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売らないと損する相続不動産
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/07/06 07:44

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、相続した不動産を「売らないでいると、かえって損をしてしまう」というお話をします。

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親から家や土地を受け継いだとき、多くの方が「せっかく親が遺してくれたものだから、手放すのは忍びない」とおっしゃいます。その気持ちは、痛いほど分かります。

けれど、私はこの50年で、その「持ち続けたい」という気持ちのせいで、何百万円も損をしてしまったご家族を何組も見てきました。ここで一歩、立ち止まって聞いてください。

結論から申し上げます


使わない、貸せない、毎年お金が出ていく。この3つがそろった相続不動産は、早く売ったほうが得です。

これは断言できます。相続した不動産で失敗する人は、「いつか使うかもしれない」「もう少し様子を見よう」と言って、判断を先延ばしにします。そして先延ばしにしている間、その家は毎年あなたの財布からお金を吸い取り続けます。

売る、売らないを決める判断基準は、実はそんなに難しくありません。今日はそれを、順を追ってお話しします。


1. 空き家は「持っているだけ」で毎年お金が出ていく


まず、これを知っておいてください。

誰も住んでいない実家でも、固定資産税は毎年かかります。神戸市北区の一般的な戸建てで、年に「10万円から15万円」ほど。ここに、火災保険や、たまに草を刈りに行く交通費、庭木の手入れなどが加わります。

年に「15万円」出ていくとして、10年放っておけば「150万円」です。

住んでいれば「住むための費用」ですが、空き家の場合は、ただ持っているだけで、何も生み出さないまま、お金だけが出ていきます。


2. 建物は空き家になった瞬間から、傷むスピードが上がる


これは意外に思われるかもしれません。

人が住まなくなった家は、住んでいる家より早く傷みます。窓を閉め切ったままだと湿気がこもり、畳や柱が傷みます。水を流さないと排水管が乾いて、においや詰まりの原因になります。

私が見てきた中で、こういうケースが本当に多いのです。相続した直後なら「築40年、あと少し手を入れれば住める家」だったのに、5年放置したら「もう建物には値段がつかない家」になっていた。

築45年の家を5年放置して、建物の価値がゼロになる。これは、決して珍しい話ではありません。


3. 相続した空き家を売るなら「期限」がある


ここは大事なので、覚えておいてください。

親が亡くなって、その実家を売る場合、条件を満たせば「3000万円まで税金がかからない」という特例があります。相続した空き家を売るときの、大きな味方です。

ただし、この特例には期限があります。おおまかに言うと、相続が始まった年から数えて「3年目の年末まで」に売らないと使えません。さらに、昭和56年より前に建てられた古い家であることなど、いくつか条件があります。相続人が3人以上いる場合は、控除の枠が一人あたり2000万円に下がります。

「そのうち売ろう」とのんびりしているうちに、この3年の期限を過ぎてしまい、本来払わなくてよかった税金を何百万円も払う羽目になった。私はそういう方を、何人も見てきました。


4. 兄弟の共有名義は、時間が経つほど売りにくくなる


これも正直に申し上げます。

相続した不動産を、とりあえず兄弟3人の共有名義にしたまま置いておく。これが一番危ない持ち方です。

最初は仲が良くても、時間が経つと、誰かが結婚し、誰かが病気になり、誰かが亡くなって、その子どもが権利を継ぎます。売るには全員の合意がいるのに、関係者がどんどん増えて、話がまとまらなくなる。

これは覚えておいてください。共有名義の不動産は、放置するほど売れなくなります。


ここで、実際にあったお話をします


神戸市北区にお住まいのAさん(68歳)。藤原台の実家を、お母様から相続されました。Aさんご自身は別に持ち家があり、実家に住む予定はありませんでした。それでも「母の思い出が詰まった家だから」と、5年ほどそのままにしておられました。

固定資産税と手入れの費用で、5年間で「およそ80万円」。そして久しぶりに私が中を見せてもらうと、雨漏りが天井まで広がり、畳はふかふかに傷んでいました。相続してすぐなら「土地建物で2200万円」で売れたであろう家が、その時点では「土地代から解体費を引いて1800万円」まで下がっていました。

つまり、5年間持ち続けたことで、出ていったお金と下がった価値を合わせて「500万円近く」を失っておられたのです。Aさんは、こうおっしゃいました。「もっと早く、あきちゃんに相談すればよかった」と。

一方で、こういうご夫婦もいらっしゃいました。Bさんご夫婦は、お父様が亡くなってすぐ、まだ気持ちの整理もつかないうちに私のところへ来られました。私は正直に「今のうちに動けば、空き家の特例が使えて税金がかかりません」とお伝えしました。相続してから2年目に売却され、手取りで大きく得をされました。

同じ相続でも、動く時期が違うだけで、結果はこれだけ変わるのです。


業界の裏側を、正直にお話しします


相続不動産を売ろうとすると、必ずと言っていいほど「買取業者」が現れます。「相続なら、面倒な手続きは全部こちらでやります。すぐに現金化できます」と。

聞こえはいいのですが、買取の値段は、普通に売るときの「6割から7割」がほとんどです。2000万円で売れる家を、1300万円くらいで買い叩かれる。これが買取査定のカラクリです。

もう一つ。相続で焦っている売主さんに対して、「今は売り時ではないので、しばらく預からせてください」と言って、実は他社に情報を回さず、自分の会社だけで抱え込む業者もいます。これを「囲い込み」と言います。売主さんは「待っていれば高く売れる」と思わされ、その間に建物はどんどん傷んでいく。

はっきり申し上げます。相続不動産で「急いで買い取ります」と言う業者と、「ゆっくり預からせてください」と言う業者、この両極端には、気をつけてください。


売ることのデメリットも、隠さず申し上げます


ここまで「早く売ったほうがいい」と申し上げてきましたが、売ることにマイナスがないわけではありません。

一つは、当たり前ですが、親の家がなくなるという寂しさです。お金には換えられない思い出があるのは事実です。ここは、ご家族でよく話し合ってください。

もう一つ。相続してから時間が経ちすぎた不動産や、期限を過ぎたものは、売っても税金が思ったより重くのしかかることがあります。だからこそ「早いうちに」なのです。そして、急いで売ろうとするあまり、最初に来た業者の言い値で手放してしまうのも、また損です。早く動くことと、焦って安く売ることは、別の話です。


まとめ


50年やってきて分かったことがあります。相続不動産は「気持ち」で持ち続けて、「お金」で損をする。これが一番多いパターンです。

売る、売らないの判断基準は、この3つで考えてください。

  • その家に自分や家族が住む予定が、本当にあるか
  • 人に貸して、家賃が入る見込みがあるか
  • 毎年出ていく固定資産税や手入れの費用を、この先ずっと払い続けられるか

この3つがすべて「いいえ」なら、それは売ったほうがいい不動産です。そして売ると決めたら、傷む前に、税の特例が使える期限内に、動いてください。


最後に、これだけは申し上げたい


相続した家をどうするかは、人生でそう何度もある決断ではありません。だからこそ、一人で、あるいはご兄弟だけで抱え込まず、一度、地元を知っている人間に相談してください。

私は「売るため」ではなく「損をさせないため」に、正直なことをお話しします。売らないほうがいい場合は、はっきり「持っておきなさい」と申し上げます。まずは今の値段と、使える特例があるかどうか、いっしょに確かめましょう。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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