カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報 / 投稿日付:2026/06/25 06:52
こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。
今日は、「北区で子育てするなら、どのあたりがいいですか」というご相談についてお話しします。
お子さんが小さいご夫婦、これからお子さんを考えているご夫婦から、本当によくいただく質問です。
ここで一歩立ち止まってください。子育て世代の家探しは、大人だけで住む家探しとは、見るところがまったく違います。それを知らずに「駅が近いから」「家が新しいから」だけで決めてしまうと、あとで後悔します。これは断言できます。
結論から申し上げます
北区で子育てをするなら、私が見てきた中では、藤原台、北神中央エリア、それから道場・有馬寄りの落ち着いた住宅地。この3つの方向性が、それぞれ違う良さを持っています。
ただし、です。
大事なのは「エリアの名前」ではありません。大事なのは、小学校までの「歩く道」と、中学校区、そして15年後にそのエリアがどうなっているか。この3つです。
50年やってきて分かったことがあります。子育てで失敗する家選びは、たいてい「今の便利さ」だけを見て、「子どもが大きくなる15年間」を見ていないのです。
1. なぜ「駅近」だけで選んではいけないのか
子育て世代の方は、つい「駅から近いほうがいい」と考えます。気持ちは分かります。
けれど、考えてみてください。
- 小学校に上がったお子さんが、毎日歩くのは駅ではありません。学校です。
- 習い事に行くのも、友だちの家に行くのも、公園で遊ぶのも、駅とは関係ありません。
- お母さんが毎日通うのは、駅より先にスーパーであり、小児科であり、学校です。
駅から3分でも、小学校まで坂道を25分歩く家。
駅から12分でも、小学校まで平坦な道を8分で着く家。
子育て世代にとって本当に暮らしやすいのは、後者です。これは、お子さんを育て終わったご家庭ほど「その通りだ」とおっしゃいます。
2. 藤原台 ― 子育て世代に一番すすめやすい理由
藤原台は、私が子育て世代に一番すすめやすいエリアです。
理由は、街そのものが「子育てを前提に作られた」ニュータウンだからです。
- 道が広くて歩道がしっかり分けてある。お子さんが歩いても自転車に乗っても、車との距離が保てます。
- 公園が多い。坂は多少ありますが、計画的に作られているので買い物動線が極端に不便になりにくい。
- スーパー、小児科、学習塾といった「子育てに必要なもの」が、ある程度まとまっている。
実例をお話しします。
数年前、藤原台に家を買われたAさんご夫婦。当時、お子さんは4歳と1歳でした。ご主人は三宮へ通勤、奥さんはパート。最初は「もっと都心寄りがいいのでは」と迷っておられました。
私はこう申し上げました。「お子さんが小学校を出る12年後まで、毎日歩く道で選んでください」と。
結局、小学校まで平坦な道で10分弱、近くに公園が2つ、スーパーも歩いて行ける家を選ばれました。今、上のお子さんは中学生です。奥さんが先日、「子どもが小さいうちに、ここにして本当によかった」と言ってくださいました。徒歩で完結する暮らしは、車の送り迎えに追われないぶん、親も楽なのです。
3. 北神中央・岡場周辺 ― 利便と子育てのバランス
「藤原台ほどニュータウン色が強くなくていい。もう少し買い物や駅の便も欲しい」
そういうご家庭には、岡場駅周辺から北神中央にかけてのエリアをおすすめします。
- 商業施設がまとまっていて、日常の買い物が楽。共働きで時間が足りないご家庭にはこれが効く。
- 駅も使いやすく、ご主人や奥さんの通勤も無理がない。
- 住宅地に入れば落ち着いた環境がある。
ただし、ここで正直なデメリットも申し上げます。
利便性が高いぶん、人気もあり、価格は藤原台の奥のほうより高めになりがちです。「便利さ」には、ちゃんと値段がついています。そこは覚悟しておいてください。
4. 道場・有馬寄り ― 自然の中でのびのび育てたいご家庭へ
「便利さより、自然の中で子どもをのびのび育てたい」
そういうお気持ちのご家庭には、道場や有馬寄りの落ち着いた住宅地が合います。
- 田畑や山が近く、空気がいい。土の上で遊ばせられる。
- 土地が比較的求めやすく、同じ予算でも広い家、広い庭が持てる。
- 近所付き合いが残っていて、地域で子どもを見守る空気がある。
これは、お金には換えられない価値です。
ただし、これもはっきり申し上げます。
車がないと生活が成り立ちません。スーパーも学校も、徒歩圏に何でも揃うわけではない。お子さんが高校に上がれば、駅までの送り迎えが日課になるご家庭も多い。「自然の豊かさ」と「車への依存」は、セットだと思ってください。
5. ここからが本音です ― 業者が言わない「中学校区」の話
ここで、業界の本音を申し上げます。
私たち不動産屋は、家を売るとき、よく「小学校が近いですよ」と言います。お母さんに響くからです。
でも、本当に長く効いてくるのは、小学校より中学校区なのです。
これは断言できます。同じ北区でも、中学校区によって雰囲気は変わります。お子さんが中学に上がる頃になって、「校区がこっちだったら」と思っても、もう簡単には動けません。家を買い替えるのは、簡単なことではないからです。
ところが、家を売る側はこの「中学校区」をあまり詳しく説明しません。なぜか。校区の評判というのは、口にしにくいデリケートな話だからです。だから多くの業者は、当たり障りなく「いい学校がありますよ」で済ませます。
私はそうはしません。お子さんのいるご家庭には、必ず「お子さんが中学に上がるのは何年後ですか」と伺い、その校区まで含めて一緒に考えます。小学校の6年は、すぐ過ぎます。その先の3年まで見て選ぶ。これが、子育て世代の家選びの肝です。
6. もうひとつの本音 ― 「新しい街」が抱える15年後
子育て世代の方は、新しく開発されたきれいな分譲地に惹かれます。同じ世代の若いご家庭が多く、子ども同士もすぐ仲良くなる。最初はそれが心地よいのです。
ですが、ここに落とし穴があります。
同じ世代ばかりで一斉に入居した街は、15年経つと、子どもが一斉に巣立ちます。あれほど子どもの声がしていた街から、ぱたりと声が消える時期が来るのです。私はこれを、北区のいくつかの分譲地で実際に見てきました。
これがいけない、という話ではありません。知っておいてほしいのです。世代がそろいすぎた街は、いずれ世代がそろって年を取る。15年、20年先の街の姿まで想像して選べる人は、強いです。
まとめ
もう一度、結論を申し上げます。
北区で子育てをするなら、藤原台、岡場・北神中央、道場・有馬寄り。この3つの方向に、それぞれ違う良さがあります。
そして本当に見るべきは、エリアの名前ではありません。
- 小学校まで毎日歩く道。
- 中学校区。
- 15年後にその街がどうなっているか。
この3つを見て選んだご家庭は、まず後悔しません。逆に、「駅が近い」「家が新しい」だけで決めたご家庭ほど、数年後に「思っていたのと違った」とおっしゃるのです。
最後に、これだけは申し上げたい
家を買うのは、お父さんとお母さんです。けれど、その家でいちばん長い時間を過ごし、いちばん影響を受けるのは、お子さんです。
ですから、子育て世代の家探しは、どうか焦らないでください。「今いい家」ではなく、「子どもが大人になるまでいい家」を選んでください。
北区のどのあたりが、お宅のお子さんに合うか。校区はどうか。15年後はどうなりそうか。そういうことを、私は損得抜きで一緒に考えます。売るためではなく、お子さんが幸せに育つ家を選んでいただくために。北区での子育てと家のこと、迷ったら、いつでも声をかけてください。
センチュリー21・ハートピア
田中章雄


