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シロアリと雨漏りの実際
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/09/19 17:48

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、中古の一戸建てで一番多い「隠れた傷み」の話をします。シロアリと雨漏りです。

shiroari

この二つは、別々の話のように思われています。シロアリは床下の虫の話、雨漏りは屋根の話。担当する業者さんも違います。

けれど私の経験では、北区の古い家では、この二つはたいてい一緒に出てきます。雨漏りで濡れた木に、シロアリが寄ってくるからです。

今日は、北区の家で実際によく見る症状と、買う前に自分で確かめる方法を、できるだけ具体的にお話しします。


結論から申し上げます


シロアリと雨漏りは、どちらも「水」が原因です。そして北区は、神戸の中でも湿気の多い土地です。

山を切り開いた造成地、谷筋に建つ家、北向きの斜面、擁壁の下。

こういう場所の築30年を超えた家は、シロアリか雨漏りのどちらか、あるいは両方の跡が、あるものだと思って見てください。

調べ方は、実は難しくありません。床下の点検口と、天井の点検口を開けて、懐中電灯で覗く。これだけで、大事なことの8割は分かります。

はっきり申し上げます。点検口を開けずに中古の一戸建てを買うのは、中を見ずに箱を買うのと同じです。


1. 北区の家でシロアリが出やすい場所


北区で見るシロアリは、ほとんどが「ヤマトシロアリ」という種類です。乾いた木はあまり食べません。湿った木が好きなのです。

ですから、シロアリの被害は家じゅうに均等に出るのではありません。水を使う場所と、水が溜まる場所に集中します。私がこの50年、実際に被害を見てきた場所を挙げると、だいたい次のとおりです。

  • タイル張りの古いお風呂の入口と、その下の土台
  • 台所の流し台の下の床
  • 玄関の上がり框と、その下の木
  • トイレの床
  • 北側の、日の当たらない部屋の柱の根元

特にお風呂です。昭和の家に多い、タイル張りのお風呂は、目地から少しずつ水が漏れて、何十年もかけて土台を濡らし続けます。

そこへシロアリが入ると、表から見て何ともないのに、中はスカスカということがあります。

症状として分かりやすいのは、次の三つです。

一つ目は、春の羽アリです。ヤマトシロアリは4月から5月の、雨上がりの暖かい昼間に、一斉に羽アリになって飛び出します。売主さんに「春に羽アリを見たことはありませんか」と聞いてみてください。

二つ目は、基礎のコンクリートを這い上がる「土の筋」です。蟻道と言います。幅は鉛筆くらいで、土を固めたトンネルです。家の外周をぐるりと歩いて、基礎を下から見ていくと見つかることがあります。

三つ目は、床のふかふかです。お風呂の入口、台所の流し台の前、トイレ。ここを靴下で踏んでみて、沈む感じがあれば要注意です。


2. 北区の家で雨漏りが出やすい場所


雨漏りというと屋根を思い浮かべる方が多いのですが、北区の家で私が一番多く見てきたのは、屋根そのものではありません。屋根と壁の「つなぎ目」です。具体的には、次の場所です。

  • 2階のベランダの床と、その下の1階の天井
  • 窓のサッシの上の壁
  • 1階の屋根と2階の外壁がぶつかる所
  • 外壁のひび割れ
  • 天窓のまわり

北区は山に囲まれていて、台風のときには横なぐりの雨になります。真上から降る雨には強い家でも、横から吹きつける雨には弱いのです。

普段は何ともないのに、台風の時だけ漏れる。これが一番見つけにくい雨漏りです。

家の中で見るべき症状は、天井のシミ、押入れの天井のシミ、窓まわりの壁紙の浮きや黒ずみ、それからカビの臭いです。

これは覚えておいてください。天井のシミを見て「昔の雨漏りで、もう直っています」と言われることがよくあります。

本当に直っているかどうかは、シミを見ても分かりません。天井裏の木を見て、初めて分かります。


3. 買う前に、自分で調べる方法


では、どうやって調べるか。特別な道具は要りません。懐中電灯と、汚れてもいい服と、軍手があれば十分です。内覧のときに、次の五つを必ずやってください。

  • 台所の床下収納の箱を持ち上げて、床下を覗く
  • 押入れの天井の板を一枚押し上げて、天井裏を覗く
  • 家の外周を一周して、基礎に土の筋がないか見る
  • 2階ベランダの真下にあたる1階の天井を見る
  • お風呂の入口の床を踏み、ドア枠の下の方を指で押す

床下を覗いて見るのは、土台の木が黒く湿っていないか、木の表面がボロボロ崩れていないか、土の筋が柱に伸びていないか、です。

天井裏で見るのは、屋根の裏板に輪のようなシミがないか、柱や梁に水の流れた跡がないか、です。

それから、売主さんに次の三つを聞いてください。

  • いつ、シロアリの予防の薬をまいたか
  • 雨漏りをしたことがあるか、あればどこをどう直したか
  • その工事の見積書や保証書は残っているか

シロアリの予防の薬は、効き目がおおむね5年です。「新築のときにやった」というのは、築35年の家なら30年前の話です。何もしていないのと変わりません。

自分で見て心配な所があれば、専門の方に建物の状況を調べてもらう方法もあります。北区ですと5万円から8万円くらいが多く、床下や天井裏に実際に潜って調べてもらうと、その分が上乗せになります。


4. 実際にあった話


ここからが今日一番お伝えしたい話です。

Aさんご夫婦は、ご主人が38歳、奥さまが35歳。鈴蘭台で、築36年の木造2階建てを1,380万円で買われました。お子さんが二人いて、庭のある家が欲しかったそうです。

内覧の日は、よく晴れた秋の日でした。押入れの天井に、手のひらくらいの薄いシミが一つありました。仲介の担当者は「昔の雨漏りで、屋根はもう直っているそうです」と説明しました。

床下収納の上には、売主さんの荷物が置いてあって、床下は誰も見ていません。

引き渡しから4か月たった台風の日です。2階ベランダの真下の、1階の和室の天井から、ぽたぽたと水が落ちてきました。

工務店さんに天井を開けてもらうと、ベランダの床の防水が切れていて、何年も前から少しずつ水が入っていた跡がありました。そして、濡れ続けていた柱の根元と土台に、シロアリが入っていました。

ベランダの防水のやり直しで35万円、柱と土台の入れ替えと防蟻処理で155万円。合わせて190万円です。

売買の契約では、建物の不具合について売主さんが責任を負うのは「引き渡しから3か月」となっていました。4か月目の台風です。1か月、間に合いませんでした。

結局、190万円はAさんご夫婦が全部負担されました。

もう一つ、反対の話をします。大池にお住まいのBさんは72歳の男性で、築42年の家を売りに出されました。私のところに来られたとき、私はまず「売る前に床下を見させてください」とお願いしました。

床下を覗くと、お風呂の入口の土台に古いシロアリの食べ跡がありました。ただ、今はシロアリはいない。昔の被害です。

Bさんは、防蟻処理を18万円でやり直して、その報告書と、食べ跡の写真を全部そのまま買主さんに見せる形で売り出しました。

買主さんからは値引きの話が出ましたが、30万円で話がまとまりました。最初に1,200万円で出して、1,170万円で成約です。引き渡し後に揉めることも一切ありませんでした。

50年やってきて分かったことがあります。シロアリも雨漏りも、見つかったこと自体は、そう大きな問題ではありません。

問題は、見つからないまま契約して、後から出てくることです。


5. 業界の裏側


ここは、同業者として耳の痛い話をします。

内覧のとき、床下の点検口の上に、物や家具が置いてあることがよくあります。たまたまのこともあります。けれど、わざとのこともあります。

「点検口を開けていいですか」と聞いたとき、担当者が「売主さんの荷物なので」と渋る場合は、はっきり頼んでください。それでも開けられないなら、その理由を考えてください。

次に「物件状況報告書」、つまり売主さんが家の状態を書く書類です。ここに「雨漏りなし」「シロアリなし」と書いてあっても、それは売主さんの記憶と認識です。

床下を一度も見たことのない売主さんが「なし」と書くのは、嘘ではありません。知らないだけです。そして仲介の担当者も、それを確かめずにそのまま渡すことが多いのです。

もう一つ。築40年を超えた家だと「これは古家付きの土地ですから、建物はおまけです」と言って、建物について売主さんの責任を一切なしにする契約がよくあります。

土地として買うつもりなら、それで構いません。けれど、その家に住むつもりで買うなら、話はまったく違います。「おまけ」の家に、住む人の側が何百万円も払うことになります。

最後に、シロアリの無料点検には気をつけてください。突然訪ねてきて、無料で床下を見ますと言い、どこか別の家の被害写真を見せて、その日のうちに高い契約を迫る業者が、北区でも昔からいます。

調べてもらうなら、自分で選んだ業者さんに、自分から頼んでください。


6. 調べることのデメリットも、正直に


ここまで「調べてください」と言ってきましたが、デメリットもあります。

一つ目は、お金と手間がかかることです。専門家に頼めば5万円から10万円はかかります。買わなかった家にも、その費用は戻ってきません。

二つ目は、調べている間に、他の方に買われてしまうことがあることです。北区でも、条件のいい中古の一戸建ては、2週間ほどで決まってしまうことがあります。売主さんによっては「床下まで見たいなら他の方を優先します」と言われることもあります。

三つ目は、調べても全部は分からないことです。床下と天井裏は見えても、壁の中は見えません。雨漏りも、雨の日でなければ分からないことが多いのです。調べたから絶対に安心、ということはありません。

四つ目は、売る側にとってのデメリットです。先に調べて被害が見つかれば、それは値引きの材料になります。Bさんも30万円の値引きには応じられました。黙って売れば、その30万円は手元に残ったかもしれません。

ただ、後から出てきたときの揉め事と比べれば、私は安いと思います。

それから、怖がりすぎるのも良くありません。シロアリの食べ跡があっても、部分的なら直して住めます。跡が一つあったからといって、ほかは良い家をあきらめるのは、もったいないことです。


まとめ


シロアリと雨漏りは、どちらも水が原因で、北区の古い家ではたいてい一緒に出てきます。

シロアリはお風呂や台所などの水まわりの土台に、雨漏りはベランダやサッシ上の「つなぎ目」に出ることが多いです。

買う前には、床下と天井裏を必ず覗いてください。売主さんには、防蟻処理の時期と雨漏りの履歴を聞いてください。契約書では、建物の不具合を売主さんが何か月まで責任を持つのかを確かめてください。

これは断言できます。床下を見て買った家で、後から大きく泣かれた方を、私はほとんど見たことがありません。


最後に、これだけは申し上げたい


見に行った家の点検口を、担当者が開けてくれない。売りたい家の床下を、一度も見たことがない。そういう方は、どうぞ一度ご相談ください。

北区の家なら、私が懐中電灯を持って一緒に覗きに伺います。売るにしても、買うにしても、損をしないために、まず中を見てから決めましょう。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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