相談に、損得なく乗ってみる
  • 「住まいのことなら気軽に聞いてね」と周りに伝えておく


ノウハウ③ 「小さく始める」が50代の正解


50代で新しいことを始めるとき、多くの方がこう思います。

「今さら始めて、間に合うかな。」

でも私が体験してわかったのは、50代は「大きく張る」より「小さく確実に積み上げる」ほうが圧倒的に強いということです。

不動産も同じです。いきなり物件を買う必要はありません。まず知ること、相談に乗ること、信頼を築くこと。その積み重ねが、やがて安定した収入と暮らしの余裕につながっていきます。

私が最初にやったことは、たった一つでした。

「相談に来た人の話を、最後まで丁寧に聞く。」

それだけです。その人の不安が何か、本当に必要なことは何か。専門知識より先に、人の話を聞く力。28年間教壇に立ってきた私には、それが自然とできた。

50代からの行動ポイント

  • 不動産の勉強より先に「身近な人の住まいの悩み」を聞いてみる
  • 一件の相談を丁寧にこなすことから始める
  • 焦らず、3ヶ月で小さな成果を積み上げることを目標にする

ノウハウ④ 「英語×不動産」は50代の希少な武器になる


これは私だけの話かもしれません。でも、同じような強みを持っている方に、ぜひ知ってほしいことがあります。

外国人の方が日本で家を借りることは、今もとても難しい状況です。言葉の壁、保証人の問題、習慣の違い。そこに英語で丁寧に寄り添える人間がいるだけで、その方の人生が大きく変わる。

英語が話せる不動産の相談相手は、まだまだ圧倒的に少ない。28年間英語を教えてきた経験が、まったく違う形で誰かの役に立つ瞬間は、何度経験しても胸が熱くなります。

50代からの行動ポイント

  • 自分の「掛け合わせ」を書き出してみる(例:英語×不動産、料理×地域、教育×相談)
  • その掛け合わせを必要としている人が、身近にいないか探してみる
  • 「専門家」ではなく「橋渡し役」として動いてみる

まとめ:50代からの不動産活用、4つの本質

  1.  
  2. 持ち家は「固定資産」じゃなく「動かせる選択肢」
  3. 地域の信頼が、最強の無形資産
  4. 小さく始めて、確実に積み上げる
  5. 自分だけの「掛け合わせ」が希少価値になる


人生の後半戦は、自分のために生きていい。


最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

ここまでお付き合いいただいたあなたは、きっと今、人生の大切な岐路に立っているのだと思います。

そのことが、私にはわかります。なぜなら、私自身がそうだったから。

振り返れば、ずっと誰かのために生きてきた

歯科助手として患者さんのために。セレクトショップの店長として、お客様のために。ECCの子どもたちのためにも。PTAでは保護者のために、地域のために。


気づけば58年間、誰かの役に立つことで自分の存在価値を確かめてきた。

それは間違いじゃない。むしろ誇りだと思っています。

でも、ある日気づいてしまったんです。

「私は、私自身のために何かをしてあげたことが、あっただろうか。」

その問いが浮かんだとき、すぐに答えが出なかった。それが少し、悲しかった。

「しあわせ」は、我慢の先にはなかった


50代になって、不動産業に関わって、AIを学び始めて。新しいことに飛び込むたびに、怖かった。

「失敗したらどうしよう。」

「もう年齢的に無理かな。」

「周りに笑われないかな。」


そんな声が、頭の中でいつもざわざわしていた。

でも実際に一歩踏み出してみると、不思議なことが起きました。

怖かったはずのことが、楽しくなった。できないと思っていたことが、できるようになった。そして何より、「まだ私、こんなに成長できるんだ」という驚きと喜びが、毎日あった。

しあわせは、我慢の先にあるんじゃない。一歩踏み出した先に、ちゃんと待っていた。

50歳からの人生に、遅すぎることは何もない


これだけは、自信を持って言えます。

私が英会話教室を開校したのは28歳。PTAの会長になったのは30代。不動産業に関わり始めたのは50代を過ぎてから。AIを学び始めたのは、つい最近のことです。

そのどれもが、今の私を作っている。

バラバラに見えた点が、時間をかけて線になる。その線が、誰かの地図になる。50代はその線が一番美しくつながる、人生で最も豊かな時期だと思っています。

私があなたに伝えたいこと、たった一つ


長々とお付き合いいただきましたが、最後に伝えたいことは、シンプルにこれだけです。

「あなたがこれまで生きてきた時間は、すべて財産です。」

失敗も、遠回りも、我慢してきたことも。誰かのために費やしてきた時間も、報われなかった努力も。

それは全部、これからのあなたの強みになる。

不動産でも、英語でも、地域の活動でも。あなたが積み上げてきたものは、必ず誰かの役に立ちます。そしてそれが、あなた自身のしあわせにもつながっていく。

50歳からの人生は、終わりじゃない。

ようやく、自分のための人生が始まる季節です。

最後に、あなたへ


もし今、何かに迷っていたり、踏み出せずにいたりするなら。

どうか自分に、こう言ってあげてください。

「私はここまで、十分よく頑張ってきた。」
「これからは、自分のためにも生きていい。」
「一歩だけ、踏み出してみよう。」

その一歩が、きっと新しい景色へあなたを連れて行ってくれます。

私はそれを、自分の人生をかけて証明し続けていきたいと思っています。

柳川真由美
50歳から、しあわせに生きる。その道を、一緒に歩きましょう。

不動産屋が一番儲かる瞬間を教えます
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/12 12:29

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、ふだんは業界の人間が絶対に口を割らない話をします。

「不動産屋が、一番儲かる瞬間」のお話です。

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家を売るときも、買うときも、この仕組みを知っているのと知らないのとでは、手元に残るお金が数百万円変わってきます。これは大げさではありません。

「いい不動産屋さんに巡り会えた」と思っているとき、裏側では静かにこの仕組みが動いていることが、本当にあります。


結論から申し上げます


不動産屋が一番儲かる瞬間。それは、一つの取引で売主と買主の両方から仲介手数料をもらう「両手取引」を成立させたときです。

はっきり申し上げます。業界の人間がのどから手が出るほど欲しいのは、「他人にこの物件を触らせないまま、自分の客で買い手まで決めること」です。

これを実現するために、業者は「囲い込み」「高預かり」「値下げ誘導」「買取転売」といった、いくつもの手口を使い分けてきます。

50年やってきて分かったことがあります。売主や買主が「いい不動産屋さんに巡り会えた」と思っているとき、裏側ではこの仕組みが静かに動いているケースが、本当に多いのです。


1. 仲介手数料の仕組みを、まず正直に


なぜ「両手」がそんなに美味しいのか。仕組みを知っていただくのが先です。

不動産の仲介手数料は、法律で上限が決まっています。物件価格が400万円を超える場合、上限は「物件価格の3%+6万円+消費税」です。

たとえば3,000万円の家が売れたとします。売主からもらえる手数料は、3,000万円×3%+6万円=96万円。消費税を入れて約105万円です。

ここで、もしその家の買い手も、同じ不動産屋が連れてきていたらどうなるか。

買主からも同じ105万円が入ります。一つの取引で、合計210万円。これが「両手取引」です。

片方の客しか担当していない「片手」と比べて、収入はちょうど2倍。労力はそれほど変わりません。なぜなら、同じ物件を同じ業者の中でやりとりするだけだからです。

これが、不動産屋にとって一番美味しい瞬間です。


2. 「両手」を取るために、業者は何をするか


両手を取るためには、絶対条件があります。

「自分が預かっている物件の情報を、他社に渡さないこと」です。

不動産業界には、レインズ(REINS)という業者間の物件共有ネットワークがあります。本来、預かった物件は決められた期間内にここへ登録して、全国の業者が買い手を探せるようにする義務があります。

ところが、実際の現場では、こんなことが起きます。

レインズに登録はする。けれど、他社から「内覧したいお客さんがいる」と問い合わせが入ったときに、「申し訳ありません、ちょうど商談中です」「申し込みが入っております」と言って断る。

これが、業界で長く問題視されている「囲い込み」です。

商談なんて、本当はありません。ただ、他社の客に買われると片手しか取れないから、自分の客で買い手が現れるまで時間を稼いでいるのです。

これは断言できます。北区の物件でも、私のところに「他社で売り出されているはずなのに、内覧の予約が取れない」と相談が来たことが、過去に何度もあります。


3. 実例をお話しします


神戸市北区の鈴蘭台で、ご主人を亡くされたAさん(68歳)からのご相談でした。

ご自宅を売って、駅前のマンションへ住み替えたい。築32年の戸建てで、私の正直な査定は「2,750万円」でした。

ところがAさんは、大手のB社にお願いされていました。B社の査定は「3,200万円」。これだけ高く出された方を、止める権利は私にはありません。

3,200万円で売り出してから、半年が経ちました。

Aさんから電話がかかってきました。「内覧の問い合わせがほとんど来ない。1度内覧した人が、買い付けを入れてくれそうだったけれど、別の話があるからと断られた」

私はピンときました。

念のため、知り合いの業者に頼んで、B社にその物件の問い合わせを入れてもらいました。返ってきた答えは、こうです。

「ただいま商談中でして、内覧をお受けできない状況です」

私の知り合いがレインズで見たとき、その物件は「公開中」のままでした。


4. 業界の裏側を、もう一歩踏み込んで


Aさんのケースは、最終的にどうなったか。

B社は、半年以上「商談中」を理由に他社を遠ざけたあと、Aさんに「市況が厳しくなりました。2,400万円まで下げましょう」と提案してきました。

Aさんは疲れ切って、その金額で承諾しました。そして、ものの2週間で、買い手が決まりました。

買い手を連れてきたのは、B社自身でした。

Aさんから3%の手数料、買い手から3%の手数料。両手取引です。

つまり、B社は最初から、「3,200万円で囲い込み、半年ほど物件を寝かせ、Aさんが疲れたところで値下げを提案し、自社の客に2,400万円で買わせる」という流れを描いていた可能性が、極めて高いということです。

Aさんが受け取った金額は、私の最初の査定の2,750万円より、350万円少ない金額です。

50年やってきて分かったことがあります。不動産屋が「絶対お任せください」と胸を張るとき、その自信の出どころは、売主の利益ではなく、自分たちの両手手数料への自信であることが、本当に多いのです。


5. 両手以外にも、業者が儲かる瞬間はあります


「両手」以外に、業者が大きく儲ける瞬間がいくつかあります。これも正直にお話しします。

買取転売の差益

業者自らが売主から家を買い取り、リフォームして再販する手口です。買取価格は市場価格の60〜70%が相場。たとえば本来3,000万円で売れる家を、2,000万円で買い叩き、リフォームに300万円かけて、3,200万円で売り出す。差額が業者の利益になります。

「すぐ現金になります」「内覧の手間がかかりません」と言われると、つい飛びつきたくなる気持ちは分かります。ただ、相場より1,000万円安く手放している、ということは知っておいてください。

リフォーム業者からの紹介料

「うちの提携リフォーム会社さんを紹介します」と言われたとき、その裏で紹介料が動いているケースは珍しくありません。リフォーム代金の10〜20%が紹介元の不動産屋に戻る仕組みです。悪いとは言いませんが、相見積もりを取らずに決めるのは損です。

賃貸管理のサブリース

「家賃保証します」と言って物件を借り上げ、相場より2割安い家賃で又貸しする方式です。空室期間が長ければオーナーが損をしますが、サブリース会社は数年かけて家賃を切り下げる契約条項を入れていることが多く、結局割が合わなくなるケースが、北区でも増えています。


6. デメリット、というより正直な話


ここまで業界の裏側を書きましたが、デメリットも書いておきます。

両手取引そのものは、違法ではありません。法律で禁じられているのは「囲い込み」のほうで、両手取引自体は適切な手続きを踏んでいれば問題ないとされています。

ですから、すべての両手が悪いわけではありません。

ただし、「両手を取りたい」という業者の気持ちが、売主と買主の利益相反を生みやすい構造であることは、間違いありません。

売主は「1円でも高く売りたい」、買主は「1円でも安く買いたい」。本来、この二人の利害は真っ向からぶつかります。その両方の代理人を、一つの業者が同時に務めるというのが「両手取引」です。

冷静に考えれば、これは非常に難しい立ち位置です。

業者は、心の中でどちらの肩を持つのか。たいていの場合、答えは「両手手数料を逃さないように、なるべく早く成約させる方向」になります。

つまり、価格交渉が売主にとって不利な方向に流れやすくなる、ということです。


7. 売主・買主が身を守るために


ここまで聞かれて、不安になられた方もいらっしゃると思います。身を守る方法を、正直にお伝えします。

媒介契約は「専属専任」ではなく「一般媒介」を選ぶ

専属専任媒介契約は、その業者しか売り出せない契約です。囲い込みが起きやすい構造になります。一般媒介なら複数社が同時に売り出せるので、囲い込みは物理的に成立しません。

ただし、業者によっては一般媒介を嫌がります。「専任にしないと本気で動けません」と言われたら、その業者の本気度の正体は、両手取りへの執着である可能性を疑ってください。

レインズの登録証明書を必ず受け取る

媒介契約後、業者にはレインズ登録の証明書を発行する義務があります。これを受け取り、登録番号を控えてください。そして、定期的に「他社経由の問い合わせが何件あったか」を業者に尋ねてください。半年で一件も他社からの問い合わせが入っていない物件は、囲い込みを疑ってよい状況です。

買取の前に、必ず仲介の査定を取る

「すぐ現金になります」の話が来たら、その前に必ず、仲介で売った場合の査定価格を別の業者から取ってください。差額が1,000万円以上開くようなら、買取はやめておいたほうが良いです。


まとめ


不動産屋が一番儲かる瞬間は、両手取引が成立した瞬間です。そのために、業界では囲い込み、高預かり、値下げ誘導、買取転売、紹介料、サブリースなど、さまざまな仕組みが動いています。

これは断言できます。すべての不動産屋が悪いわけではありません。私のように、片手で十分と思いながら50年やってきた人間も、北区にはちゃんといます。

ただ、「自分の家がいくらで売れているのか」「なぜ売れないのか」の本当の理由は、売主から見えにくい構造になっている。これだけは知っておいてください。


最後に、これだけは申し上げたい


もし今、ご自宅を売り出していて、半年たっても内覧が少ない、あるいは大幅な値下げを提案された方。

その業者は、本当にあなたの味方でしょうか。

少しでも引っかかったら、一度、私のような地元の業者にセカンドオピニオンを取りに来てください。レインズの登録状況、過去半年の問い合わせ件数、近隣の取引事例。その場で正直にお調べして、お話しします。

ご相談は無料です。神戸市北区・西宮北部・三田の物件であれば、私が直接お話しします。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

なぜ同じ家なのに500万円差が出るのか
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/12 07:00

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、私が50年この仕事をやってきた中で、何度も何度も繰り返し見てきた「なぜ同じ家なのに、不動産屋によって500万円も査定が違うのか」というお話をします。

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「3社に査定を頼んだら、A社は2,800万円、B社は3,000万円、C社は3,300万円だった。一番高いC社にお願いしようかな」

そう考える方が、ほとんどです。

ですが、これは非常に危険な判断です。


結論から申し上げます


「査定価格が一番高い会社」を選んで売主が得をするケースは、私の50年の経験で言うと半分以下です。

むしろ、最初の3か月で売れず、結局一番安い金額で売る羽目になる人を、私は山ほど見てきました。

「査定価格」と「売れる価格」は、まったくの別物です。

なぜ500万円もの差が出るのか。それは、査定の仕組みそのものに、業者側の都合が入り込んでいるからです。


1. 査定はそもそも「正解のないもの」


不動産の査定は、中古車のように年式と走行距離で機械的に決まるものではありません。

基本は「取引事例比較法」と呼ばれる方法で、近隣で似た条件の家がいくらで売れたかを比較し、補正をかけて価格を出します。

ここで重要なのは、「補正」の部分です。

築40年でも管理状態がいい家は、補正でプラスになります。道路付けが悪ければ、マイナスになります。南向きならプラス、北向きならマイナス。角地ならプラス、旗竿地ならマイナス。

こうした補正の付け方に、業者ごとの「考え方」が、はっきり出ます。

つまり、机上の査定価格は「数字で出ているように見えて、人の判断の塊」なのです。だから、3社で500万円差が出ることは、普通にあります。


2. 高すぎる査定価格には、ほぼ100%、裏があります


ここからが本題です。

3社のうち、頭ひとつ抜けて高い査定を出してきた会社。ほとんどのケースで、そこには理由があります。

業界では、これを「高預かり」と呼びます。

要は「他社より高い金額を提示して、ひとまず媒介契約を取りに行く」やり口です。

実例をお話しします。

神戸市北区の藤原台で、築28年の戸建てを売りたいというAさんご夫婦(ともに70代)がいらっしゃいました。3社に査定を依頼。結果はこうです。

  • 私の会社:2,650万円
  • B社:2,800万円
  • C社:3,180万円

Aさんは当然、一番高いC社に頼みました。

ところが、3,180万円で売り出したものの、3か月で1件も内覧申し込みがありません。

価格を3,000万円に下げ、また1か月。さらに2,850万円。やっと内覧が入りだし、最終的に「2,500万円」で売却となりました。

売り出しから半年。Aさんは仲介手数料やハウスクリーニング代を引いて、手元に残るお金が大幅に減りました。

私が最初に提示した2,650万円なら、ほぼその金額で売れていたケースです。これは断言できます。


3. なぜ業者は「取れもしない高い査定」を出すのか


理由はシンプルです。

媒介契約を取らないと、その業者は1円にもならないからです。

媒介契約を取れば、3か月間「うちが売り出します」と独占できます。売れなければ売れないで、値段を下げる提案をすればいい。本当に売れなかったとしても、その3か月は「他社にチラシも入れさせない、ネットでもうちだけが扱っている」という状態を作れます。

これを業界では「囲い込み」と組み合わせて使うことがあります。本当に売る気で動いているのか、ただ預かっているだけなのか、売主からは見えません。

50年やってきて分かったことがあります。

「他社より高い査定を出す」のは、簡単です。口で言うだけだから、いくらでも言えます。

本当に難しいのは「現実に売れる価格を、根拠を持って示すこと」です。それができる業者は、はっきり申し上げて、北区でも一握りです。


4. 査定価格を決める「5つの要素」


私が査定するときに必ず見るのは、以下の5つです。

  • 立地
  • 建物の状態
  • 土地の形状と接道
  • 近隣の取引事例
  • 今その地域に買い手が何人いるか

このうち「立地」「土地の形状」「接道」は、もう動かせません。動かせるのは、建物の見た目を整えること、そして「いつ売り出すか」のタイミングだけです。

逆に言えば、査定が500万円高い会社というのは、この5要素のどこかを甘く見ているか、わざと甘く見せているかのどちらかです。たいていは、後者です。


5. 査定書を見るときの3つのポイント


査定書を業者から受け取ったら、必ずこの3点を確認してください。

  • 近隣の取引事例が具体的に何件、いつ、いくらで掲載されているか
  • 査定価格の上限・下限・想定値の3つが書かれているか
  • 売り出し価格と成約予想価格の差が、どれくらいあるか

近隣事例が書かれていない、あるいは1〜2件しか出ていない査定書は、はっきり申し上げます、信用できません。机上で適当に出した数字です。

逆に、近隣事例が5件以上書かれていて、「成約価格はここまで下がる可能性があります」と正直に下限を書いている査定書は、それだけで信頼できます。

「うちは絶対この金額で売れます」と言い切る査定書は、むしろ警戒してください。不動産に「絶対」はありません。


6. デメリットも正直に書きます


ここまで「高い査定は危険」とお話ししてきました。

ですが、本当に売れる地域、たとえば駅近で買い手が多くついている物件であれば、最初に強気の価格を付けて挑戦する戦略も間違いではありません。

問題は、北区の郊外、たとえば道場・八多・大沢といった、もともと買い手の数が限られている地域です。

こういう地域で強気の価格を付けると、最初の2か月で物件が「枯れます」

「枯れる」というのは、買い手側の業者の間で「あの物件は高すぎて売れない物件」というレッテルを貼られ、紹介リストから外されることです。一度枯れた物件は、価格を下げても買い手の目に止まりにくくなります。

これが、強気査定の本当のリスクです。

500万円高い査定を信じた結果、最終的に1,000万円安く売る羽目になる。これが現実に、北区でも何度も起きています。


7. では、どう査定を頼めばいいのか


私のおすすめはシンプルです。

3社に査定を頼んでください。ただし、選ぶのは「一番高い会社」ではなく、「査定書がちゃんとしている会社」です。

そして、その3社に、直接こう聞いてください。

  • この価格で売れる根拠は何ですか
  • この価格で売れなかった場合、どれくらい下げる必要がありますか
  • 最終的にいくらで成約すると考えていますか

この3つに、具体的な数字と地域の事例で答えられる業者を選んでください。

「大丈夫です、絶対売れます」と言うだけの業者は、お引き取り願いましょう。


まとめ


査定価格に500万円の差が出るのは、不動産の査定がそもそも「人の判断」だからです。そして、その判断には、業者の都合が入り込みます。

高い査定に飛びつくと、結局、最初の値段で売るより、安く売る羽目になります。

これは断言できます。50年で何百件と見てきましたが、強気査定で得をした売主より、損をした売主のほうが圧倒的に多いです。


最後に、これだけは申し上げたい


ご自身の家の査定で迷ったら、まず1社だけでも、私のような地元の業者に話を聞きに来てください。

他社の査定書を持っていただければ、その数字が本物かどうか、その場で正直にお話しします。

家を売るのは、人生で1〜2回あるかどうかです。最初の判断を間違えると、500万円どころか、1,000万円損する人もいます。

ご相談は無料です。神戸市北区・西宮北部・三田の物件であれば、私が直接お話しします。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

「すぐ売れますよ」と言われた時に疑うべきこと
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/10 07:46

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、私が50年この仕事をやってきた中で、何度も何度も見てきた「すぐ売れますよ」というセリフの裏側についてお話しします。

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これは、不動産屋の営業マンがよく使う、ある種の殺し文句です。

「奥さん、この物件なら2週間で買い手がつきますよ」

「先生のマンション、すぐにでも売れます。お任せください」

こう言われて、ふっと心が動いた経験はありませんか。

もし今、その言葉を信じて媒介契約を結ぼうとしているなら、ちょっとだけ立ち止まってください。

そのセリフの裏には、売主にとって決して気持ちのいい話ではない仕掛けが、いくつも隠れているからです。


結論から申し上げます


「すぐ売れますよ」と言われたら、それは喜ぶ場面ではなく、警戒する場面です。

理由は3つあります。

「相場より安く設定されている」「ただの空手形に終わる」「両手取引狙いで囲い込まれる」。このどれかに当てはまることが、ほとんどです。

50年やってきて分かったことがあります。本当に売主の側に立つ業者は、軽々しく「すぐ売れます」とは言わないのです。


1. 不動産には「適正な売却期間」があります


まず、これを覚えておいてください。

戸建てもマンションも、適正な価格で売り出して、売れるまでに「3ヶ月から6ヶ月」かかるのが普通です。

これは私の感覚だけではありません。レインズ(不動産流通機構)のデータでも、近畿圏の中古マンションの平均成約期間は、おおむね90日前後です。

つまり、3ヶ月かかるのが「平均」であって、決して遅いわけではないのです。

ところが、営業マンが「2週間で売れます」「1ヶ月以内に決まります」と言ってきたら、これは平均よりはるかに早いということになります。

平均より早く売れるには、必ず理由があります。その理由を、営業マンが正直に話してくれるかどうか。それが、信用できる業者かどうかの分かれ道です。


2. 「すぐ売れる価格」とは、相場より安い価格のこと


はっきり申し上げます。

「すぐ売れる」というのは、ほとんどの場合「安いから売れる」という意味です。

不動産の値段というのは、相場というものが必ずあります。神戸市北区の藤原台で、築20年・3LDK・75平米のマンションなら、だいたいの相場が決まっています。

その相場どおりに出せば3〜6ヶ月、相場より100万円高ければ半年から1年、相場より200万円安ければ2週間から1ヶ月。これが現場の感覚です。

「2週間で売れる価格」というのは、相場より200万円から300万円安い価格、つまり「買主にとって超お買い得な価格」ということです。

買主にとってお買い得ということは、売主にとっては損ということです。

このカラクリを、営業マンは口に出しません。「すぐ売れますよ、お任せください」と笑顔で言うだけです。


3. 「すぐ売れますよ」が空手形に終わる仕組み


もう一つのパターンがあります。

それは、媒介契約を取るためだけに「すぐ売れますよ」と言って、実際には何の根拠もないというケースです。

これを業界では「高預かり」と言います。

最初に高い価格を提示して「この値段で売れます」と売主に夢を見せ、媒介契約を結んでしまう。媒介契約は通常3ヶ月縛りです。

そして契約後、1ヶ月もしないうちに「反応が悪いですね」「やはり少し値下げしましょうか」と言ってくる。

このとき売主は、もう他の業者に頼みにくい状況になっています。「あと2ヶ月待ってから他に頼もう」と考えるうちに、ずるずると値下げ誘導が始まります。

最初に「すぐ売れます」と言った業者ほど、後で「値下げしましょう」と言ってくる確率が高い。これは50年見てきて、断言できます


4. 一番怖いのは「すぐ売れる」と言って囲い込むパターン


もっと厄介なのが「囲い込み」です。

囲い込みというのは、自社で売主から預かった物件の情報を、他社に教えないようにすることです。

なぜそんなことをするかというと、買主も自分の会社で見つけたい、つまり売主からも買主からも仲介手数料を取りたい、いわゆる「両手取引」にしたいからです。

「すぐ売れますよ」と言って預かった物件を、レインズには形だけ登録しても、他社から問い合わせが来ると「申し訳ありません、商談中でして」「先約が入っておりまして」と断ります。

この状態を業界では「物件が枯れる」と言います。

売主は「あんなに自信満々だったのに、なぜ売れないのか」と不思議に思うわけですが、実は売る気で売れないようにしているのです。

そして3週間も経つと、こう言ってきます。「やはり相場が動いていますね。100万円下げましょう」。

下がった価格で、自社の買主に紹介する。両手取引が成立する。売主だけが損をする。


5. Sさんの実例。「2週間で売れる」が「250万円の値下げ」に変わるまで


実例をひとつお話しします。

神戸市北区藤原台にお住まいだったSさんご夫婦の話です。お父さんが62歳、お母さんが59歳。お子さんが独立されたので、もう少しコンパクトな住まいに引っ越そうということで、マンションを売りに出されました。

築18年、3LDK、75平米、駅から徒歩8分。悪くない条件のお部屋でした。

最初に大手の業者さんに査定をお願いしたところ、「3,200万円で2週間以内に売れます」と言われたそうです。Sさんご夫婦は喜んで、その業者と専属専任媒介契約を結びました。

ところがどうでしょう。

2週間経っても、1ヶ月経っても、内見の問い合わせは2件しか来ません。

1ヶ月半経った頃、担当者がこう言ってきました。「やはり今は冬で動きが鈍いですね。3,000万円に下げましょう」。

Sさんは渋々応じました。しかしそれでも売れません。

3ヶ月の媒介契約が終わる直前、最終的に「2,950万円」で売れました。

最初に言われた「3,200万円で2週間」が、結果的に「2,950万円で3ヶ月」になったのです。差額は250万円

私のところに相談に来られたのは、決済が済んだ後でした。「あのとき、適正価格をきちんと教えてくれる業者に頼んでおけば」と、Sさんはずいぶん悔しがっておられました。

最初の3,200万円が「すぐ売れる価格」でなかったことは明らかです。しかし、業者は「すぐ売れますよ」と言って預かり、結果的にSさんから時間と価格の両方を奪ってしまったわけです。


6. 早く売れることのデメリット


ここで、もう一つ大事なことを申し上げます。

「早く売れる」というのは、売主にとって必ずしも良いことではありません。

確かに、相続税の納付期限が迫っているとか、住み替え先の決済日が決まっているとか、急ぐ事情があるなら別です。

しかし、特に急ぐ理由がないのに「早く売れた」場合は、こう考えてください。

買主が即決した、ということは、買主から見て「お得だった」ということです。

不動産は、何千万円もの買い物です。買主だってさんざん悩むのが普通です。それを即決した、つまり「これは安い、逃したらもったいない」と思わせる価格だった、ということなのです。

その分、売主の手取りが減っています。

50年やってきて分かったことがあります。本当に売主の側に立つ仲介業者は、「3ヶ月かけて、適正価格で、ちゃんと比較検討する買主に売りましょう」と言うものです。

「すぐ売れます」と言ってくる業者は、売主の利益より、自社の手数料を優先している可能性が高いのです。


まとめ


「すぐ売れますよ」と言われたら、警戒してください。

それは「相場より安い価格設定」「単なる空手形」「両手取引のための囲い込み」のどれかである可能性が、非常に高いです。

不動産には適正な売却期間があり、3ヶ月から6ヶ月かかるのが普通です。それより極端に早いと言われたら、必ず理由を聞いてください。理由をきちんと説明できない業者は、信用しないほうがよいです。

そして「ご自身の物件の本当の相場はいくらなのか」を、複数の業者に聞いて、安すぎず高すぎず、媒介契約を急がない業者を選んでください。


最後に、これだけは申し上げたい


私は50年この仕事をやってきて、「すぐ売れますよ」という甘い言葉に乗せられて、結果的に200万円、300万円、ときには1,000万円も損をされた方を、何人も見てきました。

不動産は人生で最大の取引です。「早く売れる」より「正しい値段で売れる」ほうが、はるかに大事です。

神戸市北区・西宮北部・三田で売却を検討されている方。媒介契約を結ぶ前の段階で構いません。「うちの物件、本当はいくらで売れるんですか」「この業者の言うことは信用していいですか」、こういうご相談を、私のところに無料で持ち込んでください。

50年、現場でやってきました。売主が損をしないために、できる限りのことを正直にお話しします。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

不動産屋の営業トークを見抜く方法
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/09 06:41

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、私が50年この仕事をやってきた中で、いちばん腹立たしく見てきたテーマについてお話しします。不動産屋の「営業トーク」です。ご相談に来られた方が、必ずおっしゃるのです。「あきちゃん、こう言われたんですが、本当ですか」と。

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はっきり申し上げます。不動産屋の営業トークの8割は、お客様のためではなく、自分の今月の数字のために言っています。

50年やってきて分かったことがあります。営業トークというのは、業界の中で「型」が決まっているのです。同じセリフを、皆が同じ場面で使う。だからこちら側がパターンを知っておけば、見抜けます。


結論から申し上げます


これは断言できます

これから申し上げる「7つの営業フレーズ」を聞いたら、その場で即決してはいけません。一度持ち帰って、ご家族と冷静に考えてください。

危険な7つはこれです。

  • 「今が売り時です」
  • 「弊社なら他社より高く売れます」
  • 「ちょうど今、興味を持っている買主様がいまして」
  • 「専任媒介がいちばんお得ですよ」
  • 「市場の反応が悪いので、少し値下げを」
  • 「最悪、弊社で買い取りますので」
  • 「この物件はお買い得です、すぐに決まりますよ」

順番に、それぞれの「裏」を申し上げます。


1. 「今が売り時です」の裏


このセリフを、根拠なく使う営業マンは要注意です。「なぜ今が売り時なのか」を3つ以上の数字で説明できないなら、信じてはいけません

本当に「今が売り時」かどうかは、市況だけでなく、お客様ご自身の年齢、家族構成、ローン残債、税制の節目、住み替え先の有無、これら全部を見て初めて判断できます。

「今が売り時です」と即答する営業マンは、あなたの状況を1ミリも見ていません。ただ媒介契約を取りたいだけです。

媒介契約を取れれば、3か月から6か月、その物件を独占的に扱えます。彼らにとっては「とりあえず預かれば勝ち」なのです。


2. 「弊社なら他社より高く売れます」の裏


これがいちばん危険なフレーズです。

業界では「高預かり」と呼ばれる手口です。査定書に、市場価格より明らかに高い金額を書いてくる業者がいます。本当は3,000万円でしか売れない物件に、3,500万円という査定を出すのです。

売主は当然、高い査定を出した会社のほうが「頼りになりそう」と感じます。それが狙いです。

でも3,500万円で出して売れるはずがない。3か月後に「市場の反応が悪いので3,200万円に下げましょう」、6か月後に「3,000万円に下げましょう」、9か月後に「2,800万円に下げましょう」と、段階的に下げられます。

私のお客様で、Cさんご夫婦(65歳と63歳)がおられました。神戸市北区鈴蘭台の戸建てで、3社に査定を依頼されました。

A社「2,600万円」、B社「2,650万円」、C社「3,200万円」

C社だけが突出して高い。ご夫婦は「やっぱりC社にお願いしたほうが得そうね」とおっしゃって、C社と専任媒介を結ばれました。

結果はどうなったか。9か月かかって、最終的に「2,400万円」で成約。当初A社・B社が出していた査定額より200万円から250万円安く売る羽目になりました。

なぜか。「9か月も売れ残った物件」というレッテルが付いてしまったからです。買主は「これだけ長く売れていない物件は、何か問題があるはずだ」と疑います。だから値切り倒されます。

査定金額が周りより極端に高い業者は、信じてはいけません。これは50年やってきて、断言できます。


3. 「ちょうど今、興味を持っている買主様がいまして」の裏


これは「あて馬」と呼ばれる作戦です。

媒介契約を取りたい段階、あるいは契約直後に、「ちょうど良いタイミングで、買主候補がいまして」と言ってくる業者がいます。

本当にいる場合もあります。ですが、私の見立てでは9割は嘘です。「お客様の物件をぜひうちで」と思わせるための、心理的な仕掛けです。

見抜き方は簡単です。「その買主様は、どのくらいの価格帯をお探しですか」「ご家族構成は」「いつまでに住み替えご希望ですか」と具体的に聞いてください

具体的な答えが返ってこない、もしくは曖昧にぼかされたら、いません。

本当にいる買主なら、営業マンは喜んで詳細を話します。なぜなら、売主に「この買主とぜひ商談を」と思わせれば、専任媒介を結びやすくなるからです。


4. 「専任媒介がいちばんお得ですよ」の裏


ここからは、もっと深い話になります。

媒介契約には3種類あります。

  • 一般媒介、複数社に同時に頼める形
  • 専任媒介、1社のみに頼むが、自分で見つけた買主とは直接契約OK
  • 専属専任媒介、1社のみで、自分で見つけた買主も会社経由でしか契約NG

業者が必ず勧めてくるのは「専任」または「専属専任」です。

なぜか。これも本音を申し上げます。「囲い込み」がしやすいからです。

囲い込みというのは、自社で買主を見つければ、売主からも買主からも仲介手数料を取れる、いわゆる「両手取引」を狙う行為です。3,000万円の物件なら、片手だと約100万円、両手だと約200万円の手数料になります。

だから業者は、他社から「お客様を内見させてください」と問い合わせがあっても、「商談中です」「内見スケジュールが詰まっておりまして」と嘘をついて断ります。物件情報を自社内だけに留めて、自社の買主が現れるまで時間稼ぎをする。

その間、売主は「なかなか売れませんね」と言われ続けます。本当は他社経由でなら売れていたかもしれないのに、です。

専任媒介自体が悪いわけではありません。誠実な業者の専任媒介は、むしろ手厚く動いてくれます。問題は、その業者が「囲い込み」をしているかどうかです。

これを見抜くには、レインズ(不動産流通機構の物件情報サイト)への登録証明書を必ずもらってください。そして時々、別の業者に「この物件、まだ買えますか」と問い合わせてもらう、という荒療治もアリです。


5. 「市場の反応が悪いので、少し値下げを」の裏


媒介契約を結んでから3か月後、必ずと言っていいほど出てくるフレーズです。

ここで断言できます。「最初に高い査定を出した業者ほど、早めに値下げを切り出してきます」

なぜか。さきほどの「高預かり」のカラクリと同じです。最初から「売れない金額」で出しているのです。

媒介契約を取った時点で、業者の中では「結局このくらいで売れるだろう」という現実的な金額が決まっています。あとは売主に「値下げを納得させる」プロセスを踏むだけです。

見抜き方は、最初の査定の段階で「価格根拠を3つ以上の取引事例で説明してください」と言うことです。

誠実な業者は、近隣の成約事例を3件、5件と具体的に提示してきます。その金額の上下5%以内で査定を出す業者なら、信用できます。

「弊社独自のノウハウで」「お客様限定で特別に高く」と曖昧な根拠で高い査定を出してくる業者は、9割が「高預かり」と思って間違いありません。


6. 「最悪、弊社で買い取りますので」の裏


これは、優しいセリフに聞こえます。「いざとなったら、うちが買い取りますから安心です」と。

優しさではありません。最悪のセリフです

業者の買取価格は、市場価格の「6割から7割」です。

3,000万円で売れるはずの物件を、業者は2,000万円から2,100万円で買い取ります。そして自社で軽くリフォームをして、3,200万円で再販する。差額の900万円から1,000万円が、業者の利益です。

「最悪、弊社で買い取ります」と最初から言ってくる業者は、本気で市場で売る気がない可能性があります。

「市場で頑張ったけど売れなかった、しょうがないからうちで買い取ります」という形に持ち込みたいのです。最初から、そういう筋書きで動いている。

もちろん、本当に時間がない方、相続でとにかく早く現金化したい方には、買取は良い選択肢です。

でも、時間に余裕のある方が、最初から「買取」を提案されたら、警戒してください。市場で売れば、その業者の買取価格より30%から40%高く売れる可能性があります。


7. 「この物件はお買い得です、すぐに決まりますよ」の裏


ここまでは「売主」へのトークの話でした。最後は、「買主」側のお話です。

物件を買おうとしている方が、よく言われるフレーズがこれです。「この物件、お買い得ですよ。今日中にお返事いただかないと、他のお客様が決められそうです」。

これも、9割が嘘です。

不動産は、お返事が10秒早いか遅いかで決まる商品ではありません。本当に良い物件なら、ご家族で1晩じっくり考えていただいて、翌日のお返事で十分間に合います。

「今すぐ決めてください」と急かしてくる物件ほど、後で「あれ、こんなはずじゃなかった」となるケースを、私は何百件と見てきました。

旗竿地、再建築不可、接道に問題あり、地盤が弱い、近隣トラブルあり。こういう物件こそ、業者は「お早く決めて」と急かしてきます。なぜなら、冷静に考えれば誰も買わないからです。

私のお客様で、Dさん(38歳)という方がおられました。三田の中古戸建てを内見されて、その日のうちに「他のお客様が今夕、申込書を出される予定です」と急かされて、200万円の手付金を入れて契約寸前まで行かれました。

幸い、契約日の前日にうちにご相談に来られて、調査したところ、その物件は「接道2.7m」、つまり建築基準法の接道義務(2m以上)はクリアしていても、再建築時にセットバックが必要な物件でした。Dさんは契約を見送られ、手付金もキャンセル料なしで戻ってきました。

良い物件は、急がせません。これは50年やってきて、本当によく分かりました。


業界の裏側を、もう一段深くお話しします


ここから先は、若手の同業者にも嫌われる話です。

なぜ業者がこれほど営業トークを使うのか。理由はシンプルです。「成約しなければ、給料がほぼゼロ」だからです。

不動産業界の営業マンの多くは、固定給10万円から15万円、残りはすべて歩合給という会社が多いのです。3,000万円の物件を1件成約すれば、自分の手取りが30万円から50万円増えます。

だから、目の前のお客様を「今月の自分の数字」に変えたいのです。

これは個々の営業マンの善悪の問題ではありません。業界の構造の問題です。

ですから、お客様側が「この人は私のためを思って言っているのか、自分の数字のために言っているのか」を見極める目を持つしかないのです。

見極め方は1つです。「デメリットや不利な情報を、自分から先に話してくれるかどうか」です。

良い物件のメリットしか言わない業者、デメリットを聞いても「特にありません」と答える業者は、警戒してください。

良い業者は、必ず「ただ、この物件には〇〇というデメリットがあります」「ご状況だと、売却より賃貸のほうが有利になる可能性もあります」と、お客様に不利な情報も先に出してくれます。


デメリットも正直に申し上げます


「営業トークを疑え」という話をすると、お客様は逆方向に振れます。「不動産屋なんて誰も信じられない」と。

これも危険です。

不動産取引は、専門家の助けがないと、まず素人ではできません。法務局での登記、税理士との連携、瑕疵担保責任の調整、近隣との越境問題、これらすべてを1人でやろうとすれば、必ず大きな失敗をします。

私が申し上げたいのは、「業者を疑え」ではなく、「業者を見極めろ」ということです。

良い業者と悪い業者を見分ける目を持っていただければ、不動産取引は怖いものではありません。むしろ、人生で最大のお買い物・お売り物を、安心してお任せできます。


まとめ


もう一度、結論を申し上げます。危険な営業フレーズは7つあります。

  • 「今が売り時です」
  • 「弊社なら他社より高く売れます」
  • 「ちょうど今、興味を持っている買主様がいまして」
  • 「専任媒介がいちばんお得ですよ」
  • 「市場の反応が悪いので、少し値下げを」
  • 「最悪、弊社で買い取りますので」
  • 「この物件はお買い得です、すぐに決まりますよ」

このどれかを言われたら、即決しない。一度持ち帰る。これだけ守っていただければ、大きな失敗はしません。

50年やってきて分かったことがあります。良い不動産屋というのは、「お客様の決断を急かさない」業者です。


最後に、これだけは申し上げたい


私は50年、神戸市北区・西宮北部・三田で不動産屋をやってきました。

その中で、お客様から「他社でこう言われたんですが、本当ですか」と相談を受けることが、本当に多いのです。

私は、聞かれた質問には、業界の裏側も含めて全部正直にお答えします。なぜなら、それがお客様にとっての一番の利益だと信じているからです。

「査定だけしてほしい」、「他社の営業トークが気になる」、「セカンドオピニオンが欲しい」、こういうご相談、すべて無料でお受けしています。

営業トークに迷われたとき、契約を急かされて不安なとき、まずは一度ご相談ください。冷静な目線で、ご状況を一緒に整理させていただきます。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

今売るべき人と絶対に売ってはいけない人
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/08 09:39

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、私が50年この仕事をやってきた中で、いちばん多くご相談を受けてきたテーマについてお話しします。「家を、今、売るべきでしょうか」、ご相談に来られる方の8割が、この質問をされます。


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はっきり申し上げます。これに「今がチャンスです、売りましょう」と即答する不動産屋は、信用しないでください。

50年やってきて分かったことがあります。家の売り時は、市況だけで決まるものではありません。その人の年齢、家族構成、ローンの残債、税制の節目、そして何より「次にどこで暮らすのか」という人生の青写真。これら全部が揃って、初めて「今です」と申し上げられるのです。


結論から申し上げます


これは断言できます

今売るべき人は、「相続した空き家を抱えていて、相続から3年以内の人」「住み替え先が決まっている人」「築35年を超えて、修繕費が重くのしかかってきた人」、この3タイプです。

絶対に売ってはいけない人は、「ローン残債が今の市場価格を上回っている人」「家族の合意が取れていない人」「『なんとなく不安だから』という気持ちだけで動こうとしている人」、この3タイプです。

順番に、なぜそうなのかをお話しします。


1. 今売るべき人 ― 相続した空き家を抱えていて、3年以内の人


相続した実家を「いつか売ろう、いつか売ろう」と言いながら、5年、10年と寝かせている方が、神戸市北区にも本当に多いのです。

これは絶対にやめてください。

理由は3つあります。

  • 固定資産税が毎年かかります
  • 建物の劣化が想像以上に早く進みます
  • 相続空き家3000万円特別控除の期限が切れます

北区の戸建てだと、固定資産税は土地建物で年間10万円から15万円。10年寝かせれば、それだけで100万円以上が消えていきます。

人が住まない家は、3年で雨漏り、5年で外壁が傷み、10年経てば建物価値はほぼゼロです。これは50年見てきて、間違いありません。

そして一番大きいのが、相続空き家3000万円特別控除の期限です。これは相続した日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、譲渡所得から最大3000万円を控除できる制度です。これを使えば、本来400万円から500万円かかる税金がゼロになるケースが多い。3年を1日でも過ぎたら、もう使えません。

私のお客様で、Aさん(72歳)というご婦人がおられました。神戸市北区藤原台の実家を相続されて、「もう少し様子を見ます、姉妹と話し合いがついていないので」とおっしゃって、5年寝かせられました。

結局売れた金額は、相続時の査定から280万円下がっていました。固定資産税が5年で65万円。3000万円控除も使えませんでしたから、譲渡所得税で約200万円。トータルで500万円以上のロスです。

「もう少し様子を見る」が、いちばん高くつくのです。


2. 今売るべき人 ― 住み替え先が決まっている人


これは当たり前のようでいて、実は逆をやってしまう方が多いのです。

「先に今の家を売ってから、次を探します」、気持ちは分かります。けれど、私はおすすめしません。

理由はシンプルです。先に売ってしまうと、売却金が手元に入った瞬間から、次を「焦って」探すことになるからです。

賃貸の仮住まいに移れば、毎月10万円から15万円が出ていきます。半年で60万円から90万円が消えます。この焦りが、次の購入で大失敗を生みます。

逆に、住み替え先がもう決まっている方、たとえばご両親と同居が決まった、お子様家族の家の隣に建てることになった、こういう方は、今すぐ動いていただいて結構です。

「次が決まっている」というのは、最強のカードです。なぜなら、売り急ぐ必要がないので、強気の価格で売れるからです。


3. 今売るべき人 ― 築35年を超えて、修繕費が重くなってきた人


ここは正直な話をします。築35年を超えると、外壁、屋根、給湯器、配管、すべての設備が一斉に寿命を迎えます。

外壁塗装で150万円。屋根の葺き替えで200万円。給湯器交換で30万円。トータル400万円近い出費が、5年以内に必ずやってきます。

ここで「あと5年住むのか、今売るのか」を真剣に考えてください。あと5年で売るつもりなら、400万円の修繕費はほぼ回収できません。今のうちに「現状渡し」で売却したほうが、手取りは多くなります。

これも50年やってきて分かったことです。「家にお金をかけてから売る」と、ほぼ間違いなく損をします


4. 絶対に売ってはいけない人 ― ローン残債が市場価格を上回っている人


これは「オーバーローン」と業界で呼ばれる状態です。

たとえば、ローン残債が2,500万円、今売っても2,200万円にしかならない。差額300万円を、自己資金で穴埋めしないと売却できません。

この状態の方が「転勤になったから売らないと」「離婚するから売らないと」と焦って動かれることがあります。気持ちは分かります。でも、ここで一歩立ち止まってください。

300万円を持ち出して売るくらいなら、賃貸に出して家賃でローンを払う、という選択肢があります。

私がお預かりした事例をお話しします。Bさんご夫婦(58歳と55歳)、三田の戸建て。ご主人の転勤で、急いで売りたいとご相談に来られました。

査定をしたところ、市場価格2,250万円、ローン残債2,800万円。差額550万円のオーバーローン状態です。

私ははっきり申し上げました。「今、売ってはいけません」

代わりに、賃貸に出すご提案をしました。家賃13万円、ローン返済10万円、管理費・固定資産税で月2万円。月1万円の黒字で回り始めました。

3年後、ローンが完済間近になったタイミングで、ご相談者様のご希望で売却。最終的には市場が少し戻り、2,400万円で成約。賃貸期間中の収支も合わせて、当初の「焦って売る」プランより約700万円多く手元に残りました。

「売る」だけが選択肢ではないのです。


5. 絶対に売ってはいけない人 ― 家族の合意が取れていない人


これは精神論ではなく、実務の話です。

ご夫婦のどちらかだけ、あるいは兄弟姉妹のうち1人だけが「売る気」になっていて、他のご家族が「待ってほしい」と言っている状態。これで売却を進めると、必ず途中で揉めます。

媒介契約を結んで、広告を打って、買主が見つかって、契約書を作る段階で「やっぱり待ってくれ」となる。買主に違約金を払うことになる。家族関係も壊れる。

私は50年で、この手の揉め事を100件以上見てきました。

順番を絶対に間違えないでください。先に家族会議です。次に査定です。


6. 絶対に売ってはいけない人 ― 「なんとなく不安」で動こうとしている人


「金利が上がりそうだから今のうちに」「来年は値下がりしそうだから」、こういう抽象的な理由だけで売却を決められる方がおられます。

これは一番危険です。

不動産は、確かに相場が動く商品です。でも、相場が動くのは年に5%程度。一方、売却にかかる諸費用は仲介手数料3%、登記費用、譲渡所得税、引越し代、トータルで売却額の8%から10%が消えます。

「来年5%下がりそう」だから今売る、という判断は、コストを考えると合いません。

売却は、市況ではなく「人生の節目」で決めるものです。相続、住み替え、修繕タイミング。この3つが揃っていないなら、慌てて動かないでください。


業界の裏側を申し上げます


ここから先は、不動産屋さんに嫌われる話をします。

業界では「今が売り時です」というセリフを、多くの営業マンが何の根拠もなく使います。なぜか。媒介契約を取りたいからです。彼らは、その家が「実際に今売るべきかどうか」ではなく、「自分の今月の数字になるかどうか」で動いています。

もう一つ、「高預かり」という業界用語があります。

査定書に、市場価格より明らかに高い金額を書いてくる業者がいます。たとえば本当は2,500万円でしか売れない物件に、3,200万円という査定を出す。売主は「あの会社のほうが高く売ってくれそう」と媒介を任せてしまう。

でも、実際には3,200万円では一切売れません。3か月後に「市場の反応が悪いので2,800万円に下げましょう」、半年後に「2,500万円に下げましょう」、と段階的に下げられます。

この間、物件は「市場で長く売れ残った物件」というレッテルが貼られて、本来の価格よりさらに安く買い叩かれます。

査定金額が周りより極端に高い業者を信じてはいけません。これは業界の常識です。


デメリットも正直に申し上げます


売却を勧めるからには、デメリットも全部お話しします。

売却には、仲介手数料3%(物件価格3,000万円なら約105万円)、譲渡所得税(条件次第で200万から500万円)、登記抹消費用(2万円から5万円)、引越し費用(20万円から50万円)、これらが必ずかかります。トータルで売却額の8%から10%が消えます。

家を売れば、思い出も無くなります。これは数字に表れない話ですが、決して軽くはありません。お子様が育った家、ご両親が建てた実家。売ってから「やっぱり残しておけばよかった」と泣かれる方を、私は何人も見てきました。

賃貸に出すという選択肢も、必ず一度は検討してください。空室リスクや管理の手間はありますが、ローン残債が大きい方には、売却より賃貸のほうが手取りが大きくなるケースが本当に多いのです。


まとめ


もう一度、結論を申し上げます。

今売るべき人は、「相続した空き家を抱えていて、3年以内の人」「住み替え先が決まっている人」「築35年を超えて修繕費が重い人」、この3タイプです。

絶対に売ってはいけない人は、「ローン残債が市場価格を上回っている人」「家族の合意が取れていない人」「『なんとなく不安』だけで動こうとしている人」、この3タイプです。

50年やってきて分かったことがあります。家の売り時は、相場ではなく、「人生の節目」で決まります。市況に振り回されないでください。あなたのご状況を一番よく知っているのは、あなたご自身です。


最後に、これだけは申し上げたい


「今売るべきか、待つべきか」、これは1人で考えるテーマではありません。

ご家族と話し、信頼できる不動産屋に率直に相談し、税理士や司法書士のご意見も聞いて、初めて答えが出ます。

私のところには、神戸市北区・西宮北部・三田エリアで、相続、売却、住み替えのご相談が毎日入ってきます。「売る」「売らない」のどちらの結論であっても、お客様にとって最善の道筋をご一緒に考えます。

査定だけのご相談、賃貸転用のご相談、相続空き家3000万円控除のご相談、すべて無料でお受けしています。

「もう少し様子を見ようか」、その「もう少し」が、5年後に大きな後悔になることもあります。逆に、「今だ」と勢いで動いて、後悔される方も大勢見てきました。

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センチュリー21・ハートピア
田中章雄

「値下げしましょう」と言われた人へ。50年見てきた、不動産屋が絶対に言わない値下げの本当の理由
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/07 07:18

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、ご自宅の売却を進めておられる方が、どこかで必ず一度は言われる言葉「そろそろ値下げを考えませんか」について、業界の本音をお話しします。

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ご自宅を売りに出して3ヶ月、半年と経った頃、担当者からこう切り出されたことはありませんか。

「最近、お問い合わせも減ってきましたし、思い切って200万円ほど下げてみませんか」

その値下げ提案、本当にあなたのためでしょうか。

50年やってきて分かったことがあります。値下げを切り出すタイミングと理由には、必ず業者側の都合が絡んでいます。

結論から申し上げます


不動産屋が「値下げしましょう」と言うとき、その理由のほとんどは、売主さんのためではありません。業者側の事情です。

これは断言できます

具体的には、媒介契約の3ヶ月更新タイミング、決算月のノルマ、両手取引にしたい都合、買取業者への流し。売主さんに伝えられる「相場が下がってきました」「お問い合わせが減っています」という説明の裏には、業者にしか分からない事情があります。

私はこの50年、神戸市北区で何百件もの売却に関わってきました。「他社で半年売れず、3回値下げして、それでも売れない」というご相談を、年に何度も受けます。話を聞くと、毎回ほぼ同じパターンが見えてきます。

今日は、その裏側を隠さずお話しします。


1. 値下げを切り出す「3ヶ月」というタイミングの正体


ご自宅を売りに出してちょうど3ヶ月。このタイミングで値下げを言われた方は、要注意です。

なぜ3ヶ月なのか。

媒介契約には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3種類があります。このうち専任系の媒介契約は、宅建業法で「最大3ヶ月」と決められています。3ヶ月が過ぎると、契約は自動更新されません。売主さんは、他社に切り替えるか、同じ会社で更新するかを選ぶことになります。

ここで業者側の心理が動きます。

「このまま売れずに更新されなかったら、これまでの広告費も時間も全部水の泡になる」

「なんとしても、この3ヶ月の終わり際に動きを作りたい」

そう考える担当者は、3ヶ月が来る少し前に、必ず値下げを切り出します。値段を下げれば問い合わせが入りやすくなる。問い合わせが入れば「動いている感」が出て、更新もしてもらえる。最悪、安い金額でも成約してしまえば、仲介手数料は確保できる。

これが、3ヶ月目の値下げ提案の正体です。

「相場が落ちてきた」と言われるかもしれません。けれど、神戸市北区の住宅相場が、たった3ヶ月で200万円も動くことは、まずありません。


2. 「両手取引」を狙うための値下げ


業界には「両手」「片手」という言葉があります。

両手というのは、売主さんからも買主さんからも仲介手数料をもらう取引のこと。片手は、どちらか一方からだけもらう取引のことです。同じ家を売っても、両手なら手数料は単純に2倍になります。

業者は当然、両手にしたい。

そのために何をするか。

自社で売主さんから預かった物件は、まず「自社のお客さん(買主候補)」に紹介します。レインズという業者間の物件情報サイトに広く載せて他社にも紹介する義務がありますが、自社で買主を見つけられたら、両手が成立します。

ここでポイントになるのが、価格です。

価格が高いままでは、自社のお客さんも食いつきません。少し下げて「お買い得感」を出せば、買主候補が動きやすくなる。だから業者は「下げましょう」と言うのです。

売主さんからすれば「両手か片手か」は関係ありません。手取りは同じです。けれど、業者にとっては手数料2倍のチャンス。だから「下げて、自社で決めたい」という力学が働きます。

これは断言できます。神戸市北区の不動産屋でも、当たり前のように起きていることです。


3. 決算月と支店ノルマの存在


不動産会社、特に大手やフランチャイズには、月単位、四半期単位、半期単位のノルマがあります。

担当者のボーナスや評価は、当然このノルマで決まります。支店長は本部から「今月あと2件決めろ」と尻を叩かれている。担当者は「契約を1件取れば、ボーナスがいくら増える」と計算しながら動いている。

決算月や月末が近づくと、現場の空気は一気に変わります。

「とにかく今月中に決めたい」

「いくらでもいいから、印鑑を押してもらいたい」

この空気の中で、売主さんに「値下げしましょう」と切り出されます。

売主さんからすれば、3ヶ月かけて2,800万円で出していた家が、月末の数日前に「2,400万円にすれば月内に決まりますよ」と言われる。冷静に考えれば400万円の差は大きい。けれど、業者にとっては「決まれば手数料が入る、ノルマが達成される」ほうが大事なのです。

「お客様のため」と言いながら、本当は支店ノルマのため。

50年見てきましたが、これは今も変わっていません。


4. 「高預かり」のリカバリーとしての値下げ


業界には「高預かり」という慣習があります。

媒介契約を取るために、相場より高い金額で査定を出す。とりあえず売却を任せてもらう。けれど、その金額では当然売れない。1ヶ月、2ヶ月と過ぎた頃、「やはり相場が」と理由をつけて値下げを切り出す。

これは値下げというより、最初から正常な相場に戻しているだけの作業です。

売主さんからすれば「最初から正しい値段を言ってくれていれば、こんなに時間を無駄にしなかった」という話です。けれど業者は、それを正直に言えません。「最初の査定が間違っていました」と認めることになるからです。

だから「相場が変わってきました」「冬は売れにくい時期で」と外的な理由を持ち出して、値下げを正当化します。

はっきり申し上げます。神戸市北区の住宅相場が、たった3ヶ月で500万円も動くことはありません。それでも値下げを迫られるとしたら、最初の査定が高すぎたということです。


5. 実例 ― 藤原台のCさん、決算月に300万円下げさせられかけた話


具体的な話をします。

去年、藤原台の戸建てを売却されたCさん(65歳)の実例です。築28年、土地55坪、建物35坪。最初の査定は3,200万円。大手の不動産会社に専任で預けられました。

3ヶ月経って、内見は数件あったものの成約せず。担当者から「2,900万円に下げましょう」と提案され、値下げ。

そこからさらに2ヶ月。9月の終わりが近づいた頃、また連絡が入りました。

「この月内に決めたいので、思い切って2,600万円にしませんか。今、買いたいというお客さんがいるんです」

Cさんは違和感を覚えました。3ヶ月前は「2,900万円なら売れる」と言われたのに、今度はさらに300万円下げる。しかも「買いたいお客さん」というのが、いかにも急ぎの話に聞こえる。

私のところに相談に来られました。

私はCさんにこう申し上げました。

「Cさん、その業者は今、9月末の決算で焦っています。担当者にも支店にもノルマがある。3,200万円も2,900万円も2,600万円も、業者にとっては『決まれば仲介手数料が入る』という意味では同じです。本当に下げる必要があるのか、まずレインズの登録状況と、実際の問い合わせ数を確認させてください」

調べてみると、レインズへの登録は専任媒介を取った直後の1週間だけ更新されており、その後3ヶ月以上、登録情報の更新がほぼされていない状態でした。これは、自社で買主を見つけたい(両手にしたい)業者がよくやる手口です。他社に動かれたくないので、レインズの情報を積極的に出さない。

Cさんには、まず他社にも査定を出し直してもらいました。3社から、いずれも2,850万円から2,900万円の査定。つまり、相場は変わっていなかったのです。

最終的にCさんは媒介契約を私のほうに切り替えられ、価格を2,880万円で出し直し。2ヶ月後に2,820万円で成約しました。

「あのまま2,600万円で決めていたら、220万円損しとったということですね」

Cさんは苦笑いされていました。


6. 値下げが本当に正しい場合もある


ここまで「値下げ提案には裏がある」とお話ししてきました。

けれど、正直に申し上げます。値下げが正解の場合もあります

それは、最初の値段が本当に相場より高すぎた場合です。

業者の高預かりに乗ってしまった、あるいは売主さんの希望価格が相場と乖離していた。3ヶ月経っても1件も内見が入らない。レインズも他社も「お客さんに紹介したくても、この価格では動かない」と言っている。

こういう場合は、業者の言う「値下げ」が、結果的には正しい判断になります。

問題は、値下げ提案を受けたときに、その判断が「業者都合」なのか「相場との乖離」なのかを、売主さん側で見分ける材料を持っていないことです。

見分けるためには、こういう情報を業者に必ず確認してください。

  • レインズへの登録状況と、過去30日以内に情報が更新されているか
  • 問い合わせの数(電話・メール・ポータルサイトのお気に入り登録数)
  • 内見に来た人数と、その人たちの感想
  • 近隣の似た条件の物件の、最近3ヶ月の成約事例

これらをきちんと開示してもらえないなら、その業者は信用できません。


7. デメリットも正直に申し上げます


値下げを断ることのデメリットも、正直に申し上げます。

一つ目。値下げを断り続けると、その物件は本当に「枯れて」しまいます。半年、1年と売れない物件は、業界内で「あの物件、何かあるんちゃうか」と見られるようになります。一度この目で見られると、正常な価格でも売れにくくなります。

二つ目。値下げを断って業者を変えると、新しい業者がレインズで「同じ物件が長く出ていた」履歴を見ます。買主候補も同じです。「半年も売れていない物件」というレッテルは、業者を変えても消えません。

三つ目。最初の値段が本当に高すぎた場合は、いずれ値下げが必要になります。それを認められず高値で出し続けると、結局1年経って大幅な値下げをすることになり、損失はさらに大きくなります。

ですから、値下げ提案を全部断れと言っているわけではありません。提案された値下げが「業者都合」なのか「正当な調整」なのかを、見極める目を持ってください、ということです。


まとめ


50年やってきて分かったことを、もう一度繰り返します。

不動産屋が「値下げしましょう」と言うとき、その理由は、表に出てこない業界の事情と必ず絡んでいます。

  • 媒介契約の3ヶ月更新タイミング
  • 両手取引にしたい業者の都合
  • 決算月や支店ノルマ
  • 最初の高預かりのリカバリー

これらを知っているかどうかで、値下げに応じるかどうかの判断が変わります。

値下げ提案を受けたら、必ずレインズの登録状況、問い合わせ数、内見者の反応、近隣の成約事例を確認してください。それを開示できない業者は、信頼するに値しません。


最後に、これだけは申し上げたい


私のところには、毎年「他社で値下げを迫られているのですが、どうしたらいいでしょうか」というご相談が、たくさん入ります。

中には、本当に正当な値下げ提案もあります。けれど、半分以上は「業者の都合」が混じっています。

ご自宅を売りに出されていて、業者から値下げを切り出された方。あるいは、これから売却を考えておられる方。

「この値下げ、本当に必要なんやろか」

「うちの家、いくらで出すのが正しいんやろか」

そう思われたら、一度ご相談ください。50年やってきた私が、業者の側ではなく、売主さんの立場から正直に申し上げます。値下げが本当に必要なのかどうか、どう判断すればいいか、隠さずお話しします。

無理にうちで売却を勧めることはありません。「今の業者のままで大丈夫ですよ」と申し上げることもあります。

それくらい、正直にやってきたから50年続けてこられたのだと思っています。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

査定価格が一番高い会社ほど危ない
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/06 07:49

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、ご自宅の売却を考えておられる方に、どうしても聞いていただきたい話をします。テーマは、査定価格が一番高い会社ほど危ない、という話です。

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ご自宅を売ろうと思って、複数の不動産会社に査定を頼んだ。

A社が2,200万円。B社が2,400万円。C社が3,000万円

普通の感覚で言えば、当然C社にお願いしたくなります。「3,000万円で売れるなら、ありがたい」と。

けれど、ここで一歩立ち止まってください。私が50年やってきて、神戸市北区の中だけで何百件と見てきた中で、はっきり申し上げます。

その判断が、半年後に「結局2,200万円で売れた」「それどころか2,000万円まで下がった」という結末を呼びます。


結論から申し上げます


査定価格が一番高い会社は、一番高く売ってくれる会社ではありません。むしろ、一番高い金額を出してきた会社ほど、最後に一番大きく値下げを迫ってきます。

業界には「高預かり」という言葉があります。とにかく高い数字を提示して媒介契約(売却の依頼)を取る。契約さえ取ってしまえば、あとはこちらのもの。何ヶ月か寝かせてから「相場が落ちてきましたので値下げしましょう」と切り出す。

これは、神戸市北区でも当たり前のように行われています。

50年やってきて分かったことがあります。査定額の高さは「売れる金額」ではなく「営業マンが媒介を取りたい気持ちの強さ」を表しているだけなのです。


1. なぜ業者は高い査定を出すのか


理由は、たった一つです。媒介契約を取らないと、不動産会社は1円にもならないからです。

不動産会社の営業マンには、毎月のノルマがあります。「今月、媒介3件取ってこい」「今月、専属3件取ってこい」。これが取れないと、上からどやされる。給料も上がらない。

ですから、お客さんがA社、B社、C社の3社に査定を頼んでいると分かった瞬間、営業マンの頭の中はこう動きます。

「他社より高い数字を出さないと、契約が取れない」。これだけです。

「この家が本当に3,000万円で売れるか」ではなく「3,000万円と言わないと他社に取られる」という発想で数字が出てきます。

つまり、その3,000万円という査定額は、その家の市場価値ではなく、その営業マンが媒介を取るための「エサ」なのです。


2. 高預かりの末路。何が起きるか


高い査定を信じて媒介契約を結ぶと、何が起きるか。

最初の1ヶ月。営業マンは熱心です。チラシを撒き、ポータルサイトに載せ、内見の予約も入ります。

ところが2ヶ月目に入ると、潮が引くように動きが止まります。問い合わせがゼロ。内見もゼロ。

3ヶ月目。営業マンが言ってきます。「奥さん、ちょっと相場が動いてきましたわ。2,800万円まで下げませんか」

まだ我慢します。下げます。それでも動かない。

4ヶ月目。「金利も上がってきましたし、2,500万円まで下げないと厳しいですね」

5ヶ月目。「すみません、2,300万円まで思い切らんと、もう難しいと思います」

最初に「3,000万円で売れます」と言った営業マンが、半年後には2,300万円を提案している。これが「高預かり」の末路です。

しかも、半年も売れずに掲載され続けた物件は、業界用語で「物件が枯れる」と言います。買う側からすれば「これだけ売れ残ってるってことは、何か問題があるんちゃうか」と疑われる物件になってしまうのです。

一度枯れた物件は、もう正常な相場では売れません。


3. 実例。鈴蘭台のCさん(73歳)に起きたこと


具体的な話をします。去年、私のところに相談に来られた、鈴蘭台のCさん(73歳・お一人住まい)の話です。

奥様を亡くされ、一人で住むには大きすぎる戸建てを売って、駅前のマンションに移りたい。築32年、土地65坪、建物28坪の家でした。

Cさんは、最初に大手3社と地元1社、合計4社に査定を頼まれました。

  • 地元のA社が2,150万円
  • 大手のB社が2,300万円
  • 大手のC社が2,500万円
  • そしてある会社が「2,980万円」

Cさんは、当然2,980万円を出してきた会社に依頼されました。

結果。3ヶ月で「2,750万円」に値下げ。5ヶ月目に「2,500万円」。7ヶ月目に「2,200万円」。

ここで初めて、Cさんは「これはおかしい」と気づかれました。

私のところに相談に来られたのは、媒介契約から8ヶ月が経ったときでした。すでに掲載価格は2,150万円。最初の査定の3分の2です。

私は家を見せていただき、正直に申し上げました。

「Cさん、この家はうちで最初に査定を取ってもらっていれば、2,150万円で3ヶ月以内に売れていました。今は半年以上売れ残った物件として記録が残っています。これを取り戻すのに、もう一度ゼロから出し直して、3ヶ月から半年かかります」

最終的に、媒介を切り替えていただき、写真を撮り直し、価格を2,080万円で出し直し、4ヶ月で2,050万円で成約しました。

最初に提示された2,980万円から、実に「930万円」の差です。

「最初から2,150万円って正直に言ってくれた地元のA社にお願いしとけばよかったんですわ」。Cさんは、最後にそう言って帰っていかれました。


4. 業界の裏側。査定額のカラクリを正直に申し上げます


ここから先は、業界の人間が普通は表で言わない話です。査定額には、3種類あります。

一つ目。「実勢査定」。これは、本当に売れる価格。地元の取引事例、最近の成約データ、駅からの距離、土地の形、周辺の競合物件、これらを冷静に積み上げて出す数字です。私が50年やってきた中で、お客さんに「裏切らない数字」として申し上げているのは、これです。

二つ目。「上限査定」。「頑張ればこの値段で売れるかもしれない」という、最もうまく行った場合の数字。実勢より1割から1.5割上になります。誠実な業者なら「これは上限ですよ。実勢はこちらです」と両方伝えます。

三つ目。「高預かり査定」。これは、売れる価格ではありません。媒介契約を取るための「エサ」の数字です。実勢の1.3倍から1.5倍の数字を平気で書いてきます。

問題は、お客さんから見ると、この3つが見分けられないことです。どれも「査定書」という同じ顔をしています。

ですから、見分け方を申し上げます。複数社の査定額が、一番安い会社と一番高い会社で「2割以上開いている」場合、その一番高い会社は「高預かり」を疑ってください。

これは断言できます。50年の現場で、何百回と見てきた光景です。


5. 査定を頼むときに、必ず聞くべき3つの質問


お客さんが、査定の罠から自分を守るためにできることがあります。査定を出してきた営業マンに、その場で必ず3つ質問してください。

一つ目。「この金額の根拠になっている、近隣の成約事例を3件、住所と成約価格とともに見せてください」

これに即答できない、または「会社の機密で出せません」と濁してくる営業マンの査定額は、信用できません。本物の査定なら、根拠となるデータが必ずあります。

二つ目。「この金額で、何ヶ月以内に売れる前提ですか」

「3ヶ月以内」と即答できない営業マンは、その金額で売れるとは思っていません。「半年から1年で」と言ってきたら、それは「最初は高く出して、徐々に下げる前提」の査定です。

三つ目。「もし売れなかった場合、何ヶ月後にいくらまで下げる予定ですか」

これは決定的な質問です。誠実な業者なら「3ヶ月で動きがなければ、相場に近づける形で200万円下げを提案します」と、最初から戦略を持っています。「売れなかったらそのとき考えます」と言う業者は、最初から下げる前提で高く出してきている可能性が高いです。


6. デメリットも正直に申し上げます


ここまで「高預かりは危ない」と申し上げてきました。けれど、誠実な実勢査定にもデメリットはあります。

一つ目。最初に提示される金額が、お客さんの期待より低くなることが多いです。

「他社は3,000万円って言ってくれたのに、うちは2,200万円て、安すぎるやないか」。そう怒られることもあります。気持ちは痛いほど分かります。

けれど、その2,200万円が「3ヶ月で売れる金額」であって、3,000万円が「半年寝かせて2,000万円まで落ちる金額」だとしたら、どちらが本当に得かは明らかです。

二つ目。実勢査定で出した場合、媒介契約を取れない地元業者は、それでも誠実にやり続けるしかなく、収入が安定しません。だから業界全体としては「高預かり」が蔓延しやすい構造になっています。これは私たち地元業者の構造的な弱さでもあります。

三つ目。査定額を信じすぎないでほしいのと同時に、「一番安い査定が一番正しい」とも限りません。安すぎる査定を出して早く売り抜けたい業者もいます。判断材料は「査定額の高さ」ではなく「根拠の説明と、その後の戦略の具体性」です。


まとめ


50年やってきて分かったことを、もう一度繰り返します。

査定価格は「売れる値段」ではなく「営業マンの媒介を取りたい気持ちの強さ」を表していることが多い。

一番高い数字を出してきた会社は、一番高く売ってくれる会社ではない。むしろ、一番大きく値下げを迫ってくる会社になりやすい。

査定を頼むときは、金額の高さで業者を選ばない。その金額の根拠、売却までの期間、売れなかった場合の戦略。この3つを聞いて、誠実に答える業者を選んでください。


最後に、これだけは申し上げたい


神戸市北区、西宮北部、三田で、ご自宅の売却を考えておられる方。すでに他社に査定を頼んで「あれ、なんでこんなに金額が違うんやろ」と感じておられる方。あるいは、すでに媒介契約を結んだあとに「半年経っても全く動かない」と悩んでおられる方。

一度、ご相談ください。

うちで媒介を取ることが目的ではありません。「他社のままで大丈夫ですよ」と申し上げることもあります。「その業者の査定は危ないですから、一度白紙に戻したほうがいいですよ」とお伝えすることもあります。

50年やってきた中で、何百件と高預かりの被害を見てきました。これ以上、ご自宅で同じ目に遭う方を増やしたくないだけです。

正直に、損をさせない。それだけを50年やってきました。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

半年売れなかった家が3週間で決まった理由。50年見てきた「売れる家」と「売れない家」のたった3つの違い
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/05 07:08

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、私が50年この仕事をやってきて、何百件、何千件と家の売却に関わってきた中で、はっきり見えてきた「売れる家」と「売れない家」の違いについてお話しします。

売れる家、売れない家

ご自宅の売却を考えている方。ご実家をどうするか悩んでいる方。

「うちの家、いくらで売れるんやろか」「そもそも売れるんやろか」

そう思っているなら、まずこの話を最後まで読んでください。

結論から申し上げます


売れる家と売れない家の違いは、3つしかありません。

立地、価格、状態。

これだけです。

築年数の新しさでも、デザインのおしゃれさでも、間取りの良し悪しでもありません。50年やってきて分かったことがあります。家が売れるかどうかは、結局この3つで決まります。

そして、もっとはっきり言います。

3つのうち、売主さんが努力して変えられるのは「価格」と「状態」だけです。立地は変えられません。だからこそ、変えられる2つで勝負するしかないのです。

ここを取り違えると、家は何年経っても売れません。私はそういう物件を、神戸市北区の中だけでもう何十件と見てきました。


1. 売れる家の条件は「立地」が7割


身も蓋もない話ですが、これは断言できます

家の売れやすさは、立地で7割決まります。

ここで言う立地というのは、駅からの距離だけではありません。私が50年見てきて「これが揃っていると売れる」と感じる立地条件は、こういうものです。

  • 最寄り駅まで徒歩15分以内、またはバス便が日中も20分に1本以上ある
  • スーパーが徒歩圏内にある
  • 小中学校が徒歩圏内にある
  • 平坦地、または上り坂がきつくない
  • 道路付けが普通車が無理なくすれ違える幅(おおむね4m以上)

神戸市北区で言えば、藤原台、北鈴蘭台、岡場、田尾寺の駅近物件。あのあたりは、出ればすぐに買い手がつきます。私のところにも「藤原台で出物があったら教えてくれ」というお客さんが、常時5、6人は控えておられます。

逆に、いくら土地が広くても、家が立派でも、売れないエリアもあります。

具体的に言いますと、駅からバスで20分以上、しかもバスが1時間に1本しかない山間部。坂がきつくて、車がなければ買い物にも行けない場所。こういうところは、正直に申し上げて、価格を下げても買い手がつくのに半年から1年かかります。

「先祖代々の土地やのに、なんでそんなに安いんや」

そう怒られることもあります。気持ちは痛いほど分かります。けれど、買う側からすれば、住んだ後の生活が成り立つかどうかが全てなのです。


2. 売れない家にしている最大の原因は「価格設定」


立地は変えられないと申し上げました。けれど、立地が悪くても売れている家はたくさんあります。

その違いは何か。

価格設定です。

これは断言できます。売れない家の8割は、立地のせいではありません。価格設定を間違えているせいです。

ここで売主さんがやってしまう失敗が、3つあります。

一つ目。「ローンの残債」を基準に値段を決めてしまう

「あと1500万円ローンが残ってるから、1500万円以上で売りたい」

お気持ちは分かります。けれど、買う人はあなたのローンの残額に関心がありません。買う人が見ているのは「この家が、その値段の価値があるか」だけです。

二つ目。「買ったときの値段」を基準にしてしまう

「30年前、4500万円で買ったんや。だから3000万円は欲しい」

これも、買う人にとっては関係ない話です。30年前の4500万円は、30年前の市場価値であって、今日の市場価値ではありません。


三つ目。これが一番厄介です。「業者の高い査定」を信じてしまう

ここで業界の裏側をお話しします。


3. 業界の裏側を正直に言います

複数の不動産会社に査定を取ると、たいていバラバラの数字が出てきます。

  • A社が2200万円
  • B社が2500万円
  • C社が3000万円

普通の方なら、当然C社に頼みたくなります。

ここが落とし穴です。

はっきり申し上げます。査定額が一番高い会社が、一番高く売ってくれる会社ではありません。むしろ逆のことが多いのです。

なぜか。

業界には「高預かり」という言葉があります。とにかく高い金額を提示して、まず媒介契約(売却の依頼)を取る。契約を取ってしまえば、あとはこちらのもの。何ヶ月か経ってから「やっぱり相場が落ちてきましたので、値下げしましょう」と切り出す。

これが、神戸市北区でも当たり前のように行われています。

私のところに来られるお客さんの中にも、

「他社で3000万円と言われて任せたんですが、半年経っても問い合わせがゼロで、今は2400万円まで下がっています。どうしたらいいでしょうか」

そういう方が、年に何人もおられます。

最初から相場で出していれば、3ヶ月以内に決まっていた家です。半年寝かせて、値段も下がって、内見に来た人からは「これだけ売れ残ってるってことは、何か問題があるんちゃうか」という目で見られる。これを業界では「物件が枯れる」と言います。

一度枯れた物件は、もう正常な価格では売れません。

これが、価格設定を間違えるということです。


4. 売れる家にした実例 - 北鈴蘭台のBさんご夫婦


具体的な話をします。

去年、北鈴蘭台の戸建てを売却されたBさんご夫婦の話です。

ご主人72歳、奥様69歳。築38年の木造2階建て。土地80坪、建物30坪。

最初、Bさんは別の大手にお願いしておられました。査定は2800万円。半年売れず、2400万円まで下げて、それでも動かない。「もう値段を下げるしかないですね」と言われて、私のところに相談に来られました。

家を見せていただきました。

家自体はきれいに使われていました。けれど、玄関の周りに30年分の植木鉢が積み上がっていて、家の中も家具が多く、暗く感じる状態でした。

私はBさんにこう申し上げました。

「奥さん、この家、2400万円でも売れません。今のままでは。けれど、ある2つのことをしていただければ、2300万円で2ヶ月以内に決まります」

一つ目は、家の中の物を半分にすること。家具も、置物も、植木鉢も、半分処分する。

二つ目は、相場と合った値段で出し直すこと。下げるのではなく「実勢に合わせる」のだとお伝えしました。

Bさんは、ご家族と一週間かけて荷物を整理されました。私は写真を撮り直し、価格を2280万円に設定して、再度募集を出しました。

結果、3週間で買い手がつきました。最終的には2250万円で成約。

「半年も2800万円で待っとったのは何やったんでしょうね」

Bさんは笑っておられましたが、これが現実です。


5. 売れない家にしてしまう「状態」の問題


価格と並んでもう一つ大事なのが「状態」です。

ここで言う状態というのは、リフォームをして新築同様にしろという意味ではありません。

買う人が内見に来たとき、住んでいる姿を想像できるかどうか。

たったこれだけのことです。

私が50年やってきて、内見でガッカリされる家には、共通点があります。

  • 玄関に靴が10足以上出しっぱなし
  • 廊下や階段に物が積み上がっている
  • 水回り(キッチン、浴室、トイレ)に水アカや黒ずみが残っている
  • 庭が手入れされておらず、雑草が伸び放題
  • ペットや喫煙のにおいが染み付いている


これらは、お金をほとんどかけずに改善できます。

逆にやってはいけないのが、大規模なリフォームです。

「フルリフォームすれば高く売れますよ」

そう勧めてくる業者もいます。けれど、これも業界の裏があります。リフォーム代500万円かけても、売値はせいぜい200万円から300万円しか上がらない。差額の200万円から300万円は、丸々売主さんの持ち出しになります。

しかも、買う人の好みに合わないリフォームになることが多い。最近のお客さんは「自分でリフォームしたいから、安く買いたい」という方が増えています。中途半端にリフォームされた家は、かえって売りにくいことがあるのです。

私がいつもお客さんに申し上げるのは「掃除と片付けと、最低限のクロスの貼り替え。それで十分です」ということです。


6. デメリットも正直に言います


ここまで「売れる家にする方法」をお話ししてきました。

けれど、デメリットも正直に申し上げます。

一つ目。立地の悪い物件は、どれだけ価格と状態を整えても、売却に時間がかかります。半年から1年は覚悟していただく必要があります。

二つ目。相場で値段を出すということは、売主さんが期待していた金額より、低い価格で出すことが多くなります。「最初から安く出すなんて、損する気がする」と感じる方もおられます。けれど、半年寝かせて値段も信用も落とすよりは、最初から相場で勝負する方が、結果的に高く売れます。

三つ目。家の中の片付けは、ご自分でやっていただかないといけません。業者に頼めば10万円から30万円かかります。けれど、これをやらずに内見を迎えると、ほぼ確実に「うーん」という反応で終わります。

良いことばかりではありません。けれど、これらを乗り越えた家だけが、ちゃんと売れていきます。


まとめ


50年やってきて分かったこと
を、もう一度繰り返します。

売れる家と売れない家の違いは、立地、価格、状態。この3つです。

立地は変えられません。けれど、価格と状態は、売主さんの判断と少しの努力で必ず変えられます。

  • 業者の高い査定額に乗らないこと
  • ローンの残債や購入時の値段で判断しないこと
  • 家の中を整え、買う人が住んでいる姿を想像できる状態にすること

これだけで、売れない家は売れる家に変わります。

最後に、これだけは申し上げたい


私のところには、毎年「他社で半年売れなかった家」のご相談が何件も入ります。

そのほとんどは、家自体に問題があるのではありません。価格設定と、見せ方を間違えていただけなのです。

ご自宅の売却を考えておられる方。あるいは、すでに他社に依頼していてなかなか動かない方。

「この値段で本当に売れるんやろか」
「うちの家、何が悪いんやろか」


そう思われたら、一度ご相談ください。50年やってきた私が、正直に申し上げます。売れない家を売れる家にする方法を、隠さずお話しします。

無理にうちで売却を勧めることはありません。「他社のままで大丈夫ですよ」と申し上げることもあります。

それくらい、正直にやってきたから50年続けてこられたのだと思っています。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

50年やって分かった「買ってはいけない土地」の共通点
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/04 08:15

神戸市北区で不動産屋を50年やってきた、田中章雄です。皆さんからは「あきちゃん」と呼ばれています。今年で77歳になりました。

この50年、土地を見てきた件数は、もう自分でも数えきれません。

今日はその経験から、「これは絶対に買ってはいけない」と思う土地の共通点をお話しします。

これは断言できます。土地で失敗する人は、たいてい同じところでつまずいています。

逆に言えば、これを知っているだけで、人生で一番大きな買い物の地雷を踏まずに済むということです。

結論から申し上げます


私が「買ってはいけない」と感じる土地には、4つの共通点があります。

  1. 接道に問題がある土地
  2. 地形に無理がある土地
  3. 立地に「核」がない土地
  4. 需要が縮んでいる土地

このどれか1つでも当てはまっていたら、もう一度立ち止まってください。

全部当てはまっていたら、買ってはいけません。

ここから1つずつ、現場の言葉でご説明します。

1. 接道に問題がある土地


家を建てるには、原則として土地が幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります。これを「接道義務」と言います。

ところが、現地に行ってみると、これがギリギリの土地、あるいは満たしていない土地が、本当によくあります。

特に神戸市北区の旧集落には、昔ながらの細い道に囲まれた土地がたくさんあります。

パッと見、道に面しているように見える。けれど、その道が「建築基準法上の道路」として認められていないことがあるのです。

これに該当すると、家を取り壊しても建て替えができない、いわゆる「再建築不可」の土地になってしまいます。

再建築不可の土地は、買った瞬間に資産価値が大きく下がります。

これは覚えておいてください。

接道は、見ても素人にはまず分かりません。

「役所で道路種別を確認したか」、これが、土地を買う前に必ず聞いてほしい一言です。


2. 地形に無理がある土地


神戸市北区は山あいの地域が多く、ひな壇や旗竿地、傾斜地がそこら中にあります。

全部がダメとは言いません。けれど、

  • 擁壁が古く、高さがある
  • 道路から3m以上の高さ、または下にある
  • 敷地内に大きな段差がある

こういう土地は、買ったあと「直すのに数百万円かかる」ことが珍しくありません。

特に擁壁は、見た目が古いと建て替え時にやり直しを求められることがあります。

擁壁の作り直しは、簡単に300万円、500万円と飛んでいきます。

土地代が安いと思って買ったら、結局トータルで割高だった。これは一番よく見るパターンです。

ここで一歩立ち止まってください。

「土地が安い」のではなく「あとで高くつく分、最初に値引かれているだけ」という土地が、世の中にはたくさんあります。


3. 立地に「核」がない土地


「立地が良い」とよく言いますが、本当の意味の良し悪しは、駅徒歩何分よりも「核」があるかどうかです。

ここで言う「核」とは、

  • 通勤通学の核となる駅
  • 買い物の核となるスーパー
  • 医療の核となる病院

このどれかが徒歩・自転車圏にあるか、ということです。

神戸市北区で言えば、藤原台や岡場駅周辺、鈴蘭台などは、複数の核を持っています。

逆に、駅から遠く、スーパーも病院も車でしか行けない、という場所は、いま安くても将来もっと安くなります。

50年やってきて分かったことがあります。

「将来売る時の流動性」は、駅距離だけでは決まりません。日々の生活が回るかどうかです。

特にご夫婦のどちらかが車を運転しなくなった時、車前提の土地は急に「住めない土地」に変わります。これは70代になってから痛感する話です。


4. 需要が縮んでいる土地


最後に、これが一番重要です。

人口が減っているエリア、子供がいなくなったエリア、商店がシャッターを閉めているエリア。

こういう土地は、今いくら相場があっても、10年後20年後には「買い手がいない土地」になります。

神戸市北区にも、はっきり申し上げて、こういうエリアが少しずつ生まれています。

小学校の統廃合の話が出ているエリアは、特に注意してください。学校が消えると、若いご家族が入ってこなくなります。若いご家族が入ってこないと、土地は流動性を失います。

土地は「住むため」だけでなく、「将来手放すこと」まで考えて選ぶべきものです。


実際にあった話:Aさん(68歳)のご夫婦


ここで具体的な話をします。

去年、神戸市北区のAさん(68歳・ご夫婦)から相談を受けました。

退職金で2,800万円の土地付き中古住宅を買おうとしていたのです。場所はある集落の奥でした。

私が現地を見に行ったところ、こういう物件でした。

  • 道路は私道で、幅員2.7m
  • 接道部分は2mギリギリ、しかも私道の所有者が複数人
  • ひな壇の最上段、擁壁の高さ3.5m、築40年以上
  • 最寄りスーパーまで車で15分
  • 小学校が再来年に統廃合予定


仲介業者からは「景色が良くてお買い得」と言われていたそうです。

私は「Aさん、はっきり申し上げます。この土地は買わないでください」とお伝えしました。

理由は今日お話しした4つが、全部当てはまっていたからです。

その後、Aさんは別のエリアの中古マンションを2,400万円で購入されました。今は買い物も病院も徒歩圏で、ご夫婦で安心して暮らしておられます。

もしあのまま土地を買っていたら、Aさんは老後の資産を大きく目減りさせ、しかも車を手放せない暮らしに縛られていたでしょう。

400万円安く買って、生活の質を上げる。これが正解だったと、私は思っています。

業界の裏側を1つ、お話しします


ここで業界の裏側を1つお話しします。

不動産屋は、土地の売却を任されると、「とにかく早く売り切ること」を優先します。

なぜなら、媒介契約には期限があり、その期限内に売れないと別の業者に切り替えられてしまうからです。

だから、買い手にとっての本当のリスク、つまり、

  • 再建築不可の可能性
  • 擁壁の更新コスト
  • 将来の流動性

こういう「都合の悪い情報」を、契約直前まで黙っている業者がいます。

法的に説明義務があるものは説明します。けれど、義務のないリスクについては、聞かれない限り言わない。それが現場のリアルです。

これは、買い手の側が自分で気づくしかありません。

それから、もう1つ。

土地の売り手と買い手、両方から仲介手数料を取る「両手取引」というものがあります。

これは業者の収益が2倍になる契約です。

両手取引そのものは違法ではありません。けれど、両手を狙う業者は「自社で買い手を見つけたいがために、他社からの問い合わせを断る」ことがあります。これがいわゆる「囲い込み」です。

売り手の利益より、自分の手数料を優先する。残念ながら、こういう業者は今でも存在します。

ですから、買う側のあなたは、1社の言葉だけを信じてはいけません。

正直に言う、私の話のデメリット


ここで、私自身のお話のデメリットも正直に書きます。

私が今日お話しした4つの基準は、神戸市北区・西宮北部・三田での50年の経験に基づくものです。

都心の駅前マンション、湾岸エリアの再開発地、再開発が進む大都市の中心部。こういう物件には、必ずしも当てはまりません。

それから、4つ全部を完璧に満たす土地は、正直、ほぼありません。

どこかは妥協することになります。

私が申し上げたいのは、「妥協していい部分」と「妥協してはいけない部分」を区別してくださいということです。

接道と擁壁(地形)は、お金で解決できない、または非常に高くつく問題です。

立地と需要は、ある程度予算で調整できます。

優先順位を間違えないでください。


まとめ


最後にもう一度、結論を繰り返します。

買ってはいけない土地の共通点は4つです。

  1. 接道に問題がある(再建築不可リスク)
  2. 地形に無理がある(擁壁・段差・コスト)
  3. 立地に核がない(駅・スーパー・病院)
  4. 需要が縮んでいる(人口減・小学校統廃合)


土地は、買う時よりも「売る時」「住み続ける時」の方が、その本性が見えてきます。

買う前に、その土地が「30年後、誰に欲しがられるか」を一度考えてみてください。

50年やってきて分かったことがあります。

土地で失敗する人は、目の前の値段を見ています。土地で成功する人は、30年後の流動性を見ています。


最後に


神戸市北区・西宮北部・三田で土地や中古住宅をご検討中の方、あるいはご相続でお困りの方。

私で良ければ、無料でご相談に乗ります。

「相談だけでもいいですか?」と心配されなくて大丈夫です。

むしろ、買う前、契約する前にこそ、現場を50年見てきた人間に一度声をかけてください。

契約してしまった後では、できることが本当に限られてしまいます。

買うための背中を押す相談ではありません。

損をさせないための相談です。
センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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