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岡場駅徒歩10分以内が持つ意味
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/06/08 08:00

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、岡場駅から徒歩10分以内という距離が、家の値段と「売れやすさ」にどれだけの意味を持つのか、というお話をします。

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「駅まで歩いて何分か」なんて、住んでいる間はそんなに気にならないかもしれません。車があれば10分も15分も大した違いに感じないものです。けれど、いざ売る段になると、この数分の差が数百万円の差になって返ってきます。

ここで一歩立ち止まってください。あなたが今住んでいる家、あるいはこれから買おうとしている家は、岡場駅から歩いて何分ですか。それを思い浮かべながら読んでいただけると、今日の話はぐっと自分ごとになります。


結論から申し上げます


岡場駅徒歩10分以内の家は、いざ売るときに「待ってくれる人」がいます。10分を超えた家は、「値段を下げないと振り向いてもらえない」ことが多い。

これは断言できます。距離は、住み心地よりも先に「資産価値」に効いてくるのです。

理由は、買う側の心理と、神戸市北区という土地の事情にあります。順番にお話しします。


1. 岡場駅は北区の「背骨」だから


ご存知の通り、岡場駅は神戸電鉄三田線の駅です。藤原台のニュータウンを支える中心の駅で、ここから新開地や三宮へ通う人が毎朝たくさん乗り込みます。

北区で家を探す人の多くは、「車も使うけれど、電車も使える場所」を求めています。完全に車だけの暮らしなら、もっと山奥でも安い土地はいくらでもあります。それでも岡場の近くを選ぶのは、電車という「もう一つの足」を手放したくないからです。

だから岡場駅に近いほど、買い手の母数が増えます。母数が増えるということは、売るときに競争が起きるということです。これが値段を支えます。


2. 「徒歩10分」には体感のボーダーラインがある


不動産の世界では、徒歩1分は80メートルで計算します。徒歩10分なら、おおよそ800メートルです。

この800メートルというのが、人間の「歩いてもいいか」の線引きになっています。雨の日、夏の暑い日、重い荷物を持った日。そういう「条件の悪い日」でも、10分以内なら人は我慢します。けれど12分、15分となると、「やっぱり車を出そう」「バスを待とう」となる。

つまり10分を超えた瞬間に、その家は「歩ける家」から「歩くにはちょっと遠い家」に変わります。買う人の頭の中で、評価が一段下がるのです。


3. 売るときの「待ち時間」が変わる


これは50年やってきて分かったことがあります。

岡場駅徒歩8分の家と、徒歩15分の家。同じ広さ、同じ築年数で売りに出したとして、売れるまでの期間がまるで違います。8分の家は問い合わせが途切れません。15分の家は、内覧の予約が入るまでにじっと待つことになります。

売れるまでの時間が延びると、何が起きるか。「そろそろ値段を下げませんか」という話が必ず出てきます。長く売れ残った家は、買い手から「何か問題があるのでは」と勘繰られるからです。距離が遠いだけで、売り出し価格をそのまま通せなくなる。これが現実です。


4. 実例をお話しします


藤原台で、同じ年に売却のご相談に来られたお二人がいました。

一人目はBさん(64歳)。岡場駅から徒歩9分、築28年の戸建てでした。お母様から相続された家で、ご自身は三田にお住まいでした。売り出してから、最初の3週間で内覧が5件入りました。結局、ほぼ希望通りの「2680万円」で買い手がつきました。

二人目はCさんご夫婦。岡場駅から徒歩17分、築26年の戸建てでした。家の中はCさんの方がよほど綺麗にお手入れされていました。けれど、半年経っても内覧は3件だけ。最初「2500万円」で出していたものを、最後は「2150万円」まで下げて、ようやく決まりました。

二軒の差は、家の状態ではありません。岡場駅まで歩いて9分か17分か。たった8分の差が、350万円の差になって表れたのです。Cさんは最後に、「主人と二人で毎日掃除してたのにねえ」と寂しそうに笑っておられました。私はあの顔を今でも覚えています。


5. 業界の裏側を申し上げます


ここははっきり申し上げます。チラシや広告の「徒歩〇分」は、そのまま信じてはいけません。

不動産屋が書く徒歩分数には、いくつかカラクリがあります。

  • 分数は敷地の一番駅寄りの角から測るので、玄関を出て実際に歩く距離より短く出ることがある
  • 80メートルで1分という計算には、信号待ちも坂道も含まれていない(北区は坂が多い)
  • 「バス〇分」を小さく書いて、いかにも近いように見せる広告がある

地図の上では10分でも、急な上り坂なら体感は13分、14分になります。そして一番たちが悪いのが、最後の「バス〇分」です。岡場駅までバスというのは、徒歩圏とは全く別物です。バスの本数、最終バスの時刻、これを確認しないまま「駅近」だと思い込むと、後で泣きます。

私は、お客様には必ず「一度ご自分の足で、駅から歩いてみてください」と申し上げます。それも晴れた昼間ではなく、雨の夕方に。それが一番正直な分数です。


6. デメリットも正直に申し上げます


では岡場駅徒歩10分以内なら万々歳かというと、そう単純でもありません。マイナス面も正直にお伝えします。

まず、当然ですが値段が高いです。同じ広さなら、駅から遠い家より数百万円高く買うことになります。

次に、駅近は土地が狭めのことが多い。ゆったりした庭や広い駐車スペースを求めるなら、少し離れた方が条件は良くなります。お子さんが小さくて庭で遊ばせたい、車を2台3台置きたい、というご家庭には、10分以内が必ずしも正解とは限りません。

それから、駅前は人や車の通りがあります。静けさを一番に求める方には、かえって落ち着かないこともあります。住んでいる間の快適さと、売るときの資産価値。この二つは、時にぶつかります。どちらを優先するかは、ご家族の暮らし方次第です。


まとめ


もう一度、結論を申し上げます。岡場駅徒歩10分以内という距離は、住み心地の話である前に、資産価値の話です。10分以内の家は、売るときに「待ってくれる買い手」がいて、値段を守りやすい。10分を超えると、その守りが効きにくくなります。

50年見てきて、ここははっきりしています。北区で家の価値を一番左右するのは、建物の豪華さではなく、岡場駅までの数分なのです。これから買う方は、その数分を「高い」と切り捨てず、30年後に自分を助けてくれる保険だと思って見てください。


最後に、これだけは申し上げたい


もしあなたが、ご自宅が岡場駅から何分で、それが今どれくらいの価値を持っているのか、一度きちんと知っておきたいとお思いなら、遠慮なくご相談ください。売る売らないは、その後で決めればいい話です。

私は「売らせるため」ではなく、「あなたに損をさせないため」に、正直な距離と正直な値段をお伝えします。50年、それだけでやってきました。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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