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第32話_藤原台で“絶対に買ってはいけない場所”
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/05/31 06:50

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、私の地元である藤原台で「絶対に買ってはいけない場所」についてお話しします。

藤原台

藤原台に住みたい、藤原台で家を探している。そういう方は今でも多いです。学校も近い、買い物も困らない、三宮にも電車で出やすい。いい街です。私も50年、この街の隅から隅まで歩いてきました。

ただ、です。同じ藤原台でも、「ここはやめておきなさい」という場所が、はっきりあります。

これは覚えておいてください。街全体がいいからといって、どの土地を買っても安心、というわけではないんです。


結論から申し上げます


藤原台で買ってはいけないのは、次の4つです。

  • 道路より高い、または低い「ひな壇」のてっぺんと底
  • 古い擁壁が支えている土地
  • バス便しかない、坂のいちばん上のエリア
  • 川や谷を埋めて造った「盛土」の場所

この4つは、買うときは安く見えます。けれど、住んでから、あるいは売るときに、必ず泣くことになります。

50年やってきて分かったことがあります。藤原台で失敗する人は、目の前の「便利さ」と「値段」しか見ていません。30年後にその家がどうなるか、誰も教えてくれないからです。

今日は、その「誰も教えてくれないこと」を全部お話しします。


1. ひな壇のてっぺんと底は避けなさい


藤原台は、山を削って造った街です。だから平らに見えても、よく見ると階段状になっています。これを「ひな壇」と言います。

このひな壇、てっぺんと底が要注意です。

てっぺんの土地は、見晴らしがいい。これは本当です。だから売るときも「眺望良好」と書かれます。けれど、風が強い。冬は寒い。そして何より、上り坂の終点なので、年を取ると車がないと生活できません。

底の土地は、もっと深刻です。道路から階段を10段、15段と下りた場所に玄関がある。こういう家を、私は藤原台で何軒も見てきました。買うときは「静かでいい」と思うんです。

これは断言できます。階段の下にある家は、年を取ったら住めません。

実際にあった話をします。藤原台のAさんご夫婦。ご主人が65歳のときに、道路から12段下がった土地の中古住宅を買われました。「眺めがいい」「価格も周りより200万円安い」と喜んでおられた。

ところが、ご主人が78歳で膝を悪くされた。階段の上り下りができなくなったんです。買い物の荷物も持って上がれない。結局、その家を売ることにされました。

ところがです。買うときに安かった家は、売るときも安いんです。階段が問題で買ったわけですから、次に買う人も同じ理由で値切ってきます。結局、買ったときよりさらに300万円下げて、ようやく手放されました。

便利な平らな土地より安い。それには、ちゃんと理由があるんです。


2. 古い擁壁の上にある土地は、数百万円の爆弾を抱えている


藤原台のように山を削った街には、必ず「擁壁」があります。土が崩れないように支えているコンクリートや石積みの壁のことです。この擁壁が、古いと地獄を見ます。

はっきり申し上げます。築40年前後の擁壁は、もう寿命が近いものが多いです。

擁壁は、いつか必ず造り直さないといけません。そしてその費用は、その擁壁の上、あるいは下に住んでいる人が負担します。

藤原台で実際にあった話です。Bさんという方が、擁壁の上の中古住宅を買われました。築35年、価格は手ごろ。私は「この擁壁、一度ちゃんと見てもらいなさい」と申し上げました。

でもBさんは、隣の不動産屋で「問題ありません」と言われたそうで、そのまま買われました。

5年後です。大雨のあと、擁壁にひびが入りました。市から「危険なので補修してください」と指導が来ました。見積もりは、なんと480万円

擁壁の補修というのは、こういう金額になります。家本体より高くつくことも珍しくないんです。

買うときに「擁壁が古い」と言ってくれる業者は、ほとんどいません。なぜなら、それを言ったら売れなくなるからです。これが業界の現実です。古い擁壁の上の土地。安いのには、480万円分の理由が隠れています。


3. バス便で坂のいちばん上は、若いうちしか住めない


藤原台と一口に言っても、駅まで歩ける場所と、バスに乗らないといけない場所があります。そして、バス便で、しかも坂のいちばん上。ここは本当に気をつけてください。

40代、50代で買うときは、何の問題もありません。車があれば便利だし、バスもそこそこ走っている。むしろ「静かでいい」と感じます。問題は、その先です。

私が50年見てきた中で、いちばん多い後悔がこれです。「あのとき、駅から遠い場所を選んだのが間違いだった」。

人は必ず年を取ります。70歳を過ぎて車を手放したら、坂の上のバス便というのは、生活そのものが成り立たなくなります。バスの本数も、昔より減っています。

これは断言できます。年を取ってから効いてくるのは「駅からの距離」と「坂」です。

実例を申し上げます。藤原台の坂の上、バス便のエリアにお住まいだったCさん。80歳を過ぎて運転をやめられた。すると、週に2回の通院がものすごく負担になった。バス停まで坂を10分、そこからバスで20分。雨の日は外に出られない。

結局、息子さんの住む街のマンションに引っ越され、藤原台の家を売りに出された。

ところが、買い手がつかないんです。半年、1年と売れない。今の若い世代は、共働きで駅近を求めます。坂の上のバス便は、よほど安くしないと振り向いてもらえないんです。

売れる家、というのは「次に誰が欲しがるか」で決まります。坂の上のバス便は、その「次の買い手」が極端に少ない。だから、いざ売るときに苦労するんです。


4. 谷や川を埋めた「盛土」は、地盤を疑いなさい


最後に、これは見た目では絶対に分からない話をします。地盤の話です。

藤原台のような造成地は、山を削った「切土」の場所と、谷を埋めた「盛土」の場所が混ざっています。

切土は、もともとの固い地盤を削っただけなので、しっかりしています。問題は盛土です。盛土は、谷や川だったところに土を盛って平らにした場所です。新しく入れた土なので、長い年月をかけて少しずつ沈みます。地震のときの揺れも大きくなります。

はっきり申し上げます。同じ藤原台でも、切土か盛土かで、地盤の安心感はまるで違います。

見た目は同じ住宅地です。だから素人には分かりません。でも、昔この街がどんな地形だったかを知っている人間には分かるんです。私は50年見てきましたから、「ああ、ここは昔、谷だったな」というのが、だいたい分かります。

実例です。藤原台のある区画で、盛土の上に建った家のDさん。築20年ほどで、玄関のタイルにひびが入り、ドアが少し閉まりにくくなった。不同沈下、つまり地盤が均等でなく沈んだんです。地盤の補強工事をすると、これも数百万円かかります。

土地を買うときは、その場所が昔どんな地形だったかを、必ず調べてください。古い地図を見れば分かります。役所にもあります。これをやらずに買うのは、目をつぶって運転するようなものです。


ここまで読んで、不安にさせてしまったかもしれません


正直に申し上げます。ここまで「あれもダメ、これもダメ」と書いてきました。でも、誤解しないでください。藤原台が悪い街だと言っているのではありません。むしろ逆です。

藤原台は、私が50年見てきた中でも、本当にいい街です。学校も病院もある、買い物も困らない、街並みも整っている。ただ、同じ街の中でも、土地一つひとつで、30年後の姿がまるで違うということなんです。

便利な平らな土地、駅に近い土地、切土の土地。こういう場所は、確かに少し高い。でも、その「高さ」には、ちゃんと意味があります。年を取っても住める、いざというとき売れる。それは値段以上の価値です。

逆に、安い土地には安い理由が必ずあります。その理由を知らずに買うと、後で何百万円も払うことになる。これが藤原台の、いえ、不動産全部の現実です。


まとめ


もう一度申し上げます。藤原台で買ってはいけないのは、

  • 道路より極端に高い、または低いひな壇のてっぺんと底
  • 古い擁壁が支えている土地
  • バス便で坂のいちばん上のエリア
  • 谷や川を埋めた盛土の場所

この4つです。どれも、買うときは安く、便利そうに見えます。でも、年を取ったとき、売るとき、災害のときに、必ず効いてきます。

50年やってきて、これは断言できます。藤原台で得をする人は、目先の安さではなく、30年後にその土地がどうなっているかを見て選んでいます。


最後に、これだけは申し上げたい


もし今、藤原台で土地や家を探しておられるなら、あるいは藤原台の不動産を売ろうとしておられるなら、買う前に、売る前に、一度立ち止まってください。

その土地が、ひな壇のどこにあるのか。擁壁は何歳か。駅まで歩けるのか。昔は谷ではなかったか。これを調べるだけで、何百万円もの損を防げます。

私は売るために言っているのではありません。あなたに損をさせないために言っています。藤原台のことなら、どの坂のどの区画でも、私はだいたい頭に入っています。気になる土地があれば、買う前に一度、遠慮なく聞いてください。それで一つでも後悔が減るなら、私はそれでいいんです。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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