カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報 / 投稿日付:2026/06/15 10:21
こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。
今日は、私が50年この仕事をやってきた中で一番多く受けてきた質問、「北区で資産価値が落ちにくいエリアはどこか」についてお話しします。
家を買うときも、いつか売るときも、結局はここに行き着きます。立地です。
建物は古くなります。設備も流行り廃りがあります。でも、土地の場所だけは動かせません。だからこそ、買う前に「この場所は20年後も値段がつくのか」を考えておいてほしいのです。
ここで一歩立ち止まってください。これは、北区でこれから家を買う人にも、いま家を持っている人にも、両方に関わる話です。
結論から申し上げます
資産価値が落ちにくいエリアには、はっきりした共通点があります。
- 駅から平らな道で歩ける
- 生活がその街の中で完結する
- 土地の区画が整っている
この3つがそろっている場所は、北区の中でも値段が崩れにくい。逆に、ここが欠けている場所は、どんなに今きれいでも、30年後に買い手がつきにくくなります。
50年やってきて分かったことがあります。土地で失敗する人は、目の前の景色とチラシの値段を見ています。土地で成功する人は、30年後に「次の人が買いたいと思うか」を見ています。
1. 駅から「平らな道」で歩けるか
北区は坂の街です。これは正直に申し上げます。
同じ「駅徒歩10分」でも、平らな10分と、急な上り坂の10分では、価値がまったく違います。
藤原台や岡場の駅周辺で、平らな道で歩ける区画は、今でも問い合わせが途切れません。一方、駅から見える距離なのに、間に急な坂と階段がある区画は、若いご夫婦に敬遠されます。
ここで実例をお話しします。神戸市北区にお住まいのAさん(72歳)が、坂の上の一戸建てを売りに出されました。眺めは抜群、土地も広い。Aさんは「これだけ立派なんだから3000万はいくだろう」とおっしゃっていました。
ところが、内見に来た方が口をそろえて言うのです。「坂がきつくて、年を取ったら住めない」と。
結局、半年売れ残り、最後は2100万円で決まりました。眺めの良さは、足腰が動くうちだけの価値なのです。これは断言できます。
2. 生活がその街の中で完結するか
資産価値が落ちにくい街には、必ず「車がなくても暮らせる土台」があります。
- スーパー
- 病院
- 学校
- 駅
この4つが歩ける範囲にそろっている街は、強い。藤原台がその典型です。坂はありますが、街の中に生活に必要なものが全部入っている。だから、子育て世帯も高齢者も、両方が買い手になります。
逆に、家は新しくてきれいでも、「車で15分走らないとスーパーがない」という場所は、買い手が一気に狭まります。運転をやめた高齢者は住めない。共働きで車を1台しか持てない若い世帯も避ける。
ここでもう一つ、実例をお話しします。神戸市北区の山あいに、築15年のとてもきれいな一戸建てを持っていたBさんご夫婦(64歳)がいらっしゃいました。建物は文句なし。庭も広い。ご夫婦は「3000万円で買ったんだから、まだそれなりの値はつくはず」とお考えでした。
ところが、最寄りのスーパーまで車で12分、バス停まで歩いて15分という立地でした。内見に来た若いご家族が、決まってこうおっしゃるのです。「子どもが大きくなって自分で動くようになったとき、ここでは何もできない」と。
結局、買い手は半年以上つかず、最後は1750万円まで下げて、ようやく決まりました。建物がいくらきれいでも、生活が街の中で完結しない立地は、買い手のほうから値段を削ってくるのです。
買い手が狭い場所は、売るとき必ず値引きを迫られます。これは覚えておいてください。
3. 土地の区画が整っているか
意外と見落とされるのが、これです。
同じ街の中でも、区画整理された四角い土地が並ぶエリアと、昔の畑や山をそのまま切り売りした、いびつな形の土地が混じるエリアがあります。
整った区画は、何十年経っても売りやすい。形が素直で、接道も取れていて、誰が見ても使いやすいからです。一方、旗竿地や三角地、高い擁壁の上にある土地は、新築のうちは値段がついても、中古になった途端に買い手が値段を叩いてきます。
ここで業界の裏側を申し上げます。私たち不動産屋は、こういういびつな土地を売るとき、「日当たり最高ですよ」「逆に静かでいいですよ」と、欠点を裏返した言葉で説明します。嘘ではありません。でも、その言葉が出てきたら、「この土地には言いにくい弱点があるんだな」と思ってください。
特に分譲地のチラシで、一区画だけ妙に安い土地があったら要注意です。安いのには理由があります。形が悪いか、接道が悪いか、地盤に手がかかるか。安さに飛びつくと、売るときに同じ安さで叩かれます。
業界の裏側、もう一つ
「北区は今これから値上がりします」という営業トークには、気をつけてください。
北区全体が、これから人口が増えて一斉に値上がりする、ということはありません。はっきり申し上げます。これからの北区は、街によって差が開いていきます。
強い立地はゆるやかに価値を保ち、弱い立地はじわじわ下がる。全体が上がるのではなく、二極化していくのです。
だから「北区だから大丈夫」ではなく、「北区のどの街の、どの区画か」まで見てください。同じ北区でも、駅から平らに歩けて生活が完結する区画と、坂の上で車必須の区画では、20年後の値段が1000万円単位で変わります。
デメリットも正直に申し上げます
ここまで「強い立地を選べ」と申し上げてきましたが、正直なデメリットもあります。資産価値が落ちにくい強いエリアは、買うときの値段も高いのです。
藤原台の平らで便利な区画は、当然、人気があるぶん高い。坂の上の不便な区画なら、同じ広さで数百万円安く買えます。
だから「絶対に強い立地でなければダメ」とは申し上げません。ずっと住み続けて、売るつもりがまったくない方なら、安くて不便な場所を選んで、浮いたお金を暮らしに回す、という考え方も立派な選択です。
大事なのは、「自分はいつか売るのか、最後まで住むのか」をはっきりさせること。売る可能性があるなら、多少高くても強い立地を選んでおく。これが30年後に効いてきます。
まとめ
もう一度、結論を繰り返します。北区で資産価値が落ちにくいエリアの条件は、3つです。
- 駅から平らな道で歩ける
- 生活がその街の中で完結する
- 土地の区画が整っている
この3つがそろう場所を選べば、30年後も買い手がつきます。建物は古くなっても、立地は裏切りません。
そして、いびつな土地の安さ、坂の上の眺めの良さ、「これから値上がりします」の一言。この3つに飛びつかないこと。これだけで、北区での大きな失敗はほとんど防げます。
最後に、これだけは申し上げたい
家を買う前でも、いま持っている家のことでも構いません。「うちの場所は、これからどうなりますか」と、遠慮なく聞いてください。
私は売るために言葉を選びません。50年見てきた北区の街ごとの本当のところを、損をさせないために正直にお話しします。立地の話は、買ってからでは取り返しがつきません。だからこそ、迷っている今のうちに相談してほしいのです。
センチュリー21・ハートピア
田中章雄


