カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報 / 投稿日付:2026/06/11 07:19
こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。
今日は「岡場駅の将来性」について、50年この街を見てきた目線でお話しします。
私が商売を始めた頃、岡場の駅前はまだ田んぼと畑ばかりでした。
神戸電鉄の小さな駅で、降りる人もまばら。駅前に商売になる店なんてほとんどありませんでした。
それが今では、北区の北側でいちばん人とお金が集まる駅になりました。この50年の変化を、私は駅の近くでずっと商売をしながら見てきました。
だから今日は、評論家の予想ではなく、現場の人間の実感として、これからの岡場を遠慮なく申し上げます。家を買う方にも、いま岡場周辺に家をお持ちの方にも、損をしないために知っておいていただきたい話です。
結論から申し上げます
岡場駅の将来性は、北区の駅の中で頭ひとつ抜けています。これは断言できます。
ただし、条件があります。「岡場ならどこでも安泰」ではありません。
将来も価値が残るのは、駅まで平坦に歩ける範囲と、買い物や病院がそろった一画だけです。
そこから外れた場所は、住所に「岡場の近く」と書けても、これからの30年で値段が下がり続けます。
岡場の将来性とは「駅の半径1キロの将来性」だと思ってください。
1. 北区の「機能」が岡場に集まってきた
50年やってきて分かったことがあります。駅の将来性は、電車の本数ではなく「駅前に何が集まっているか」で決まります。
岡場の駅前には、大きな商業施設があり、病院があり、銀行があり、そして数年前には区役所の北神担当の庁舎まで駅前に入りました。
役所が駅前に来るというのは、大きな意味があります。行政が「この駅を北神エリアの中心にする」と認めたということです。
買い物、医療、行政手続き。暮らしに必要なものが駅前で済む。こういう駅は、北区には岡場のほかにほとんどありません。
人口が減る時代には、機能が集まる駅と、住宅しかない駅に、はっきり二極化します。岡場は前者です。
2. 三宮までの「お金と時間」が変わった
もうひとつ、ここ数年で大きかったのは、谷上から三宮へ抜ける地下鉄の市営化です。
以前は谷上から新神戸までの運賃が高く、「北区は電車賃が高い」というのが定番の悪口でした。それが市営化で半額近くまで下がりました。
岡場から三宮まで、乗り継いでおよそ30分台。この「三宮に30分台で出られる郊外」という立ち位置は、これから効いてきます。
街なかのマンションが高くなりすぎて、同じ予算では狭い部屋しか買えない。それなら30分離れて、庭付きの戸建に住む。そういう選び方をする若いご家族が、実際に私の店にも増えています。
3. 電車だけでなく「車の便」も強い
岡場の強みは、電車と車の両方が使えることです。
近くに高速道路の出入口があり、大阪方面にも姫路方面にも車で動きやすい。お勤め先が三宮とは限らないご時世に、これは大きい。
ご主人は車で工場へ、奥様は電車で三宮へ。こういう共働きのご夫婦にとって、岡場は使い勝手の良い駅です。
電車しか取り柄のない駅は、沿線の人口が減るとそのまま沈みます。岡場は二本足で立っている。ここが違います。
4. 実例をお話しします。同じ時期に買った二軒の、30年後
平成の初め、バブルの頃の話です。
Aさん(75歳)は、岡場から車で15分の坂の上の分譲地を3,800万円で買われました。眺めが良くて、当時は飛ぶように売れた団地です。
同じ頃、Bさんご夫婦は藤原台の駅から歩ける場所を3,500万円で買われました。
それから30年あまり。
昨年、Aさんから売却のご相談を受けました。査定は900万円。買値の4分の1です。坂の上で駅に歩けない家は、買い手を探すだけでも一苦労でした。
一方のBさんのお宅は、昨年2,400万円で売れました。築30年を超えてこの値段です。
同じ時期に、ほぼ同じ値段で買った二軒です。差をつけたのは、家の良し悪しではありません。「駅まで歩けるか、坂がないか」。それだけです。
岡場の将来性という言葉は、この差を分かったうえで使わないと、痛い目に遭います。
5. 業界の裏側を申し上げます
はっきり申し上げます。「将来性があります」というのは、不動産屋の営業トークの中で、いちばん安く乱発される言葉です。
なぜか。業者の責任は、引き渡しで終わるからです。30年後にその土地がいくらになっていようと、売った業者は何の責任も負いません。
それから、こういう手口もあります。「新しい道路ができるらしい」「大きな商業施設が来るという話がある」。こういう噂で値段を吊り上げて売る。計画が立ち消えても、誰も補償してくれません。
50年この仕事をやってきた私の物差しはひとつです。将来性は「これからできるという噂」ではなく「すでにそこにあるもの」で判断する。
岡場で言えば、駅前の商業施設も、病院も、役所も、高速の出入口も、すでにあります。噂ではなく現物です。だから私は岡場を評価しています。
6. デメリットも隠さず申し上げます
良い話ばかりでは信用できませんから、マイナス面も正直に書きます。
- 神戸電鉄の運賃は安くない。岡場から三宮まで片道700円ほどで、定期代は家計に響く
- 北区全体の人口は減っており、岡場も例外ではない
- 駅から遠い坂の上の団地は、これからも値段が下がる
- 「相対的に強い」のであって「値上がりする」という意味ではない
そして、50年後を保証することは、50年やってきた私にもできません。だからこそ「外れても傷の浅い場所」、つまり駅徒歩圏を選んでいただきたいのです。
まとめ
岡場駅の将来性は、北区の中で頭ひとつ抜けています。
理由は、暮らしの機能が駅前に集まっていること、三宮への時間とお金の負担が軽くなったこと、電車と車の両方が使えること。噂ではなく、すでにある現物がそろっているからです。
ただし、その将来性が及ぶのは駅の周りだけです。駅まで平坦に歩ける範囲かどうか。岡場で家を買うなら、見るべきはこの一点です。
AさんとBさんの「900万円」と「2,400万円」の差を、どうか忘れないでください。
最後に、これだけは申し上げたい
その物件が「将来も売れる岡場」なのか、「名前だけの岡場」なのか。チラシや住所だけでは、正直なところ分かりません。
私は50年この街を歩いてきましたから、番地を聞けば、坂の角度も、冬の凍み方も、だいたい顔が浮かびます。岡場周辺で買おうか迷っている物件があれば、契約の前に一度、私のところへ聞きに来てください。売るためではなく、損をさせないために、本当のことを申し上げます。
センチュリー21・ハートピア
田中章雄


