カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報 / 投稿日付:2026/06/03 06:54
こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。
今日は、私がこのシリーズでずっと「北区で一番住みやすい街は藤原台です」と言い続けてきたその藤原台について、あえて弱点だけを、正直に全部お話しします。
ここまで読んできて「あきちゃんは藤原台を褒めてばかりだな」と思った方も多いと思います。
でも、いいことしか言わない不動産屋ほど信用してはいけません。これは断言できます。
だから今日は、私が藤原台の物件をお客様にご案内するとき、必ずこの目で確かめている弱点を、隠さず並べます。
結論から申し上げます
藤原台は、間違いなく住みやすい街です。けれど、誰が買っても正解になる街ではありません。
弱点は大きく分けて5つあります。
- 坂と高低差
- 車がないと不便な区画がある
- バブル期のニュータウン特有の「街の高齢化」
- 管理状態でバラつきが大きい
- 神戸市中心部までの距離と運賃
この5つを知らずに「藤原台なら安心」とだけ思って買うと、後で「こんなはずじゃなかった」となります。
順番に、正直に話します。
1. 坂と高低差は、思っているより効きます
藤原台はもともと山を造成して作った街です。だから平らに見えて、実は細かい高低差があります。
これは断言できます。図面や写真ではこの坂は絶対に分かりません。
実際にあった話をします。
神戸市中央区から越してきたBさんご夫婦(当時62歳と60歳)が、藤原台の中古戸建てを「駅まで徒歩12分」という表示を見て気に入りました。
私は内見の前に「一度、駅からご自分の足で歩いてみてください」とだけお願いしました。
ご夫婦は歩いてみて、こうおっしゃいました。「行きは下りだから12分で着いた。でも帰りは登りで、18分かかって、しかも息が切れた」と。
そうなんです。藤原台の徒歩分数は、平地の12分とは意味が違います。帰りは「登り」になる区画が多いのです。
今は元気でも、70代、80代になったときにこの坂が効いてきます。
買い物帰りに両手に荷物を持って、この坂を登れるか。これは50代60代のうちに必ず想像しておいてください。
もちろん、平坦に近い区画もあります。だから「藤原台は坂」と一括りにするのも間違いです。だからこそ、区画ごとに、自分の足で確かめる必要があるのです。
2. 車がないと不便な区画が、はっきり存在します
藤原台は駅前にはスーパーも商業施設もそろっています。ここだけ見れば、車なしでも暮らせます。
でも、街の外周や高台の区画になると話が変わります。
はっきり申し上げます。藤原台は「駅前徒歩圏」と「車前提エリア」が同じ街の中に混在しています。
ここを混同して買うと失敗します。
あるご家族の話です。
共働きのCさんご夫婦(40代)は、お子さんの学校環境を重視して、藤原台の高台の区画を選びました。静かで日当たりも良く、価格もお手頃でした。
ところが、いざ住んでみると、いちばん近いスーパーまで歩くと20分以上。坂もある。結局、2台目の車を買うことになりました。
車の維持費は、軽自動車でも年間で30万円から40万円かかります。お手頃だと思って買った家に、毎年それだけ上乗せされていったわけです。
将来、ご自身が運転免許を返納したらどうなるか。ここまで考えてエリアを選ぶ人は、正直ほとんどいません。
3. ニュータウンならではの「街ごとの高齢化」があります
藤原台が大きく開発されたのは、昭和の終わりから平成の初めです。
つまり、その頃に家を建てて入居した第一世代の方々が、今ちょうど高齢期を迎えています。
これは正直に言わなければなりません。区画によっては、お隣もそのお隣も高齢のご夫婦やお一人暮らし、という通りがあります。
街全体が同じ時期に一斉に年を取る。これがニュータウンの宿命です。
何が起きるか。
- 空き家がぽつぽつ出てくる
- 子ども会や自治会の担い手が減る
- 売り物件が同じ通りで何件も重なる時期がくる
特に最後の「売り物件が重なる」は、将来あなたが売る側になったときに効いてきます。
同じ通りで一斉に売りに出ると、価格競争になって、思った値段で売れません。
逆に、若い世帯の流入が続いている区画もあります。藤原台北町のように、世代交代がうまく回っている通りもある。
だからここでも「藤原台」とひと括りにせず、その通りに今どんな世代が住んでいるかを、必ず確かめてください。
4. 同じ藤原台でも、管理状態のバラつきが大きい
藤原台にはマンションも戸建ても両方あります。そして、ここが一番見落とされる弱点です。
管理状態に、物件ごと、棟ごとで、はっきり差があります。
マンションの場合、修繕積立金がきちんと積まれているか。これは断言できますが、外から見ただけでは絶対に分かりません。
築30年を超えたマンションで、積立金が足りていない物件は、大規模修繕のときに一戸あたり100万円単位の追加負担を求められることがあります。
戸建ても同じです。
造成地ですから、擁壁(土を支える壁)が古くなっている区画があります。この擁壁の作り直しには、200万円から、ひどいときは数百万円かかります。
買う前にこれを確かめずに契約して、後から擁壁の問題が出てきて青ざめた方を、私は何人も見てきました。
藤原台だから安心、ではありません。藤原台の中の「その一軒」が安心かどうかは、別の話です。ここを分けて考えてください。
5. 神戸市中心部までの距離と、運賃の現実
藤原台は神戸電鉄の岡場駅が最寄りです。前回の話でも触れましたが、都心へのアクセスは決して悪くありません。
ただ、正直に申し上げます。三宮まで出るには、乗り換えも含めて時間がかかりますし、運賃も安くはありません。
毎日通勤する方にとっては、この「時間」と「お金」が地味に効いてきます。
往復の運賃、定期代。年間で積み上げると、けっこうな額になります。
これはデメリットというより、納得して選ぶべき点です。
「都心から少し離れた分、静かで広い家に安く住める」。これが藤原台の本質です。
その代わり、毎日の移動には時間とお金がかかる。この交換条件を理解したうえで選ぶ人は、後悔しません。理解せずに「北区は安いから」とだけで選ぶ人が、後悔します。
まとめ
もう一度、結論を繰り返します。
藤原台は住みやすい街です。でも、誰が買っても正解になる街ではありません。
- 坂と高低差
- 車前提の区画の存在
- 街ごとの高齢化
- 管理状態のバラつき
- 都心までの距離と運賃
この5つの弱点を、自分の暮らし方に当てはめて確かめた人だけが、藤原台で本当に良い買い物ができます。
私は藤原台が好きです。だからこそ、悪いところも正直に全部お話ししました。
良いところしか言わない人より、悪いところも言う人を信じてください。これは50年やってきて分かったことです。
最後に、これだけは申し上げたい
藤原台で家を探している方、あるいは藤原台の家を売ろうとしている方。
その物件が、今日お話しした5つの弱点のどれに当てはまるのか。当てはまるなら、それはどのくらい深刻なのか。
これは図面や写真だけでは絶対に分かりません。私がこの目で見て、正直にお伝えします。
「買っていいのか」「やめておくべきか」、迷ったら遠慮なくお声がけください。50年、この街を見てきた人間の本音で、お答えします。
センチュリー21・ハートピア
田中章雄


