カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報 / 投稿日付:2026/07/02 08:09
こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。
今日は、私がこの50年で数え切れないほど見てきた「相続した不動産の失敗」について、一番多い典型例をお話しします。
相続は、誰にでも一度は回ってくる話です。
そして、はっきり申し上げます。相続不動産の失敗は、たいてい同じところでつまずいています。
結論から申し上げます
相続不動産で一番多い失敗は、「何もしないまま時間だけが過ぎること」です。
もっと具体的に言うと、次の三つが重なったときです。
- 名義を親のまま放置する
- 兄弟の共有名義にしてしまう
- 空き家のまま何年も置いておく
この三つがそろうと、本来なら普通に売れたはずの家が、売れない家に変わっていきます。これは断言できます。
1. 名義を放置したまま、時間だけが過ぎる
一番多いのがこれです。お父さん、お母さんが亡くなって、家や土地はあるけれど、名義はそのまま。「そのうちやろう」と思っているうちに、5年、10年と過ぎていきます。
ここで一歩立ち止まってください。亡くなった方の名義のままでは、その不動産は売ることも、担保に入れることもできません。
そして令和6年、2024年の4月から、相続登記は義務になりました。正当な理由なく3年放っておくと、10万円以下の過料の対象になります。「知らなかった」では済まなくなったのです。
2. 兄弟の共有名義が、後で一番揉める
これも本当に多い失敗です。「とりあえず兄弟で仲良く半分ずつ」と、共有名義にしてしまう。一見、公平で良さそうに見えます。けれど、これが後で一番の火種になります。
共有名義の不動産は、売るときに共有者全員の同意が必要です。一人でも「まだ売りたくない」と言えば、その家は動きません。
さらに怖いのは、その兄弟の誰かが先に亡くなったときです。その持ち分が、その人の子どもや配偶者に相続されていきます。気がつけば、名義人が5人、6人、会ったこともない甥や姪まで含まれる。こうなると、まとめるだけで何年もかかります。
3. 空き家を放置して、期限を逃す
相続した実家を、誰も住まないまま空き家にしておく。これも損の始まりです。まず、住んでいなくても固定資産税は毎年かかります。築40年、50年の家なら、傷むのもあっという間です。
そしてもう一つ、大きな期限があります。相続した空き家を売るとき、「3000万円の特別控除」という制度が使える場合があります。これは、譲渡益から最大3000万円を差し引ける、非常に大きな制度です。
ただし、これには厳しい条件があります。
- 昭和56年5月31日より前に建てられた家であること
- 相続が始まった日から3年を過ぎる年の12月31日までに売ること
- 売った金額が1億円以下であること
特に「3年」という期限を、多くの方が知らないまま過ぎてしまいます。
実際にあった話をします
三田で、ご実家を相続された兄弟がいました。兄のAさん(62歳)と、弟のBさん(58歳)です。お母さまが亡くなって、「思い出のある家だから」と、二人ともなかなか決められませんでした。
名義は共有のまま、家は空き家のまま。そのまま5年が過ぎました。その間、固定資産税は年に12万円。5年で60万円を払い続けました。
いざ売ろうとしたら、弟さんは「売りたい」、お兄さんは「もう少し置いておきたい」。話がまとまらず、さらに1年止まりました。やっと売る決心がついたときには、家は雨漏りで傷み、旧耐震の古家。解体して更地にするのに180万円かかりました。
固定資産税と解体費を合わせて、200万円以上が消えていったのです。早く動いていれば、その多くは残せたお金でした。
もう一つ、税金で損をした話です
神戸市北区で、昭和54年築のご実家を相続されたCさん(65歳)がいました。相談に来られたのは、相続から3年と10か月が過ぎた頃でした。先ほどの「3000万円の特別控除」の期限を、数か月過ぎていたのです。
もし期限内に売っていれば、譲渡益にかかる税金を大きく抑えられました。数十万円から、場合によっては100万円を超える差です。Cさんは「もっと早く誰かに聞いていれば」と、ずっとおっしゃっていました。制度があること自体を、知らなかったのです。
業界の裏側も正直に話します
相続の相談で、こういう業者がいます。「相続税の支払いがあるでしょう。早く売りましょう」こう言って、急がせるのです。慌てさせて、自社の買取に持ち込む。
買取だと、相場の7割ほどに叩かれることが珍しくありません。3000万円で売れる家が、2100万円になる。その差は、まるまる業者の利益です。
もちろん、本当に急ぐ事情がある方には買取が向くこともあります。けれど、時間に余裕があるのに急かされているなら、一度立ち止まってください。
正直に、デメリットもお伝えします
売れば固定資産税からは解放されます。ただし、売った利益には譲渡所得税がかかります。だからこそ、3000万円の控除が使えるかどうかで、手元に残るお金が全然違うのです。
それから、更地にするタイミングにも注意が必要です。家を壊して更地にすると、土地の固定資産税が上がることがあります。住宅が建っていると受けられる軽減が外れるからです。年をまたいで解体すると、その分だけ税金が増えることもあります。このあたりは、感覚で動くと必ず損をします。
まとめ
50年やってきて分かったことがあります。相続不動産の失敗は、ほとんどが「名義放置・共有名義・空き家放置」の三つです。逆に言えば、この三つを避けるだけで、たいていうまくいきます。
名義は早めに一人に決める。共有はできるだけ避ける。そして「3年」という期限を意識して動く。それだけで、失うはずだったお金の多くが残ります。
最後に、これだけは申し上げたい
相続の話は、誰にとっても初めての経験です。分からなくて当たり前です。だからこそ、決める前に一度、地元をよく知る者に相談してください。
売る、売らない、いつ動く。その前に聞いていただくだけで、防げる失敗がたくさんあります。神戸市北区・西宮北部・三田で相続した不動産のことなら、いつでもお気軽にご相談ください。損をさせないために、正直にお話しします。
センチュリー21・ハートピア
田中章雄


