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古家は解体すべきか問題(完全版)
カテゴリ:あきちゃんの不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2026/07/12 23:21

こんにちは。神戸市北区で50年、不動産屋をやっております田中章雄、通称あきちゃんです。

今日は、相続や住み替えでご実家を売るとき、ほとんどの方が一度は悩む「古い家を、壊してから売るべきか。そのまま売るべきか」というお話をします。

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これは本当に多い相談です。親御さんが住んでいた築40年、築50年の家。空き家になって、いざ売ろうとしたときに、まわりから「更地にした方が売れるよ」と言われる。かたや業者からは「解体しましょう」と勧められる。

ここで一歩立ち止まってください。この判断を間違えると、200万円、300万円が平気で消えます。今日はその判断軸を、隠さず全部お話しします。


結論から申し上げます


古家は「壊してから売る」より「そのまま売り出す」方が、まず得なケースが多いです。

理由はひとつ。解体費を先に払っても、その分だけ高く売れるとは限らないからです。

ただし、これには例外があります。壊した方が明らかに得になる家も、確かにあります。だから今日は「壊すべき家」と「壊してはいけない家」の見分け方を、判断軸としてお渡しします。


1. 解体には、あなたが思うより金が要ります


まず現実の数字から申し上げます。

神戸市北区あたりの木造2階建て、30坪から40坪の家を解体すると、今はだいたい「150万円から250万円」かかります。

昔は坪3万円などと言いましたが、今は違います。人件費も処分費も上がりました。石綿(アスベスト)が入っていれば、その調査と除去でさらに数十万円上乗せされます。

ここで覚えておいてほしいことがあります。解体費は「先払い」です。売れる前に、あなたのお財布から出ていくお金です。

50年やってきて分かったことがあります。この「先に大金が出ていく」という事実を、業者はあまり強調しません。


2. 更地にした瞬間、固定資産税が跳ね上がります


これははっきり申し上げます。ここを知らずに解体して、あとで青くなる方が本当に多い。

家が建っている土地には「住宅用地の特例」というものがあって、固定資産税が最大で6分の1に軽くなっています。

ところが家を壊して更地にすると、この特例が外れます。つまり、翌年から土地の固定資産税がドンと上がるのです。

具体的に申し上げます。神戸市北区で、家が建っている状態で土地の固定資産税が年6万円だった土地。これを更地にすると、翌年から20万円を超えることも珍しくありません。

しかも、税金の切り替わりは「1月1日時点」で判断されます。年明けすぐに壊して、その年のうちに売れなかったら、丸1年、高い税金を払い続けることになります。


3. 実例:壊さなければ80万円残った、Bさんのケース


具体的な話をします。

神戸市北区、藤原台の近くにお住まいだったBさん(72歳)。お母様が亡くなって、築48年の実家を相続されました。

近所の方に「今どき古い家なんて誰も買わない。更地にしないと売れない」と言われ、真に受けて解体されました。解体費は210万円

更地にして売り出した価格は1580万円。半年かけて、1450万円で売れました。

一方、私のところに来られた別のお客様、同じような藤原台の築45年の家。この方には「壊さず、そのまま古家付きの土地として売りましょう」とお勧めしました。

結果、1500万円で売れました。解体していません。手元に残るお金で比べると、Bさんより80万円以上多く残ったのです。

Bさんは後から、私のところに相談に来られて、こうおっしゃいました。「先に210万払わなくても、同じくらいで売れたんですね」と。

これが現実です。壊したから高く売れる、とは限らないのです。


4. 「古家付き土地」という売り方を知っておいてください


多くの方が知りません。古い家は、壊さなくても売れます。

「古家付き土地」という売り方です。土地として値段をつけて、家はおまけ、という形で売り出す。買った方が、自分の都合とお金で壊すなり使うなりする。

この売り方の良いところは、あなたが先に解体費を払わなくていいことです。そして、まれに「この家、リフォームして使いたい」という買い手が現れることもあります。そうなれば解体費すら不要です。

はっきり申し上げます。今は古い家を安く買って、自分好みに直して住む若い方が確実に増えています。「古い家=価値ゼロ」という思い込みは、もう古いのです。


5. 業界の裏側:なぜ業者は「解体しましょう」と勧めるのか


ここは正直に申し上げます。

業者が「更地にしましょう」と勧める理由は、あなたのためだけではありません。

ひとつ。解体した方が写真映えして、確かに早く売れることがあります。業者にとっては、早く売れる方が手間がかからず都合がいい。

ふたつ。解体業者を紹介すると、そこから紹介料が入る会社があります。あなたが払う210万円の中に、業者のお小遣いが乗っていることがあるのです。

みっつ。これがいちばん大事です。更地は「値段が下げやすい」。売れ残ったとき、業者は「もう少し下げましょう」と言いやすくなる。先に解体費を払ってしまったあなたは、値下げを断りにくい心理になっています。

これは断言できます。「とりあえず更地にしましょう」と、家の中も見ずにすぐ言う業者は、疑ってかかった方がいい。


6. では、壊した方がいい家とは


正直に、壊すべきケースもきちんとお伝えします。全部「そのまま売れ」とは言いません。

こういう家は、壊すことを前向きに考えていいです。

  • 家が半分崩れかけている、雨漏りやシロアリで危険な状態
  • 敷地に建物が残っていると、隣や通行人に迷惑・危険が及ぶ
  • 再建築ができる整った土地で、更地の方が買い手が明らかに増える立地
  • 建物があるせいで、買い手が住宅ローンを組みにくい古さ

こういう場合は、解体して更地で売る方が結果的に得になることがあります。

ただし、その場合でも「先に自分で全部壊す」のではなく、「解体費相当を値引きして、買い手に壊してもらう」方法や、「売買が決まってから壊す(解体条件付き)」方法があります。先にお金を出すリスクを、まず避けて考えてください。


7. デメリットも正直に:そのまま売る場合の注意点


いいことばかりは言いません。古家をそのまま売るときの、マイナス面もお伝えします。

ひとつ。古い家が建っていると、見た目の印象で敬遠する買い手が一定数います。内見で「うわ、古い」と帰る人はいます。

ふたつ。古家をそのまま売ると、あとで「床が抜けた」「雨漏りがあった」と、建物の不具合で買い手ともめることがあります。これを「契約不適合責任」と言います。

だからこそ、そのまま売るときは「現況のまま、建物の不具合は責任を負いません」という約束(契約不適合責任の免責)をきちんと契約に入れることが大事です。ここを曖昧にする業者は要注意です。

みっつ。家を壊してみたら、じつは「再建築できない土地」だったと発覚することもあります。だから壊す前に、必ず接道や再建築の可否を先に調べておく必要があります。


まとめ


もう一度、結論を申し上げます。

古家は、まず「壊さずそのまま売れないか」から考える。これが基本です。

解体費150万から250万は先払いで、しかもその分高く売れる保証はない。更地にすれば固定資産税も跳ね上がる。「更地にしないと売れない」は、多くの場合、思い込みか、業者の都合です。

壊すべきかどうかは、建物の危険度、立地、再建築の可否で決まります。壊す場合も、先にお金を出す前に「買い手に壊してもらう」「決まってから壊す」道を必ず検討してください。


最後に、これだけは申し上げたい


古い家を前に、一人で「壊すしかないのかな」と悩んでおられる方が、本当に多いです。

その一言を、どうか業者に言う前に、私のような現場の人間に一度ぶつけてみてください。壊す前なら、まだいくらでも手は打てます。壊してしまってからでは、210万円は戻ってきません。

あなたの実家が、いちばん損をしない形で次の人に渡るように。50年やってきた者として、正直にお手伝いします。まずはお気軽にご相談ください。

センチュリー21・ハートピア
田中章雄

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