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共有名義はなぜ危険なのか
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/07/04 09:03

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、共有名義がなぜ危険なのか、というお話をします。

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これは、私が50年やってきた中で、一番「あとで大変なことになる」と分かっていながら、みなさんが軽く考えてしまうものです。

不動産の登記簿に、名前が二人以上並んでいる。これを共有名義と言います。ご兄弟で実家を相続したとき。ご夫婦でお金を出し合って家を買ったとき。親子でローンを組んだとき。こういうときに、自然と共有名義になります。

ここで一歩立ち止まって、私の話を聞いてください。

結論から申し上げます


共有名義は、できるだけ避けてください。

そして、もしすでに共有になっているなら、元気なうちに、仲が良いうちに、早く解消してください。

これは断言できます。共有名義は、時間が経てば経つほど、ほどけなくなる糸です。放っておいて良くなることは、まずありません。


1. 全員が「うん」と言わないと、何もできない


共有名義の一番やっかいなところは、これです。

売るのも、貸すのも、建て替えるのも、大きなリフォームをするのも、共有者「全員」の同意がいります。一人でも「嫌だ」と言えば、そこで止まります。

たとえば、三人兄弟で実家を相続したとします。長男は「売りたい」。次男も「売りたい」。ところが三男が「思い出のある家だから残したい」と言う。

これだけで、その家は売れません。二人が賛成でも、一人が反対なら動かせないのです。

多数決ではありません。全員一致です。ここを、みなさん驚くほど軽く考えています。


2. 相続のたびに、共有者がねずみ算式に増える


これが、共有名義の本当の恐ろしさです。

はじめは兄弟二人の共有だったとします。仲も良く、特に問題はなかった。ところが、片方が亡くなると、その持分が、その人の奥さんや子どもに相続されます。

二人だった共有者が、次の代で五人、六人になります。さらに次の代になると、顔も見たことのない親戚同士が、一つの土地を共有している、という状態になります。

こうなると、もう誰も手がつけられません。売ろうにも、全員の実印と印鑑証明を集めないといけない。中には行方が分からない人も出てきます。

私は、名義人が十人以上に膨れ上がって、完全に塩漬けになった土地を、北区でいくつも見てきました。50年やってきて分かったことがあります。共有名義を放置した土地は、次の世代への「負の遺産」になるのです。


3. 費用と管理の負担が、必ず不公平になる


共有名義の家や土地でも、固定資産税は毎年かかります。北区の戸建てなら、年に12万円ほどです。

この税金、誰が払うのか。

多くの場合、実家の近くに住んでいる人や、真面目な人が、一人で立て替えて払い続けることになります。遠くに住んでいる共有者は、だんだん他人事になっていく。

草むしり、雨漏りの修理、近所への対応。こういう手間も、結局は誰か一人にのしかかります。

「持分は平等」なのに、「負担は不平等」。これが、家族の間に少しずつ、しかし確実に、しこりを残していきます。仲の良かった兄弟が、この税金の話でもめて、口をきかなくなった。そういうご家族を、私は何組も見てきました。


4. 「あなたの持分だけ買いますよ」という業者がいる


ここからは、業界の裏側の話です。はっきり申し上げます

世の中には、共有持分「だけ」を専門に買い取る業者がいます。

たとえば、共有名義でもめて、お金に困った共有者の一人に近づく。「あなたの三分の一の持分だけ、うちが買い取りますよ」と持ちかける。もちろん、安く買い叩きます。

そして、その業者が共有者の一人になったあと、どうなるか。

残った家族に対して、「共有物分割請求」という裁判を起こしてくるのです。「この共有状態を解消しろ。無理なら競売にかけて、みんなで分けよう」と迫ってくる。

こうなると、家族は、その業者から持分を高く買い戻すか、家全体を競売で失うか、という選択を迫られます。穏やかに暮らしていた家に、ある日突然、見知らぬ業者が「共有者です」と乗り込んでくる。共有名義には、こういう入り口が、常に開いているのです。


実例をお話しします


数年前、北区にお住まいのAさん(64歳)から相談を受けました。

Aさんは、亡くなったお父様の家を、弟さん(60歳)と二人で相続していました。持分は半分ずつ。家にはAさんが一人で住み、固定資産税もAさんがずっと払っていました。

はじめは、それで良かったのです。ところが、弟さんが事業でお金に困った。そして、Aさんに何の相談もなく、自分の持分二分の一を、持分買取の業者に売ってしまったのです。

ある日、Aさんのところに、その業者から一通の手紙が届きました。「私どもがお宅の共有者になりました。この持分を2000万円で買い取っていただくか、応じられない場合は共有物分割の裁判を検討します」という内容でした。

Aさんは真っ青になって、私のところへ来られました。自分が住んでいる家に、突然、見知らぬ会社が「半分の権利者だ」と名乗り出てきたのですから、無理もありません。

弁護士も入れて、最終的にAさんは、当初の要求よりは下げてもらったものの、それでも1500万円近くを払って、その持分を買い戻すことになりました。

もし、お父様が亡くなったあの時点で、きちんと話し合って共有を解消していれば。あるいは、はじめからAさん一人の名義にして、弟さんには別の財産を渡す形にしていれば。こんなことにはなりませんでした。

これが、共有名義を「まあ、兄弟だから大丈夫だろう」で放置した結果です。


デメリットも正直に申し上げます


では、共有を解消すればすべて解決かというと、そう簡単でもありません。

共有を解消するには、誰か一人が他の共有者の持分を買い取るか、家を売って現金を分けるか、土地を分筆して分けるか、といった方法をとります。

どの方法にも、お金がかかります。持分を買い取るなら、その資金がいります。売って分けるなら、思い出の家を手放すことになります。分筆するなら測量や登記の費用がかかりますし、そもそも分けられない土地も多い。

さらに、持分の贈与や、身内での安い売買には、贈与税や税務署のチェックがついて回ります。

正直に申し上げて、共有名義は「作らないのが一番」なのです。一度できてしまうと、解消するにも、必ず痛みとお金が伴います。だからこそ、入り口で止めることが、何より大事なのです。


まとめ


もう一度、結論を申し上げます。

共有名義は、できるだけ避けてください。全員一致でないと動かせず、相続のたびに人数が増え、負担は不公平になり、そして見知らぬ業者が入り込む入り口にもなります。

相続で「とりあえず兄弟で半分ずつ」。ご夫婦で「二人の家だから共有で」。この「とりあえず」「二人だから」が、何年か後に、大きな火種になります。

もしすでに共有になっているなら、みんなが元気で、仲が良い、今のうちに手を打ってください。もめてからでは、選べる道がぐっと減ってしまいます。


最後に、これだけは申し上げたい


共有名義の問題は、家族の関係が絡むだけに、なかなか自分たちだけでは切り出しにくいものです。

でも、切り出さずに放っておくと、いつか必ず、もっと言い出しにくい形で問題が表に出てきます。

相続のとき、家の名義をどうするか。すでに共有になっている実家を、これからどう整理していくか。神戸市北区、西宮北部、三田あたりで、こういうことでお悩みでしたら、どうぞ一度ご相談ください。売ることを勧めるためではありません。あなたのご家族が、あとで損をしないために、50年見てきた者として、正直にお話しします。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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