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北区で平坦な土地はどこにあるのか
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/08/25 11:48

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、北区で土地を探している方から一番よく聞かれる質問、「平坦な土地はどこにありますか」についてお話しします。

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これです。年間で何十回と聞かれます。特に、ご夫婦のどちらかが40代後半から60代の方、それから今は元気でもいずれ足腰が心配というご年齢の方。ほぼ全員がこれを聞かれます。

そして、この質問に正直に答えている業者を、私はあまり見たことがありません。


結論から申し上げます


北区で本当に平坦な土地は、計画的に造成された住宅団地の内側にしかありません。

それ以外の場所で「平坦です」と紹介される土地は、たいてい「平坦に見えるだけ」です。

そして、その平坦な区画は、同じ駅から同じ距離、同じ広さでも、坪単価で一割から二割高いです。条件が良ければ三割違うこともあります。

これは断言できます。北区で平坦さは、はっきり値段になって表れます。


1. 北区の「平坦」は、もともと平らだったわけではありません


まずここを分かっていただきたいのです。

北区というのは、六甲山系の北側の斜面と、その奥に広がる丘陵地です。地形として、もともと平らな場所はほとんどありません。

では今ある平坦な住宅地は何かというと、山を削って、谷を埋めて、人の手で平らにしたものです。

つまり北区の平坦地は「自然の平地」ではなく「造成された平地」です。

ここが大事なところで、造成された平地というのは、いつ、誰が、どういう基準で造ったかによって品質がまるで違います。

昭和40年代から50年代前半に造られた団地と、平成に入ってから造られた団地では、擁壁の造り方も、道路の勾配の取り方も、雨水の逃がし方も違います。

同じ「平坦」でも、中身が違うのです。


2. 平坦な区画がまとまっている場所を、具体的に挙げます


ここは曖昧に書いても意味がないので、はっきり申し上げます

私が50年見てきた中で、平坦な区画が「まとまって」存在するのは、次のような場所です。

  • 藤原台の北町・中町の区画整理された部分
  • 鹿の子台の北町・南町
  • 上津台
  • 筑紫が丘
  • 有野台の中心部
  • ひよどり台
  • 西鈴蘭台の一部

このあたりです。共通しているのは、いずれも「団地としてまとめて設計された場所」だということです。

道路が碁盤の目のように通っていて、一区画あたりの広さが揃っていて、電柱の位置も規則的。そういう場所は平坦である可能性が高いです。

逆に、道が曲がりくねっていて、区画の大きさがバラバラで、家の建っている高さが一軒ずつ違う。そういう場所は、まず平坦ではありません。

昔からの集落や、後から少しずつ切り売りされた土地は、地形をそのまま使っていますから、どうしても高低差が残ります。

これは良い悪いの話ではありません。事実としてそうだ、というだけの話です。

ただし、ここで一つ注意していただきたいことがあります。

同じ団地の中でも、外周部は平坦ではありません。

団地というのは、丘の上を平らに削って造ります。ですから中心部は平らでも、周辺に向かうにつれて元の地形に戻っていきます。団地の一番外側の列は、たいてい裏が斜面か擁壁です。

「藤原台なら平坦でしょう」ではありません。藤原台のどの区画か、が問題です。


3. 「平坦」には四つの条件があります


50年やってきて分かったことがあります。

お客様が「平坦」と言うときと、業者が「平坦」と言うときで、意味が違うのです。

私が現場で使っている基準を書きます。次の四つが全部そろって、はじめて平坦です。

  • 敷地の中が平らであること
  • 敷地と前面道路に段差がないこと
  • 前面道路そのものが平らであること
  • 駅・スーパー・バス停までの生活動線に急な坂がないこと

業者が言う「平坦」は、たいてい一つ目だけです。

敷地の中だけ平ら。でも道路から敷地まで階段が12段ある。前の道は勾配がきつい。駅までの帰り道は延々と登り。

これでも図面上は「平坦地」と書けてしまいます。

ですから現地を見るときは、敷地の中に立って満足しないでください。そこから駅まで、実際に歩いてみてください。それも、荷物を持って、夏の暑い日に、一度歩いてみてください。

見え方が変わります。


4. 価格差は坪単価で一割から二割です


数字の話をします。

同じエリア、同じ駅からの距離、同じくらいの広さで比べたときに、平坦な区画と傾斜のある区画では、坪単価でおおむね一割から二割の差がつきます。

たとえば55坪の土地で、平坦な区画が坪38万円だとすると、同じ団地の中でも斜面側の区画は坪31万円くらいになります。

総額でいうと2,090万円1,705万円。差は385万円です。

「385万円安いなら斜面でもいいじゃないか」

そうお考えになる方は多いです。私も現場でよく言われます。

ですが、ここで一歩立ち止まってください。

その385万円は、あとで返ってきません。むしろ出ていきます。

斜面の区画は、まず造成にお金がかかります。駐車場を道路の高さに合わせて掘り込むなら、その工事費。擁壁を新しく造るなら、その費用。階段を付けるなら、それも。

これで200万円から400万円は簡単に飛びます。安く買った分が、そのまま消えるということです。

さらに、擁壁は永久のものではありません。30年、40年と経てば、点検や補修の話が必ず出てきます。

そして一番大きいのが、売るときです。


5. 平らなのに安い土地には、必ず理由があります


ここも正直に書きます。

「平坦なのに周りより安い」という土地に出会ったら、喜ぶ前に理由を探してください。北区でよくあるのは、次の三つです。

一つ目は、田んぼの跡地です。

岡場の周辺や、有馬口から先の田園部には、田んぼを埋め立てて宅地にした土地があります。たしかに平らです。値段も安い。

ですが、地盤が弱いことが珍しくありません。地盤調査をすると改良が必要と出て、100万円から150万円の追加費用が発生します。

私が担当したケースでは、地盤改良に128万円かかった方がいらっしゃいました。土地代で200万円安く買えたと喜んでいたら、そのうち128万円が最初から消えたわけです。

二つ目は、谷を埋めた造成地です。

谷筋を土で埋めて平らにした場所は、見た目は完全にフラットです。ただし、盛土の部分と切土の部分が一つの敷地にまたがっていると、建物が不揃いに沈むことがあります。

これは造成計画図を見れば分かる話です。売主か仲介業者に「この区画は切土ですか、盛土ですか」と聞いてください。答えられない業者は、正直に言えばあまり信用できません。

三つ目は、単純に日当たりが悪い場所です。

北区の平坦地は、地形でいうと谷の底にあたることが多いです。両側から山が迫っていますから、冬場は日が差す時間が短い。朝が遅くて、夕方が早い。

平らで、安くて、駅にも近い。それなのに売れ残っている。そういう土地は、たいてい冬に一度見に行くと理由が分かります。


6. 私が見てきた実例をお話しします


具体的なお話をします。

一組目は、Aさんご夫婦です。ご主人が42歳、奥様が39歳、お子さんが二人。鹿の子台で土地を探しておられました。ご予算は土地に2,000万円まで。

私がご案内した平坦な区画は55坪で2,090万円。少しオーバーです。同じ団地の斜面側の区画は、同じ広さで1,705万円でした。

Aさんは最初、斜面側に傾いておられました。385万円違いますから、当然です。

私は正直に申し上げました。この区画は道路から敷地まで14段の階段が必要になります、と。駐車場を平らに取るには掘り込みの工事が要ります、と。

見積もりを取ってもらったら、造成費だけで310万円でした。

結果、Aさんは平坦な区画を選ばれました。

その5年後、奥様のお母様が同居されることになりました。80歳を過ぎておられます。

Aさんから電話をいただきました。「あのとき階段の家を選んでいたら、母は住めませんでした」と。

これが平坦さの価値です。買うときには見えません。10年後、20年後に効いてきます。

二組目は、Bさんです。当時68歳、藤原台北町にお住まいでした。30年前に平坦な区画を買われた方です。ご事情があって家を売ることになりました。

売り出して3週間で買い手が決まりました。値引きは一切なしです。

同じ時期に、同じ町内の斜面側の中古住宅も売りに出ていました。こちらは9ヶ月かかりました。最終的に売り出し価格から280万円下げての成約です。

建物の状態も、築年数も、駅からの距離も、ほとんど同じです。違ったのは、玄関までの階段が15段あるかないか。それだけでした。

はっきり申し上げます。平坦さというのは、売るときに一番はっきり出ます。

三組目は、Cさんです。50代のご夫婦でした。岡場の近くで、田んぼ跡の平坦な土地をご自分で見つけてこられました。周辺より坪5万円安い。ご夫婦は大喜びでした。

私は地盤調査を先にやることをお勧めしました。買う前に、売主の了解を得て調査をさせてもらったのです。

結果、柱状改良が必要と出ました。費用は128万円

Cさんはこの土地を見送られました。「教えてもらってよかった」と言われましたが、正直、買ってからでは遅かった話です。

このとき仲介に入っていた業者は、地盤のことを一言も言いませんでした。


7. 業界の裏側を申し上げます


ここからは、あまり気持ちのいい話ではありません。ですが知っておいてください。

まず、「平坦地」という表記に、はっきりした基準はありません。

チラシに「平坦地」と書くことは自由です。誰も止めません。敷地の中が水平なら、道路から3メートル上がっていても「平坦地」と書けてしまいます。

次に、写真です。

高低差のある土地の写真は、必ず「上から」撮ります。上から撮ると高低差は写りません。下から見上げて撮れば擁壁も階段も写ってしまいますから、そういう写真は載せません。

これはもう、業界の常識です。

三つ目に、現地案内の順路です。

私も若い頃、先輩に教わりました。「坂のある物件は、上から降りて案内しろ」と。

車で高い方の道から入って、下っていく。そうするとお客様は坂を登りません。楽に見えます。

逆をやると、汗をかきながら登ることになりますから、印象が悪い。だから絶対に登らせない。

これを知っている業者は、今もやっています。

ですから、現地案内のあとで、必ずご自分でもう一度、駅から歩いて行ってみてください。案内された道ではなく、自分が毎日使うことになる道を歩いてください。

四つ目です。「高低差がある」という言葉を、業者は使いません。代わりにこう言います。

  • 眺望良好
  • 日当たり抜群
  • プライバシーが保たれる
  • 開放感がある

これらの言葉が並んでいたら、まず高低差があると思ってください。全部が全部そうだとは言いませんが、経験上、かなりの確率で当たります。

五つ目。これが一番大きいかもしれません。

平坦で条件の良い区画は、そもそも一般のお客様の目に触れにくいのです。

建売業者や工務店が、売り出しと同時に押さえてしまいます。そして「建築条件付き」にして、土地だけでは売りません。

ですから「土地だけ買って、好きな工務店で建てたい」という方が、平坦な良い区画を探すのは、実はかなり難しいのです。

これは値段の問題ではなく、情報の速さの問題です。


8. 平坦な土地のデメリットも正直に書きます


ここまで平坦地を勧めるような書き方をしてきましたが、良いことばかりではありません。マイナス面も書きます。

一つ目、日照です。

先ほども触れましたが、北区の平坦地は谷の底にあたることが多いです。斜面の中腹に建っている家のほうが、冬の日当たりは良いことがあります。

見晴らしも同じです。平坦地からは山しか見えません。斜面の家からは町が見下ろせます。

二つ目、冷え込みと霧です。

冷たい空気は下に溜まります。北区の谷筋にある平坦な団地は、冬の朝の冷え込みが周辺より厳しいことがあります。霧が出やすい地域もあります。

三つ目、水です。

平らということは、水が流れて行かないということでもあります。谷を埋めた造成地や田んぼ跡は、大雨のときに水が集まりやすい傾向があります。

ハザードマップは必ず確認してください。神戸市のホームページで見られます。無料です。10分で済みます。

四つ目、値段です。

これは最初に書いたとおりです。一割から二割高い。同じ予算なら、平坦を取ると駅から遠くなるか、面積が小さくなるかのどちらかです。

五つ目、隣家との距離です。

平坦な団地は区画が整然と並びますから、隣の家がすぐ横にあります。斜面地のほうが、高低差の分だけ隣との距離が空いて、視線が気にならないという方もいらっしゃいます。

ですから「平坦なら何でも良い」ではありません。

ご家族の年齢、10年後20年後の暮らし方、そして予算。この三つで決めるものです。


まとめ


もう一度、結論を申し上げます。

北区で本当に平坦な土地は、計画的に造成された住宅団地の内側にしかありません。

藤原台の北町・中町、鹿の子台、上津台、筑紫が丘、有野台の中心部、ひよどり台、西鈴蘭台の一部。このあたりです。

ただし同じ団地でも、外周の列は斜面に接しています。町名だけで判断しないでください。

そして平坦さには、坪単価で一割から二割の値段がついています。

その差額は、あとから工事費として出ていくことが多いです。安く買ったつもりが、結局同じか、むしろ高くつく。これは何度も見てきました。

さらに、売るときにはっきり差が出ます。3週間で売れる土地と、9ヶ月かかって280万円下げる土地。同じ町内でもそうなります。

50年やってきて分かったことがあります。

土地で失敗する方は、買うときの値段を見ています。土地で失敗しない方は、20年後に自分がその階段を上がれるかどうかを見ています。


最後に、これだけは申し上げたい


平坦かどうかは、図面では絶対に分かりません。

写真でも分かりません。上から撮ってありますから。

分かるのは、現地に立って、駅まで歩いて、冬の朝に一度行ってみたときだけです。

北区で土地をお探しの方、あるいは今お持ちの土地を売ろうかとお考えの方。どちらでも構いません。

「この場所は本当に平坦なのか」「この高低差は将来どう効いてくるのか」「うちの土地は平坦さで得をしているのか、損をしているのか」

こういうことを、私は50年分の現場から正直にお答えします。売るための話ではなく、損をしていただかないための話です。

お気軽にご相談ください。何も決まっていない段階で構いません。むしろ、決まる前にお越しいただいたほうが、お役に立てます。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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