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北区の不動産が安い本当の理由
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/06/14 06:48

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、北区に住んでいる方も、これから北区を考えている方も、一度は気になったことがあるはずの話をします。「北区の不動産は、なぜ安いのか」という話です。

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神戸市の中心、三宮から電車で20分ほど。これだけ近いのに、北区の家やマンションは、東灘や灘、中央区と比べると、びっくりするくらい安い。

同じ神戸市内なのに、どうしてこんなに差がつくのか。

不思議に思ったまま、なんとなく「不便だからだろう」で片づけている方が、本当に多いんです。今日は、その「本当の理由」を、50年この街で商売をしてきた私が、隠さずお話しします。


結論から申し上げます


北区の不動産が安いのは、土地が余っているからです。

もっと正確に言うと、「山を削って、大量に宅地を作りすぎた」からです。

需要に対して、供給が多い。これがすべての出発点です。便利・不便の話は、実はその次なんです。


1. そもそも、北区の家は「数が多すぎる」


これは断言できます。北区の地価が上がりにくい一番の理由は、土地と家の数が、住む人の数に対して多すぎることです。

昭和40年代から平成にかけて、神戸市は北区の山をどんどん削りました。藤原台、鈴蘭台、北神、唐櫃、大池。あちこちに大規模なニュータウンを作りました。

なぜか。三宮や元町の周りには、もう住宅を作る土地がなかったからです。海と山に挟まれた神戸は、平らな土地が少ない。だから山の上に街を作るしかなかった。

その結果どうなったか。

ものすごい数の戸建てとマンションが、一気に供給されました。

人口がどんどん増えていた時代は、それでも足りないくらいでした。ところが今は、人口が減っています。

数が多い土地に、買う人が減っていく。これでは、値段が上がるはずがありません。

私はこれを「在庫が多すぎる街」と呼んでいます。失礼な言い方かもしれませんが、商売の理屈で言えば、これが一番正直な表現なんです。


2. 「不便だから安い」は半分だけ正しい


よく「北区は坂が多くて不便だから安い」と言われます。

これは半分は正しいです。でも、半分は的外れです。

確かに、急な坂の上の団地や、バスでしか駅に出られないエリアは、若い人に敬遠されます。これは事実です。私も正直に申し上げます。車がないと生活しづらい場所は、北区にはたくさんあります。

ただ、です。

岡場や藤原台のように、駅から平坦で、徒歩10分以内、買い物も病院もそろっている場所も、北区にはちゃんとあります。

それでも、そういう便利な場所ですら、東灘や西宮の同じ条件の家より、ずっと安い。

つまり、「不便だから安い」だけでは説明がつかないんです。

便利な場所まで安いのは、やっぱり「街全体で、家が余っているから」なんです。便利・不便は、その中での値段の上下を決めているにすぎません。


3. ブランドの差が、そのまま値段の差になる


50年やってきて分かったことがあります。家の値段は、半分以上が「住所のイメージ」で決まります。

これは、悲しいけれど本当の話です。

たとえば、阪急沿線の岡本や夙川。あのあたりは「住んでいるだけで品がいい」という空気があります。実際の建物の質とは関係なく、住所そのものに値段がついている。

一方で、北区はどうしても「郊外」「神戸の奥のほう」というイメージで見られがちです。

私はこの街を50年見てきて、住み心地は決して悪くないと思っています。空気はきれいで、子育てもしやすく、人も穏やかです。

それでも、市場というのは正直で、残酷です。

「イメージのブランド料」が乗らない分、北区の不動産は安くなる。これは、いいとか悪いとかではなく、ただの事実として知っておいてください。


4. 古い団地が、街全体の値段を引っ張っている


もう一つ、あまり語られない理由があります。

それは、昭和に作られた古い団地や公社住宅が、街全体の相場を下に引っ張っていることです。

たとえばこういうケースです。

鈴蘭台のあるエリアで、私が見てきた話です。70代のご夫婦が、築45年の団地を手放そうとしました。希望は「1000万円くらいで売れたら」とおっしゃっていました。

ところが、すぐ近くで同じような築古の団地が、500万円台でいくつも売りに出ていたんです。

中には、相続した人が「もう管理が面倒だから、いくらでもいいから手放したい」と、400万円台で投げ売りしているものまでありました。

こうなると、もう値段は下にひっぱられます。

ご夫婦の家も、結局700万円台でないと動かない、という現実に直面しました。

このご夫婦は何も悪くありません。家もきれいに使っていました。でも、周りに「安く投げ売りされた同じような家」が並んでいると、自分の家もその値段に揃えるしかなくなるんです。

これが、古い団地が多い北区の、つらいところです。


5. 値段が安いことは、デメリットばかりではない


ここまで、安い理由を正直にお話ししてきました。ここで、マイナス面もきちんと申し上げます。

安いということは、裏を返せば「売るときも安くしか売れない」ということです。

北区で家を買って、何十年か住んで、いざ売ろうとしたとき。買った値段の半分以下にしかならないことは、珍しくありません。「資産」として見ると、北区の不動産は厳しい面があります。これは隠しません。

ただ、です。

私は、これを必ずしも悪いことだとは思っていません。

なぜなら、安いということは、「身の丈に合った家を、無理なローンを組まずに買える」ということでもあるからです。

三宮の近くで5000万円の家を、35年ローンで必死に払い続ける人生と、北区で2000万円の戸建てを、15年で払い終えて、庭で野菜でも作りながら暮らす人生と。

どちらが幸せかは、その人次第です。

私が見てきた中で、本当にゆったり暮らしている方は、後者のような方が多いんです。「家で儲けよう」と思っていない人ほど、結果として穏やかに暮らしておられます。


まとめ


もう一度、結論を申し上げます。

北区の不動産が安い本当の理由は、山を削って宅地を作りすぎて、家が余っているからです。

そこに、「郊外」というイメージのブランド差と、古い団地の投げ売りが重なって、相場を押し下げています。

「不便だから安い」というのは、その中の一部の理由にすぎません。

そして大事なことは、安いことには、いい面も悪い面も、両方あるということです。

資産価値で言えば厳しい。けれど、暮らしの値段として見れば、これほど無理なく住める街もそうありません。


最後に、これだけは申し上げたい


北区で家を買うとき、売るとき、いちばん大事なのは「この街の値段の仕組みを、正直に教えてくれる人」に相談することです。

「ここは将来値上がりしますよ」なんて言う業者がいたら、私は疑ってかかります。50年見てきて、北区で大きく値上がりした場所は、ほとんどありません。

そういう調子のいい話ではなく、「あなたの暮らしにとって、この家はいくらが妥当か」を一緒に考えてくれる相手を選んでください。

北区の値段のこと、あなたの家のこと、どんな小さなことでも構いません。よかったら、一度お話を聞かせてください。損をさせない話だけ、正直にいたします。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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