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再建築不可の土地をどうするか
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/07/13 07:06

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、相談に来られる方の顔がいちばん曇る話をします。「再建築不可」の土地を、どうするか、というお話です。

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親から相続した実家を売ろうと思って業者に見せたら、いきなり「これは建て替えできない土地ですね」と言われた。頭が真っ白になった。そういう方が、この5年で本当に増えました。

先に、いちばん大事なことを言っておきます。慌てて手放さないでください。ここで一歩立ち止まってください。


結論から申し上げます


再建築不可の土地は、二束三文ではありません

売り方さえ間違えなければ、あなたが思っているより高く手放せる可能性があります。逆に、売り方を間違えると、本来の半分以下で買い叩かれます。この差が、そのまま数百万円になります。

これは断言できます。再建築不可の土地で損をする人は、たいてい「最初に来た買取業者」に、そのまま売ってしまった人です。


1. そもそも、なぜ建て替えられないのか


まず、なぜ再建築不可になるのかを知っておいてください。理由が分かれば、対処法も見えてきます。

いちばん多いのは「接道義務」を満たしていないケースです。建物を建てる土地は、幅4m以上の道路に、2m以上接していないといけない。これが法律で決まっています。ところが古い町並みだと、こういう土地が山ほどあります。

  • 前の道が4m未満しかない
  • 道路に接している間口が2mに足りない
  • そもそも建築基準法上の「道路」に接していない

神戸市北区でも、有馬や道場の古い集落、区画整理前からある住宅地には、こうした土地が普通にあります。

昔は建てられたんです。50年前は、そんな細かいことを誰も言わなかった。だから今、家は建っている。でも一度壊したら、もう新しい家は建てられない。これが再建築不可の正体です。


2. 対処法その一、隣の人に売る


50年やってきて分かったことがあります。再建築不可の土地を、いちばん高く買ってくれるのは、たいてい「お隣さん」です。

なぜか。あなたの土地は単独では建て替えられなくても、隣の土地とくっつければ、間口が広がって再建築可能になることがあるからです。隣の人にとっては、自分の土地の価値が上がる話なんです。

実際にあった話をします。北区の藤原台に近い古い住宅地で、Aさん(70歳)が相続した実家の土地がありました。間口が1.8m。あと20cm足りなくて再建築不可。買取業者に見せたら「350万円が精一杯」と言われたそうです。

私はAさんに「その前に、お隣に声をかけさせてください」と申し上げました。隣のご夫婦は、庭を広げたいとずっと思っておられた。話をつないだら、780万円で買ってくれました。

同じ土地です。売る相手を変えただけで、430万円変わったんです。


3. 対処法その二、セットバックして建て替え可能にする


前の道路が4m未満の場合、「セットバック」という方法で建て替え可能になることがあります。道路の中心線から2m下がったところまで、自分の敷地を道路として提供する。そうすると、その土地は再建築可能になります。

ただし正直に申し上げます。これは敷地が削られます。庭や駐車スペースが狭くなる。角地でもなければ、そう気軽にできる話ではありません。それでも「建て替えられない土地」が「建て替えられる土地」に変わるなら、資産価値は跳ね上がります。

自分の土地がセットバックで救えるかどうかは、市役所の建築指導課で無料で調べられます。売る前に、必ず一度確認してください。


4. 対処法その三、そのまま貸す、そのまま使う


建て替えはできなくても、リフォームやリノベーションはできます。築40年の古家でも、中を直せば十分住めます。最近は「あえて再建築不可の安い家を買って、自分好みに直して住む」という若い方も出てきました。家賃を抑えたい人には需要があるんです。

はっきり申し上げます。売り急がず、リフォームして貸せば、月5万円でも年間60万円。10年で600万円になります。焦って安く売るより、持っておいて家賃を取るほうが得なケースは、実際にあります。


5. 業界の裏側、買取業者が絶対に言わないこと


ここからが本音の話です。再建築不可の土地を、買取業者はなぜ喜んで買うか。安く仕入れて、直して、高く貸すか売るかできるからです。彼らにとっては「おいしい物件」なんです。

だから彼らは、こう言います。「再建築不可だから、住宅ローンも組めないし、買い手なんてつきませんよ。うちが買ってあげます」。これは半分は本当で、半分は誘導です。確かに一般の買い手には売りにくい。でも「隣に売る」「セットバックする」という選択肢を、彼らは絶対に教えません。教えたら自分が安く買えなくなるからです。

もうひとつ。「囲い込み」です。あなたの土地を預かった業者が、わざと他社に情報を回さず、自分の抱えている買取業者に安く流す。売主は「再建築不可だから、これが相場です」と言われて信じてしまう。こういうことが、この業界では起きています。


6. デメリット、正直に申し上げます


いいことばかり言うつもりはありません。再建築不可の土地には、はっきりしたマイナスがあります。

まず、住宅ローンが使いにくい。買い手が現金を用意できる人か、現金で買える投資目的の人に限られます。だから一般の相場より、どうしても安くなる。

次に、固定資産税は毎年かかる。使っていない土地でも、持っているだけで年間10万円前後の税金が出ていくことがあります。放っておくと、じわじわ損をします。そして、隣に売れるとは限らない。隣の人にその気がなければ、この作戦は使えません。運の要素もあるんです。

だからこそ、どの対処法が自分に合うかを、感情ではなく数字で見極める必要があります。


まとめ


もう一度、結論を申し上げます。再建築不可の土地は、二束三文ではありません。売り方で数百万円変わります。

いちばん高く売れる相手は隣の人かもしれない。セットバックで建て替え可能に変わるかもしれない。貸して家賃を取るほうが得かもしれない。この選択肢を全部並べてから、いちばん損の少ない道を選んでください。最初に来た買取業者の一言で、それを決めてはいけません。


最後に、これだけは申し上げたい


「うちの土地、再建築不可って言われたんですけど」。そう言って相談に来られる方に、私はいつも同じことを申し上げます。まず、慌てないでください。そして、売る前に一度、全部の選択肢を並べましょう。

隣に打診してみる価値があるのか。セットバックで救えるのか。貸したほうがいいのか。それを一緒に整理するだけで、結果が数百万円変わることがあります。相談だけなら、お金は一円もかかりません。損をしてからでは遅いので、動く前に一度、声をかけてください。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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